文字サイズ
標準
メニュー

電気機械器具品質表示規程(六 電子レンジ)

別表第二(第二条関係)

電子レンジ

  1. (一)外形寸法の表示に際しては、電子レンジの本体(操作盤、扉、吸排気用の突出部、脚部及び電源コード掛けの突出部を含み、操作盤のつまみ及びボタン類、扉のハンドル、電源コード、アース端子その他の付属品を除く。以下同じ。)の幅、奥行き及び高さのそれぞれの最大値を、いずれの最大値を指すかを分かりやすく示してミリメートル単位で表示することとし、この場合における許容範囲は、表示値のプラス・マイナス十ミリメートル以内とする。
  2. (二)加熱室の有効寸法の表示に際しては、ターンテーブルを有しない電子レンジにあっては加熱室の幅、奥行き及び高さを、ターンテーブルを有する電子レンジにあっては加熱室の幅、奥行き及び高さ(その高さが変動するものにあっては、その最小値)並びにターンテーブルの直径を、それぞれ次に掲げるところにより算出し、いずれを指すかを分かりやすく示してミリメートル単位で表示すること。この場合における許容範囲は、表示値のプラス・マイナス十ミリメートル以内とする。
    1. 高さは、受皿(ターンテーブルを含む。以下この号において同じ。)の表面の中心から受皿に垂直に測った加熱室の内側の上面(上面に発振管の保護カバー等(その取付け位置、突出の状況等により調理の支障となると認められるものに限り、以下この号において単に「保護カバー等」という。)がある場合には、当該保護カバー等の最下端部を通る受皿の表面に平行な平面と受皿の中心を通る受皿に垂直な直線との交点)までの距離とする。
    2. 幅及び奥行きは、受皿の表面から加熱室の高さの二分の一の高さの水平面における加熱室の内側の側面(側面に保護カバー等がある場合には、当該保護カバー等の先端を通る加熱室の底面に垂直な直線と当該水平面との交点。以下この号において同じ。)から相対する他の側面までの距離とする。
    3. ターンテーブルの直径は、ターンテーブルの上端の円の直径とする。
  3. (三)区分名の表示に際しては、次の表の機能欄、加熱方式欄及び庫内容積欄に応じそれぞれ同表の区分名欄に掲げる用語を用いること。
    機能 加熱方式 庫内容積 区分名
    オーブン機能を有するもの以外(単機能レンジ) - - A
    オーブン機能を有するもの(オーブンレンジ) ヒーターの露出があるもの(熱風循環加熱方式のものを除く。) 三十リットル未満のもの B
    三十リットル以上のもの C
    ヒーターの露出があるもの以外(熱風循環加熱方式のものを除く。) 三十リットル未満のもの D
    三十リットル以上のもの E
    熱風循環加熱方式のもの - F
  4. (四)電子レンジ機能の年間消費電力量の表示に際しては、別記(I)に掲げる方法で測定した電子レンジ機能の一回当たりの消費電力量により、次の式により求めた数値をキロワット時毎年の単位で、小数点第一位まで表示すること。
    電子レンジ機能の年間消費電力量=
    (580.8×AV285+66×AV245+571.1×AV125+205×AV185 )/1000

    この式において、AV285、AV245、AV125及びAV185は、それぞれ次の数値を表すものとする。

    1. AV285:電子レンジ機能の285グラムの疑似負荷の加熱に要する一回当たりの消費電力量(単位 ワット時毎回)
    2. AV245:電子レンジ機能の245グラムの疑似負荷の加熱に要する一回当たりの消費電力量(単位 ワット時毎回)
    3. AV125:電子レンジ機能の125グラムの疑似負荷の加熱に要する一回当たりの消費電力量(単位 ワット時毎回)
    4. AV185:電子レンジ機能の185グラムの疑似負荷の加熱に要する一回当たりの消費電力量(単位 ワット時毎回)
  5. (五)オーブン機能の年間消費電力量の表示に際しては、別記(II)に掲げる方法で測定したオーブン機能の一回当たりの消費電力量により、次の式により求めた数値をキロワット時毎年単位で、小数点第一位まで表示すること。
    オーブン機能の年間消費電力量=31×B/1000

    この式において、Bは、次の数値を表すものとする。

    B:オーブン機能の一回当たりの消費電力量(単位 ワット時毎回)
  6. (六)年間待機時消費電力量の表示に際しては、別記(III)に掲げる方法で測定した一時間当たりの待機時消費電力量により、次の式により求めた数値をキロワット時毎年単位で、小数点第一位まで表示すること。
    年間待機時消費電力量=6400×C/1000

