宮城県亘理町いちご団地
宮城県亘理町のいちご団地を訪問しました。(平成25年12月12日)
宮城県亘理郡(亘理町・山元町)のいちご団地
亘理町・山元町は東北一のいちご生産高を誇っていましたが、東日本大震災の津波により沿岸集落を中心に壊滅的な被害を受け、いちご圃場(ほじょう)の面積は5%にまで減少しました。いちご生産者も380人から現在では210人に減り、亘理町内では251人から120人に減ってしまいました。高齢になっていたり、家庭の事情があったりして再開を断念した方々です。
いちご生産の復興が地域全体の農業復興を推し進めるシンボルになるとして、最新鋭設備を備えたハウス団地で、今年から再びいちご栽培が開始されました。
栽培ハウスは191棟、栽培面積41.1haになる予定で、このうち、今回、秋吉さんが訪問した浜吉田団地は栽培ハウス60棟、栽培面積13.7haからなる地区最大規模のいちご団地です。
東北未来がんばっぺ大使
東京電力福島第一原子力発電所の事故による食品の風評被害の防止等のため、生産者による安全性確保や復興を目指した取組等を消費者の皆さんに広く知っていただく活動を行っています。
秋吉 久美子さん
福島県いわき市で育った日本を代表する女優。東日本大震災の被災地の復興支援活動にも尽力されています。
対談概要
鈴木さんご夫妻(敬さん、恵里さん)
東日本大震災の津波により、自宅といちごハウスをすべて失いました。仮設住宅に住みながら、新たに造成された「いちご団地」内で、今年から栽培を再開しました。夫婦で最新設備の整ったハウスでの栽培に取り組んでいます
安藤 文男さん
JAみやぎ亘理中部営農センター長をやっています。長年この地域のいちご栽培に携わってきました。今はいちご栽培再開後、初めての出荷時期が到来し、技術面のサポートなどにあちこちに足を運んでいます。
現地の人の生の声というのはなかなか聞く機会がありません。直接お話をうかがうことが大切だと思います。(秋吉さん)
- 秋吉さん
- 震災でこの地区のいちご農家には大きな被害があったそうですね。
- 鈴木さん
- 震災の津波で自宅といちごハウスをすべて流されてしまいました。仮設住宅に住みながら、今年からいちご栽培を再開したところです。
- 安藤さん
- 震災前、この地域のいちご栽培は東北一の生産高を誇っていたんですよ。
- 鈴木さん
- 当時は突き落とされたような気がしました。でも、この地域の農業のために頑張ろうって。
復興の形が少しみえてきた感じがして、すごく嬉しいです。(秋吉さん)
- 鈴木さん
- 集落で話し合って、内陸側に新たないちご団地で、集落のみんなが一緒に再開することができて、喜んでいます。
- 秋吉さん
- このようなハウスが何棟あるんですか。
- 安藤さん
- 浜吉田団地だけで60棟あります。
- 秋吉さん
- そんなにあるんですね。それを考えると、何か、やっとこう、復興の形がみえてきた感じがして、私もすごく嬉しいです。全国の方たちも一緒に応援して欲しいと思います。
- 鈴木さん
- 地元で有名な秋吉さんに、今回みたいに現地に来てくれてアピールしてもらえると、ありがたいなあと思っています。
- 秋吉さん
- 私は故郷だからというだけではなく、日本のみんながこの土地に暮らしている人たちを応援するのがいいなあと思って、大使を引き受けました。日本中で励まし合っていくべきなんですよ。
「もういっこ」食べたくなるほど美味しいいちごなんです。(安藤さん)
- 秋吉さん
- お作りになっているのは、何という品種なんですか。
- 安藤さん
- これは「もういっこ」という宮城生まれのいちごです。あんまり美味しいので、もういっこ食べたくなることから名付けられました。
- 鈴木さん
- お味はいかがですか。
- 秋吉さん
- とても香りの強い、おいしいいちごですね。実も大きいし。いちごをもらって嫌だって人はいませんよね。
いちご栽培の再開という目標があったので、それに向かって来られました。(鈴木さん)
- 鈴木さん
- 私たちの集落はこのハウス団地のそばに集団移転することになっています。来年には自宅を着工する予定です。
- 秋吉さん
- まだまだ大変な方たちがいらっしゃいますけど、鈴木さんのように希望がみえてきた方をご紹介できれば、そのような方たちを元気づけられるのではないでしょうか。そういう意味では、鈴木さんは希望の星なんですよ。よくここまで頑張ってこられましたね。本当に大変だったと思います。
- 鈴木さん
- 大変だったんですけど、いちご団地ができるっていうのが目の前にあったので、それに向かって来られました。旗を振ってくれる人がいてくれて、本当に良かったです。