COLUMN 高齢者のボランティア活動の取組状況(都市の規模別・リモートでの活動)
ここでは高齢者のボランティア活動の取組状況に関し、都市の規模別の状況やリモートでの活動の状況についてみていきます。
都市の規模が小さくなるほど、高齢者のボランティア活動の行動者率は高くなる
総務省の「令和3年社会生活基本調査」によると、全体と高齢者の両方で、都市の規模が小さくなるほど、ボランティア活動の行動者率(注1)が高くなっています。特に、65歳から74歳まででは、人口100万人以上の大都市では約2割なのに対し、5万人未満の小都市及び町村では3割近くとなっています。一方、75歳以上では、大都市で14.8%、町村で18.9%となっており、65歳から74歳までと比べて、都市階級間での行動者率の差は小さくなっています(図表1)。
リモートでのボランティア活動にも参加
東京都生活文化局(現在の東京都生活文化スポーツ局)の「令和3年度都民等のボランティア活動等に関する実態調査」によると、過去にボランティア活動に参加したことがある人のうち、「リモート活動に参加している」(「現地には行かずに参加している」又は「両方で参加している」の計)と回答した人の割合は、全体で21.5%、男性60代で24.8%、女性60代で21.4%となっています。実際に現地に行って活動している人が大半ではあるものの、リモートでボランティア活動に参加している人も一定割合いることが分かりました。
東京都では、多くのボランティアが活躍した東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会をきっかけとして、ボランティア活動に関わる人々や団体が更につながっていくことを目指して、様々なボランティア活動の魅力を発信する、「東京ボランティアレガシーネットワーク」というウェブサイトを開設しています。このウェブサイト上では、現地に行って参加するボランティア活動だけでなく、傾聴ボランティア等のリモートでの参加も可能なボランティア活動の紹介も行っています。また、ボランティアを始めようとする人のために、スキルを身に付けるための講習会や各種ボランティア活動の説明会等の募集も行っているほか、様々なボランティア活動に関する記事や、ウェブサイトの利用者同士が交流できる機能も用意しています(図表2)。
東京ボランティアレガシーネットワーク
URL:https://www.tokyo-vln.jp/
- 注1:過去1年間(2020年10月20日~2021年10月19日)にボランティア活動を行った人(10歳以上)の、10歳以上人口に占める割合。
担当:参事官(調査研究・国際担当)