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第2部 第1章 第4節 (2)現下の社会情勢への対応

第2部 消費者政策の実施の状況

第1章 消費者庁の主な消費者政策

第4節 多様な課題への機動的・集中的な対応

(2)現下の社会情勢への対応

物価高騰への対応

 消費者庁では、「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』(注42)」を踏まえ、生活関連物資等の値上げについて注視していくため、2022年4月に「便乗値上げ情報 消費者受付ウェブ窓口」を開設し、広く消費者から情報提供を受け付ける体制を整えました。窓口に寄せられた情報は関係省庁と共有しており、必要がある場合には各省庁において適切に対応されることとなります。

 また、消費者庁では、生活関連物資の価格が著しく上昇する場合等への対応に備え、民間データを活用して、生活関連物資の価格動向の迅速な把握に努めています。

公共料金の改定対応等

 消費者庁では、公共料金の新規設定や変更に関する認可等について、事前に所管省庁と協議を行うとともに、重要なものについては、消費者委員会で審議した上で、「物価問題に関する関係閣僚会議」へ付議しています。消費者庁は、所管省庁から協議を受けた際に確認する点をチェックポイント(注43)としてまとめ、2022年8月、関係省庁に通知し、関係省庁においても当該通知を踏まえて対応するよう求めました。

 一般乗用旅客自動車運送事業(東京特別区・武三(武蔵野市・三鷹市)地区)の運賃改定案について、2022年8月に消費者委員会へ付議を行い、消費者委員会の意見を踏まえ、消費者庁及び国土交通省は、同年10月に「物価問題に関する関係閣僚会議」に付議し、同閣僚会議において当該運賃改定が決定されました。

 2022年11月及び2023年1月には、電力会社7社が電気の規制料金の改定申請を行い、経済産業省において審査された上で、同年4月、消費者庁に協議が行われました。消費者庁から消費者委員会に付議し、意見を得た後、5月に消費者庁及び経済産業省は、「物価問題に関する関係閣僚会議」に付議し、同閣僚会議において査定方針が決定されました。

 このほか、公共交通15件等、計24件の公共料金等の改定等が所管省庁において審査された上で、消費者庁で協議を受け、回答しました。

 電気料金のうち託送料金については、2023年度からレベニューキャップ制度(注44)が導入される予定であることから、2022年7月以降、経済産業省において一般送配電事業者が提出した事業計画の検証が行われてきました。消費者庁は、これらが消費者の視点から見て妥当なものになっているか、同年10月に消費者委員会へ諮問を行い、同年11月に消費者委員会から答申を受けました。これを踏まえ、同月に経済産業省へ電力託送料金の妥当性に関する意見を提出しました。その後、経済産業省において当該意見に対する検討・検証作業がされましたが、疑問点の全てが解消されたわけではなかったことから、2023年1月に、経済産業省へ託送料金の妥当性に関する疑問点の解消に向けて引き続き検討を求めました。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大等への対応

 消費者庁では、新型コロナウイルス感染症への効果を標ぼうする不当表示について、厳正に対処しました。室内用の空間除菌用品2商品を販売していた1事業者(2022年4月)、新型コロナウイルス感染症等への効果を標ぼうする健康食品6商品を販売していた2事業者(2022年9月、2022年11月)に対し、景品表示法違反として措置命令を行いました。

 そのほか、厚生労働省と合同で公表した新型コロナウイルスの抗原定性検査キットの購入における注意点(2021年10月公表)について、新型コロナウイルス感染症に関する一般用抗原定性検査キットが医薬品医療機器等法の規定に基づき承認を得て、製造販売されることになったことを踏まえ、2022年9月に見直しを行い、消費者へ改めて注意喚起を実施しました(図表Ⅱ-1-4-2)。

 消費者庁では、引き続き、表示について継続的な監視を実施し、景品表示法の規定等に基づく適切な措置を実施することとしています。

図表2-1-4-2新型コロナウイルスの抗原定性検査キットの表示に関する注意喚起


担当:参事官(調査研究・国際担当)