第1部 第2章 第2節 (4)高齢者の消費者トラブル防止に向けた行政の対応
第1部 消費者問題の動向と消費者の意識・行動
第2章 【特集】高齢者の消費と消費者市民社会の実現に向けた取組
第2節 高齢者の消費行動と消費者トラブル
(4)高齢者の消費者トラブル防止に向けた行政の対応
■高齢者への情報提供や消費者教育に関する取組
高齢者や周囲の人への情報提供
消費者庁では、チラシや冊子等の紙媒体、ウェブサイトでの告知、記者会見等を通じて、高齢者やその周囲の人に向けた情報発信を行っています。
特に冬期には、浴室での溺水事故や餅による窒息事故、掃除中や除雪中の転倒・転落等、高齢者の事故が多発しているため、例年冬期に注意喚起を実施しているほか、事故に関する情報をウェブサイトに掲載しています。
また、消費者庁では2022年に、消費者庁をかたる商品の送り付け(注52)や悪質な住宅リフォームの訪問販売といった高齢者がターゲットとなりやすい消費者トラブルについて、消費者被害防止に向けた注意喚起を実施しています。
高齢者への消費者教育の推進
消費者庁では、消費生活のデジタル化が急速に進展する中で、デジタル機器やサービスに不慣れな高齢者が取り残されないように、デジタル化に対応した消費者教育を推進しています。
2021年度には、先進的モデル事業「高齢者向けデジタル教材及び高齢者等への効果的な普及啓発手法の開発・実証(注53)」を実施し、アプリの開発や研修等を実施するとともに、「高齢者向け消費者教育教材(動画)」を作成しました。
また、同年度には、デジタル教材「デジタル社会の消費生活」を制作する中で、中高年層向けのeラーニング教材を制作・公開し、若年層だけでなく、高齢者もデジタル取引等について学習できるようにしました(注54)。
2023年3月には、上記「高齢者向け消費者教育教材(動画)」を活用した講座の事例をまとめた「高齢者向け消費者教育教材活用事例集」を作成しました。
さらに、2023年3月に閣議決定された「消費者教育の推進に関する基本的な方針」では、高齢者に対する消費者教育・啓発については、多様な高齢者の実態や社会のデジタル化を踏まえた一層の工夫を行うことが、消費者教育の推進の基本的な方向として示されました。
高齢者向け消費者教育教材(動画)
URL:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/teaching_material/movies_for_seniors/
高齢者向け消費者教育教材活用事例集
URL:https://www.kportal.caa.go.jp/casestudy/001148/
教材:デジタル社会の消費生活
URL:https://www.caa.go.jp/policies/future/project/project_003/demonstration/materials/
担当:参事官(調査研究・国際担当)