第1部 第1章 第3節・4節 最近注目される消費者問題|概要
第1部 消費者問題の動向と消費者意識・行動
第1章 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果等
第3節 消費生活相談件数の推移
第4節 最近注目される消費者問題
最近注目される消費者問題
- 高齢者の消費生活相談件数は、2019年は減少も、相談件数での割合は、2018年に続き3割超。
- 商品・サービス別では、「商品一般」が最多。ほかではインターネット関連が上位に。
「高齢者」の相談事例
- 契約している大手携帯電話会社の関連会社と偽られて、別会社と光回線の契約をしてしまった。
- 高齢の母が、電話勧誘で海産物を次々に購入させられている。
- 若者の相談では、女性のみならず男性でも「美容」が上位に。20歳代では「フリーローン・サラ金」も上位に。
- 若者を中心に、各年齢層で「定期購入」やSNSが関連している消費生活相談が増加。
「若者」の相談事例
- 未成年の息子がスマートフォンの広告で除毛剤を購入。
使ったら、かゆみや赤みが出たので、もう使いたくないという。
本日、同じ商品が届き、定期購入契約であることが分かった。
- 三つの台風の上陸により、2019年は「自然災害」に関する相談件数が、2018年を上回る。
- 8月以降、台風被災地が単位人口当たり相談件数の上位に。
「自然災害」の相談事例
- 工事業者を名のる人物から「お宅の瓦がずれている。もうすぐ台風が来るので至急工事をした方がよい」と工事を急かすような勧誘を受けた。
- 台風の影響で停電が続き、蒸し暑い中電気製品が使えず困っている。電力会社への電話がつながらないがどうすればよいか。
- 2020年初頭の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、日常の消費生活に大きな影響。
- 消費生活相談として、転売や航空券等のキャンセル料、送り付け商法等に関するものが寄せられている。
- 消費者庁は、マスク等の物資の需要増に対応するとともに不当表示や悪質商法による消費者被害の防止等への取組を実施。
新型コロナウイルス感染症の拡大への消費者庁の対応
- (1) マスク等の物資の需要増への対応
- (2) 食料品等の冷静な購買活動の呼び掛け
- (3) 不当表示や悪質商法による消費者被害の防止
- 新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品の表示に対する改善要請
- 国民生活センターによる便乗商法への注意喚起
- (4) 食品表示基準の弾力的運用(3月3日)
- (5) 正確な情報発信や不確かな情報の発信・拡散の抑制への対応(第4期消費者基本計画)
- 2019年に入り、「チケット転売」の相談件数が増加。相談件数は前年の約4.2倍に。
- ラグビーワールドカップ開幕(2019年9月)前後には「チケット転売」の取引金額が高額化。
「チケット転売」の相談事例
- 入場できないおそれのある転売禁止のチケットが販売されており、購入してしまった。
- 購入者がチケットの受取完了の手続をせず、チケット転売仲介サイトから代金が支払われない。
- 「情報商材※1」に関する消費生活相談件数は、約7,700件。20歳代での増加が顕著。
- 「マルチ商法※2」では、「サービス」に関するものの相談割合が過半数("モノなしマルチ")。
「情報商材」の相談事例
- SNSでFXの情報商材を知り、セミナーに出掛け契約したが、無価値な内容だった。
- ※1「情報商材」:インターネットの通信販売等で、副業・投資やギャンブル等で高額収入を受けるためのノウハウなどと称して販売されている情報。形式はPDF等の電子媒体、動画、メールマガジン、アプリケーション。
「マルチ商法」の相談事例
- 中学時代の友人から誘われ「海外の不動産に投資をすれば暗号資産(仮想通貨)で配当がある。投資者を紹介すれば紹介料を受け取ることができる」と説明を受け、 借金して、代金を友人に手渡した。
- ※2「マルチ商法」:商品・サービスを契約して、次は自分がその組織の勧誘者となって紹介料報酬等を得る商法。特定商取引法の「連鎖販売取引」とは必ずしも一致しない。
担当:参事官(調査研究・国際担当)