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COLUMN5 季節食品の食品ロス削減の取組

近年、クリスマスケーキや恵方巻き等の季節イベント商戦が過熱し、売れ残った商品が大量に廃棄されていることが社会問題になっています。

農林水産省では、季節商品の食品ロスについて、2019年1月に事務連絡「恵方巻きのシーズンを控えた食品の廃棄を削減するための対応について」を発出し、食品小売業者に対して、需要に見合った販売を呼び掛けました。シーズン後に実施した調査では、回答者の約9割から、予約販売の実施、当日のオペレーションやサイズ・メニュー構成の工夫等により、前年よりも廃棄率が改善したとの回答を得ました。これを踏まえ、2019年12月にも恵方巻きを始めとする季節食品の需要に見合った販売の継続的な推進について食品小売団体を通じて食品小売業者に呼び掛けるための事務連絡を発出しました。また、2020年の恵方巻きシーズンについては、予約販売等の需要に見合った販売に取り組む食品小売業者(43事業者)を公表するとともに、これらの事業者には恵方巻きの食品ロス削減に取り組む小売店である旨を消費者にPRするための資材を提供し、消費者に対しても小売業者の取組への理解を促しました。

事例 株式会社ファミリーマート

恵方巻き等の季節商品を完全予約制に

売れ残った恵方巻きやクリスマスケーキ等の大量廃棄が社会問題となる中、株式会社ファミリーマートは、2019年4月に発表した加盟店支援の「行動計画」で、おせち、クリスマスケーキ(大型)、土用の丑のうなぎ、恵方巻き等の完全予約制を進め、「廃棄ロスゼロ」の実現に向けた方針を示しました。

予約販売は加盟店に推奨しているものであり、2019年夏の土用のうなぎでは、売上げの7割強が予約販売によるものでした。

同社商品業務部副部長の江口智史氏は、「2019年夏の土用の丑では、うなぎ関連の売上げは前年より2割減ったものの、廃棄費用(加盟店負担)も8割減ったことにより、加盟店の店舗利益が7割増え、本部も経費が大幅に削減された。お客様からも好意的な声が寄せられた」と語ります。

恵方巻きろすのん

恵方巻きの廃棄の削減状況に係る調査結果

担当:参事官(調査研究・国際担当)