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Vol.570 就寝時の子どもの窒息事故に注意しましょう。ベビーベッドを利用することで避けられる事故があります。

  • 左図:子どもがやわらかい寝具の上でうつぶせで寝ており、窒息しそうになっているイラスト
  • 右図:大人が添い寝をして意図せず寝込んでしまい、身体の一部で圧迫してしまっているイラスト

厚生労働省の人口動態調査(令和2年)によると、交通事故を除く不慮の事故による4歳以下の子どもの死亡者数は93名で、そのうち不慮の窒息による死亡者数は63名でした。その約9割が1歳以下で発生しています。

消費者庁・国民生活センターには、就寝時の子どもの窒息事故の情報が医療機関()から寄せられています。

  • 「普段から使用していた低反発マットに子どもを寝かせて、保護者が家事のため30分ほど目を離していた。初めて寝返りをしたようで、気付くとうつぶせでマットに顔が完全に埋もれていた。抱き上げたが手足がだらんとしていて顔も唇も真っ青で息をしていなかったため心臓マッサージをしたところ、浅く呼吸を始めた。救急搬送時は、意識ははっきりして元気だった。」(5か月)
  • 「保護者が添い寝をしていて、気が付いたら子どもの上に覆い被さるようになっていた。本人を見ると、呼吸をしておらず顔面蒼白のため救急搬送された。窒息によると考えられる肺水腫のため3日間集中治療室で人工呼吸管理を行った。入院は2週間以上に及んだ。」(0か月)
  • 子どもがうつぶせで寝て、顔が柔らかい寝具に埋もれないよう、敷布団やマットレス等の寝具は硬めのものを使用しましょう。
  • 寝かしつけの時に、添い寝をして意図せず寝込んでしまう、また同じ寝具で就寝している際に大人の身体の一部で圧迫してしまわないように、できるだけベビーベッドで寝かせましょう。
  • 1歳になるまでは、寝かせる時は、あお向けに寝かせましょう。
  • 掛布団は、子どもが払いのけられる軽いものを使用し、顔にかぶらないようにしましょう。
  • 寝ている子どもの顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いたりする物は置かないようにしましょう。

ベビーベッドを利用することで就寝時の窒息事故だけでなく、転落などの多くの事故を避けることができる可能性があります。ベビーベッドを使用する際は、対象年齢を守り、取扱説明書を良く確認して適切に使用しましょう。

就寝時は窒息事故だけでなく、SIDS(乳幼児突然死症候群)にも注意が必要です。前述の人口動態調査(令和2年)における死因順位別に見た死亡者数では、0歳児では不慮の事故が58名で5位なのに対し、SIDSが92名で3位となっており、乳児の死因の上位となっています。
厚生労働省では、毎年11月をSIDSの対策強化月間と定め、SIDSに対する社会的関心を喚起するため、発症率を低くするポイントなどの重点的な普及啓発活動を実施しています。
SIDSは、それまで元気だった赤ちゃんが、睡眠中に突然死亡してしまう病気です。原因が分からない病気で、窒息などの事故とは異なります。厚生労働省によると、SIDSの予防方法は確立されていませんが、1歳になるまでは、寝かせるときはあお向けにすることなどにより、発症率が低くなるというデータがあります。

()医療機関ネットワーク事業:消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和3年10月現在で30機関が参画)から事故情報の提供を受けています。

(参考)
(過去の配信メール)

担当:消費者安全課