Vol.577 就寝時の転落事故に注意しましょう。

年末年始に帰省等で普段と違う場所で過ごされる方もおられるのではないでしょうか。小さな子どもが寝る場所は用意していますか?
自宅ではベビーベッドを利用していても、移動先では用意が難しい場合もあるかもしれません。また、敷布団の固さや、掛布団の重さなど、寝具がいつもとは違うことも考えられます。転落や窒息の事故に注意して、子どもが寝る場所を整えましょう。
- <転落を防ぐために>
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- ベビーベッドを使用する時は、常に柵を上げる。
- できるだけ大人用ベッドは使わない。ソファでは寝かせない。
- 大人用ベッドに取り付ける幼児用ベッドガードは、生後18か月未満の乳幼児には絶対に使用しない。
- ※幼児用ベッドガード:大人用のベッドとマットレスと併用して、幼児がベッドから転落することを防止するために使用される製品。0歳児がベッドとベッドガードの隙間で窒息し死亡する事故が発生しています。
- ベッドと壁の間に隙間ができないよう、しっかりとくっつけて固定する。
- ※軟らかすぎるクッションなどは窒息のおそれがあるため、転落防止のためであっても周りに置かないようにしましょう。
- <窒息を防ぐために>
- 就寝時の窒息については過去の配信をご覧ください。
消費者庁・国民生活センターには、大人用のベッドやソファに寝ていた子どもが転落する事故の情報が医療機関(※1)から寄せられています。それほど高い位置からの転落ではなくても、頭に重いけがを負うことがあります。また、近くに置いてある物でけがをすることもあります。
- 「高さ約70cmの大人用ベッドで、保護者と年上のきょうだいの間に寝ていたところ、きょうだいを乗り越えて、フローリングの床に転落した。頭の左側が腫れており、頭頂骨骨折のため4日間入院した。」(7か月)
- 「子どもをソファに寝かせて家事をしていた。泣き声で気付くと、ソファの下のフローリングの床にうつ伏せになっていた。翌朝、頭に血腫ができており受診したところ、頭頂骨骨折のため約2週間入院となった。」(6か月)
- 「高さ約60cmの大人用ベッドで保護者と寝ていた。ベッドガードを付けていたが乗り越えて、フローリングに転落して仰向けになっていた。横のTVボードの角に後頭部をぶつけたようで、1cmほどのけがを負い3針縫合した。」(1歳)
帰省先などで古いベビーベッドを使う場合は、リコール対象製品でないことを確認(※2)し、取扱説明書や注意表示をよく読んで組立・点検してください。また、収納付き・高さ調整可能な木製ベビーベッドは、死亡事故を受けて、隙間に関する安全基準が令和元年11月に変更されていますので、旧基準の製品の場合は、収納部分の扉のロックが掛かっていることを必ず確認し、ロックが壊れていたら直ちに使用を中止してください(※3)。
- (※1)消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和3年12月現在で30機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
- (※2)消費者庁リコール情報サイト
- (※3)消費者庁「0~1歳児のベッドからの転落事故に御注意ください!-頭部を負傷する事故に加え、窒息事故も報告されており、ベビーベッドの安全基準が見直されています-
担当:消費者安全課