第1部 第1章 第4節 (2)新型コロナウイルス感染症に関連する消費生活相談
第1部 消費者問題の動向と消費者の意識・行動
第1章 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果等
第4節 2022年の消費生活相談のトピックス
(2)新型コロナウイルス感染症に関連する消費生活相談
新型コロナウイルス関連の相談件数は、長期的には減少傾向
新型コロナウイルス感染症に関連する消費生活相談(以下「新型コロナウイルス関連」という。)の相談件数を四半期別にみると、長期的には減少傾向を示しています。特に、新型コロナウイルス関連のうち「保健衛生品」に関する相談は、相談が急増した2020年はマスク等の品薄や高額転売、インターネット通販や送り付け商法に関する相談がみられましたが、2022年は2020年に比べて相談件数が大きく減少しています(図表Ⅰ-1-4-3)。
新型コロナウイルスに便乗した海産物の電話勧誘販売が発生
2022年の新型コロナウイルス関連の商品・サービスをみると、「保健衛生品その他」(マスクや(医薬品ではない、又は研究用の)抗原定性検査キット(注26)が含まれる。)の相談件数が最多でした。具体的な事例としては、「通販サイトで購入した抗原検査キットで陽性となり、医療機関を受診したが陰性だった。どちらが正しいか」等のケースがみられました。
続いて、「魚介類(全般)」の相談件数が多くなっています。具体的な事例としては、「事業者から電話があり、『コロナで売上げが落ちて倒産してしまうかもしれない。値下げするので海産物を買ってほしい』と勧誘され、承諾してしまった」等、電話勧誘販売で消費者の親切心や同情心につけ込むケースが2021年に引き続きみられました(図表Ⅰ-1-4-4)。
消費者庁や国民生活センターでは、新型コロナウイルス関連の消費者トラブルの被害に遭わないよう、消費者に注意喚起を実施しています(注27)(消費者庁の取組については、第2部第1章第4節「多様な課題への機動的・集中的な対応」参照。)。
- (注26)国が承認した医療用医薬品又は一般用医薬品(OTC)の抗原定性検査キットは、「体外診断用医薬品」又は「第1類医薬品」と表示されている。そのほかに、「研究用」として販売されている検査キットは、性能等が確認されたものではないため注意が必要である。
- (注27)国民生活センター「急増!海産物の電話勧誘販売・送り付けトラブル―『新型コロナウイルスの影響で収入が減って困っている』という電話に注意!―」(2022年7月14日公表)
消費者庁「新型コロナウイルスの抗原定性検査キットは国が承認した『体外診断用医薬品』を選んでください!」(2022年9月9日改訂)
国民生活センター「新型コロナウイルス感染のセルフチェックには国が承認した抗原定性検査キットを!―購入時には薬剤師から説明を受けて正しく使用しましょう―」(2022年9月21日公表)
国民生活センター「海産物の電話勧誘販売・送り付けトラブルがさらに増えています―年末にかけて特に注意してください!―」(2022年11月24日公表)
担当:参事官(調査研究・国際担当)