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第1部 第2章 第1節 (3)第1節のまとめ

第1部 消費者問題の動向と消費者の意識・行動

第2章 【特集】変わる若者の消費と持続可能な社会に向けた取組~18歳から大人の新しい時代へ~

第1節 若者を取り巻く環境と意識の変化

(3)第1節のまとめ

 本節では、デジタル化の進展や孤独・孤立の顕在化、社会貢献への意識を醸成する教育環境等、若者を取り巻く社会環境の変化と、それらを踏まえた若者の意識についてみてきました。

 現在の若者は、ほとんどの人がスマートフォンを保有し、デジタルプラットフォームでの商品やサービスの購入、ソーシャルメディアや動画投稿・共有サービスの利用等、幅広い用途でスマートフォンを利用しています。また、地域とのつながりの希薄化や新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による人との接触機会の減少によって、孤独・孤立が一層顕在化していました。一方、ESDの考え方に基づいた教育によって、社会貢献への意識も醸成されつつあります。

 若者の意識としては、イベントや体験では参加者同士の一体感やその場・その時しか得られないといった非再現性を重視すること、チャンスと感じたら逃したくないという意識が高いということ、自分の考えを相手に伝えることが苦手、今の自分を変えたいといった意識があることも分かりました。また、困っている人・助けが必要な人への貢献意欲が高い一方で、環境問題や社会課題の解決に対しては、一部の若者を除いて他の年齢層と同程度の貢献意欲ということが分かりました。若者は他の年齢層よりも、困っている人・助けが必要な人といった、より分かりやすくて身近に感じられる存在に対しての貢献意欲が高いと考えられます。

 若者は、他者とのコミュニケーションにおいてはSNSを長時間利用し、情報収集・発信だけでなく、新たな出会いや交流等の幅広い用途で活用しています。このことから、SNSが若者にとって彼らの意識を反映する日常的なコミュニケーションツールであることが分かりました。様々な社会環境の変化を受けて、若者の意識やコミュニケーションが変わりつつあります。

 次節では、若者のこうした意識やコミュニケーションの実態を踏まえた消費行動と消費者トラブルの特徴について分析するとともに、行政の取組等について紹介し、「消費者トラブルの未然防止」に向けた方策を提案します。

担当:参事官(調査研究・国際担当)