    この式において、Cは、次の数値を表すものとする。

    C:一時間当たりの待機時消費電力量(単位 ワット時毎時)
  7. (七)年間消費電力量の表示に際しては、電子レンジ機能の年間消費電力量、オーブン機能の年間消費電力量、年間待機時消費電力量を算出し、その和の数値である年間消費電力量をキロワット時毎年単位で、小数点第一位まで表示すること。この場合における許容範囲は、表示値のプラス六パーセント以内とする。

(別記) 測定方法

  1. (I)電子レンジ機能の一回当たりの消費電力量は、次の方法により実容器を使用して四°Cから七十°Cまでの加熱に要する消費電力量とし、二回の測定による算出値の平均値とする。ただし、二回の算出値の平均値と二回の算出値を比べ、その乖離(かいり)がプラス・マイナス一・五パーセント以上ある場合は、更に測定を二回追加して行い、計四回の算出値の平均値とする。
    1. i実容器を使用して四°Cから七十°Cまでの加熱に要する消費電力量は、iiによる疑似負荷量それぞれにより、次の式により算出した数値とする。
      A=A1070×〔〔1-{2257×(M10-M70)}/{(4.187×M+0.55×m)×(T70-T10)+2257 ×(M10-M70)}〕×{66/(T70-T10)}×{(4.187×M+CP×mJ)/(4.187×M+0.55×m)}+{2257×(M10-M70)}/{(4.187×M+0.55×m)×(T70-T10)+2257×(M10-M70)}〕

      この式において、A、A1070、T10、T70、M10、M70、M、mmJ及びCPは、そ れぞれ次の数値を表すものとする。

      1. A:実容器を使用して4°Cから70°Cまでの加熱に要する消費電力量(ワット時毎回)
      2. A1070:T70°Cの加熱に要した消費電力量(ワット時)
      3. T10:疑似負荷温度の加熱前温度(°C)
      4. T70:疑似負荷温度の加熱後温度(°C)
      5. M10:T10°Cのときの疑似負荷と試験容器の質量(グラム)
      6. M70:T70°Cのときの疑似負荷と試験容器の質量(グラム)
      7. M:疑似負荷質量(グラム)
      8. m:試験容器の質量(グラム)
      9. mJ:実容器の質量(グラム)
      10. CP:実容器の比熱(ジュール毎グラムケルビン)

      なお、mJ及びCPの数値は、表一による。

      表一 消費電力量算定式の係数

      疑似負荷質量
      M(グラム)
      実容器の質量
      mJ(グラム)
      実容器の比熱
      CP(ジュール毎グラムケルビン)
      二百八十五 四百 一・〇七
      二百四十五
      百二十五 二百 一・〇七
      百八十五 二百五十 〇・五五
    2. ii疑似負荷は、水とし、表二の上欄に掲げる疑似負荷質量とする。

