細菌・ウイルスによる食中毒
最終更新:令和5年2月22日
はじめに
令和3年の1年間における国内の食中毒発生件数は717件(患者:11,080人、死者:2人)報告されています(厚生労働省食中毒統計資料)。そのうち細菌・ウイルスによる食中毒は302件(患者:10,371人、死者:1人)となっており、国内で発生する食中毒の患者数の大半を占めています。
このページでは、細菌・ウイルスが原因となる食中毒を防ぐために家庭でどのようなことに注意すべきかを紹介していきます。
動画資料

みんなで考えよう! ~「いただきます」までの食べものの安全~(約15分)(別ウィンドウで表示します)
(2021年(令和3年11月作成)
野菜や果物のキャラクターによる人形劇。食べものの安全について、野菜の選び方や料理をするときの注意点をクイズ形式で学びます。

「食中毒を防ぐ方法は?」~毎日の習慣にしよう!~(約11分)(別ウィンドウで表示します)
(2023年(令和5年1月作成)
食中毒予防に関して毎日の習慣にしてほしいことを、アンちゃんとゼンちゃんが伝えます。食中毒予防の三原則を学びながら、クイズに挑戦します。
食中毒を予防するために家庭でできること
【食中毒予防の3原則】
家庭で食中毒を予防するためには、食品を購入してから、調理して、食べるまでの過程で、食中毒の原因となる食中毒菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」という食中毒予防の3原則を実践することが大切です。
- つけない
- 手指にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように食品を扱う際は必ず手を洗いましょう。
また、生肉や魚などから加熱しないで食べる野菜などへ細菌が付着しないように注意しましょう。
- 手指にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように食品を扱う際は必ず手を洗いましょう。
- 増やさない
- 食べ物に付着した細菌を増やさないために低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
- やっつける
- 多くの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。中心部を75°Cで1分以上加熱することが目安です。表面だけではなく中心まで十分に加熱しましょう。
【食中毒予防の6つのポイント】
食中毒を防ぐためには、食品を購入してから、調理して、食べるまでの過程で、「食中毒予防の3原則」(食中毒菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」)を実践していくことが肝心です。
「買い物」、「家庭での保存」、「下準備」、「調理」、「食事」「残った食品」という6つのポイントにおいて具体的に注意すべきことを紹介します。
6つのポイント | 具体的な方法 |
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1.買い物![]() |
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2.家庭での保存 ![]() |
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3.下準備![]() |
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4.調理![]() |
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5.食事![]() |
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6.残った食品![]() |
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(政府広報「食中毒予防の原則と6つのポイント」より作成)
もし、お腹が痛くなったり、下痢をしたり、気持ちが悪くなるなど、食中毒が疑われるような症状があった際には、早めに医師の診断を受けましょう。
啓発チラシ
調査・注意喚起など
よくある質問
厚生労働省
食品安全委員会
(参考)各府省庁のウェブサイト
食品安全委員会
厚生労働省
農林水産省
(参考)食中毒の原因となる主な微生物やウイルス
微生物名 | 微生物の特徴 | 主な分布と原因食品 | 発病までの時間 | 食中毒の症状 |
---|---|---|---|---|
腸炎ビブリオ | 水道水では増殖できず、塩分2~5%でよく発育。発育が極めて速い。 | 海水中に生息。 夏期に沿岸で獲れた魚介類、刺身。 |
平均12時間 | 激しい腹痛・下痢、吐き気、嘔吐、発熱。 |
サルモネラ | 乾燥に強い。 | ヒト、家畜の糞便、そ族昆虫に広く分布。 主に鶏卵、食肉類とその加工品。 |
12~48時間 | 悪心、腹痛、下痢、嘔吐。発熱が特徴。長期間菌を出す。 |
腸管出血性大腸菌 | 感染すると大腸で「ベロ毒素」を産生。少ない菌数でも発病することあり。 | ヒト・動物の糞便。 特に牛の糞便に二次汚染された様々な食品。 |
1~14日(平均4~8日) | 下痢、腹痛、発熱、嘔吐。血便、溶血性尿毒症、脳症等を併発し、死に至ることあり。 |
カンピロバクター | 大気中で発育できない。少ない菌数で発症。 | 家畜、家禽などあらゆる動物が保菌。 特に鶏肉関係食品等が原因。 |
平均2~3日 | 腹痛、激しい下痢、嘔吐、発熱。 |
ウエルシュ菌 | 芽胞を形成し、通常の加熱調理によっても生き残る。酸素があると発育できない。 | 自然界に広く分布。 大量加熱調理食品、特にカレー、弁当、スープなど加熱調理後、そのまま放置したもの。 |
6~18時間 | 下痢、腹痛。通常は1~2日で回復。 |
黄色ブドウ球菌 | 「エンテロトキシン」という毒素を産生し、毒素は100度でも壊れない。 | ヒト・動物の皮膚、化膿巣等に広く分布。 おにぎり等の穀類加工品、弁当、調理パンなど。 |
0.5~6時間(平均3時間) | 吐き気、嘔吐、腹痛。 |
セレウス菌 | 芽胞を形成し、通常の加熱調理によっても生き残る(嘔吐型と下痢型があり、日本では嘔吐型が多い)。 | 自然界に広く分布。 焼き飯やピラフなどの米飯類。パスタなどの麺類。 |
嘔吐型 0.5~6時間 |
吐き気、嘔吐。ほとんど一両日中に回復。 |
ボツリヌス菌 | 芽胞を形成し、通常の加熱調理によっても生き残る。酸素があると発育できない。神経を麻痺させる毒素を発生。 | 自然界に広く分布。 食肉、魚肉、野菜類を原料とした発酵食品、瓶詰、缶詰、真空包装食品。蜂蜜(1歳未満の乳児) |
8~36時間 | 脱力感、倦怠感、頭痛、めまい、言語障害、呼吸困難。便秘(1歳未満の乳幼児の初発症状) |
ノロウイルス | ヒトの腸管内でのみ増殖。少数でも感染・発症。 | ヒトの吐物や糞便。 河口付近で養殖された二枚貝や、調理従事者の手を介して汚染された様々な食品。 |
24~48時間 | 突然の嘔吐、激しい下痢、腹痛、発熱、頭痛、筋肉痛。 |
(公益社団法人日本食品衛生協会 「食中毒予防早見表」を参考に作成)
リンク:食品安全総合情報サイト
担当:消費者安全課