      表二 疑似負荷質量と試験容器の仕様

      疑似負荷質量
      M(グラム)
      試験容器の仕様
      二百八十五 日本産業規格R三五〇三(化学分析用ガラス器具)に規定する外径百五十ミリメートル、高さ七十五ミリメートルの結晶皿
      二百四十五
      百二十五 日本産業規格R三五〇三(化学分析用ガラス器具)に規定する外径九十ミリメートル、高さ四十五ミリメートルの結晶皿
      百八十五 日本産業規格R三五〇三(化学分析用ガラス器具)に規定する胴外径六十六ミリメートル、高さ百三十五ミリメートルのトールビーカ
    3. iii試験容器は、表二の上欄の疑似負荷質量に応じて、下欄に掲げる試験容器を使用すること。また、その質量m(グラム)を測定する。
    4. iv食味の評価を上げる目的で付加的な機能を設けている機器であって、消費者によってその機能をON/OFFできる場合は、付加機能をOFFにして測定することができる。
    5. v電子レンジ庫内の試験開始前の温度は、二十三プラス・マイナス二°Cとする。
    6. vi試験を続けて行う時には、一回目の試験が終了後、二回目の試験は、強制冷却を最低十五分間行い、実施する。
    7. vii疑似負荷と試験容器の質量M10(グラム)を測定する。
    8. viii疑似負荷及び容器の試験開始前温度を十プラス・マイナス一°Cとし、電子レンジ庫内の皿を幾何学的中心に置く。
    9. ix電子レンジ機能を用いて、疑似負荷の温度を七十プラス・マイナス二°Cに加熱する。
    10. x電子レンジの出力設定は、手動でできる最高出力で測定する。
    11. xi加熱後、速やかに疑似負荷を攪拌し、疑似負荷温度T70°Cを測定する。また、疑似負荷と容器の質量M70(グラム)とその加熱に要した消費電力量A1070(ワット時)を測定する。
  2. (II)オーブン機能の一回当たりの消費電力量は、次の方法により測定した消費電力量とし、二回測定した測定値の平均値とする。ただし、二回の測定値の平均値と二回の算出値を比べ、その乖離がプラス・マイナス一・五パーセント以上ある場合は、更に測定を二回追加して行い、計四回の測定値の平均値とする。
    1. i電子レンジ庫内の試験開始前の温度は、二十三プラス・マイナス二°Cとすること。
    2. ii電子レンジの庫内は、空とし、庫内に負荷及び受皿は入れないこととする。ただし、受皿を載せて回転する回転台をもつものにあっては、回転台を取り付けた状態とする。
    3. iii熱電対の取付位置は、別表第二(第二条関係)十四(二)による幅、奥行、高さの二分の一の庫内中心とする。
    4. ivオーブン庫内の温度が、初温より百七十七(ケルビン)上昇するまでの消費電力量をB1(ワット時)とし、その後継続して、その状態を二十分間保持した間の消費電力量をB2とし、B1とB2を合算した値とする。
    5. vただし、機種によっては、温度設定機構上、温度を一定にすることが困難な場合がある。その場合は、原則として初温より百七十七(ケルビン)上昇した温度を挟む二点の保持温度及び消費電力量を測定し、直線補間により初温から百七十七(ケルビン)上昇した温度の消費電力量を算出することとする。なお、百七十七(ケルビン)上昇した温度を挟む二点が取れない機種の場合は、その機種で選択できる百七十七(ケルビン)上昇した温度に最も近い温度設定の二点を取ることとする。いずれの場合も、次の式に基づき、初温から百七十七(ケルビン)上昇した温度の消費電力量を算出する。
      B=BL+(BH-BL)×(T-TL)/(TH-TL)

      この式においてB、BL、BH、T、TL及びTHは、それぞれ次の数値を表すものとする。

      1. B:初温より177(ケルビン)上昇した温度の消費電力量(ワット時)
      2. BL:低温度側保持の消費電力量(ワット時)
      3. BH:高温度側保持の消費電力量(ワット時)
      4. T:初温より177(ケルビン)上昇した温度(°C)
      5. TL:低温度側保持温度(°C)
      6. TH:高温度側保持温度(°C)
  3. (III)一時間当たりの待機時消費電力量は、電子レンジに交流電源が供給されている状態で、かつ、調理をしていない状態において、以降機器の状態に変化が起こらない安定状態で、一時間測定した消費電力量の数値とする。
  4. (IV)(I)から(III)までの測定は、次に定める条件の下で行うものとする。
    1. i周囲温度は、二十三プラス・マイナス二°Cとする。
    2. ii機器は、厚さが十ミリメートル以上の表面が平らな木台の上に通常の状態で設置する。
    3. iii電源電圧は、百プラス・マイナス一ボルト、電源周波数は、五十プラス・マイナス〇・一ヘルツ又は六十プラス・マイナス〇・一ヘルツとする。
    4. iv秤は、〇・一グラムまで計測可能なものとし、測定値に対する相対誤差の大きさとしてプラス・マイナス〇・五%以内を確保すること。
    5. v電力量計は、測定値に対する相対誤差の大きさとしてプラス・マイナス二パーセント以内を確保すること。
    6. vi温度計は、日本産業規格B七四一一―一(一般用ガラス製温度計―第一部:一般計量器)表四のMの温度計又は同等品を使用すること。
    7. vii熱電対は、日本産業規格C一六〇二(熱電対)に規定する種類Kのもの、かつ、クラス一のものを使用すること。
  5. (八)使用上の注意の表示に際しては、次に掲げる事項を製品の形状又は品質に応じて適切に表示すること。ただし、該当する事項がない場合は、この限りでない。
    1. 使用方法に関する注意事項
    2. 点検・手入れに関する注意事項
    3. 設置に関する注意事項
  6. (九)表示には、表示した者の氏名又は名称を付記すること。
  7. (十)表示は、電子レンジごとに、消費者の見やすい箇所に分かりやすく記載してすること。ただし、使用上の注意については、本体又は取扱説明書に表示すること。

担当:表示対策課