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細菌・ウイルスによる食中毒

最終更新:令和5年2月22日

はじめに

令和3年の1年間における国内の食中毒発生件数は717件(患者:11,080人、死者:2人)報告されています(厚生労働省食中毒統計資料)。そのうち細菌・ウイルスによる食中毒は302件(患者:10,371人、死者:1人)となっており、国内で発生する食中毒の患者数の大半を占めています。

このページでは、細菌・ウイルスが原因となる食中毒を防ぐために家庭でどのようなことに注意すべきかを紹介していきます。

動画資料

野菜や果物のキャラクターによる人形劇。食べものの安全について、野菜の選び方や料理をするときの注意点をクイズ形式で学びます。

食中毒予防に関して毎日の習慣にしてほしいことを、アンちゃんとゼンちゃんが伝えます。食中毒予防の三原則を学びながら、クイズに挑戦します。

食中毒を予防するために家庭でできること

【食中毒予防の3原則】

家庭で食中毒を予防するためには、食品を購入してから、調理して、食べるまでの過程で、食中毒の原因となる食中毒菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」という食中毒予防の3原則を実践することが大切です。

キッチンから気を付ける食中毒予防の3原則:野菜、肉、魚を着るときは、まな板を使い分けて食中毒菌を付けない:低温保存で食中毒菌を増やさない:加熱調理で食中毒菌をやっつける

  • つけない
    • 手指にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように食品を扱う際は必ず手を洗いましょう。
      また、生肉や魚などから加熱しないで食べる野菜などへ細菌が付着しないように注意しましょう。
  • 増やさない
    • 食べ物に付着した細菌を増やさないために低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
  • やっつける
    • 多くの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。中心部を75°Cで1分以上加熱することが目安です。表面だけではなく中心まで十分に加熱しましょう。

【食中毒予防の6つのポイント】

食中毒を防ぐためには、食品を購入してから、調理して、食べるまでの過程で、「食中毒予防の3原則」(食中毒菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」)を実践していくことが肝心です。
「買い物」、「家庭での保存」、「下準備」、「調理」、「食事」「残った食品」という6つのポイントにおいて具体的に注意すべきことを紹介します。

6つのポイント 具体的な方法
1.買い物
イラスト:男性と女性が、店で消費期限を確認しながら買い物をしている
  • 消費期限を確認する。
  • 肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品は最後に買う。
  • 肉や魚などは汁が他の食品に付かないように分けてビニール袋に入れる。
  • 寄り道をしないで、すぐに帰る。
2.家庭での保存
イラスト:男性と女性が、買い物で持ち帰った商品類を確認しながら保存している
  • 冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保管する。
  • 肉や魚はビニール袋や容器に入れ、他の食品に肉汁などがかからないようにする。
  • 肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う。
  • 冷蔵庫は10°C以下、冷凍庫は-15°C以下に保つ。
  • 冷蔵庫や冷凍庫に詰めすぎない(詰めすぎると冷気の循環が悪くなる)。
3.下準備
イラスト:男性と女性が、調理の前に石けんで丁寧に手を洗い、拭いている
  • 調理の前に石けんで丁寧に手を洗う。
  • 野菜などの食材を流水できれいに洗う(カット野菜もよく洗う)。
  • 生肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べるものや調理の済んだものにかからないようにする。
  • 生肉や魚、卵を触ったら手を洗う。
  • 包丁やまな板は肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて使い分けると安全。
  • 冷凍食品の解凍は冷蔵庫や電子レンジを利用し、自然解凍は避ける。
  • 冷凍食品は使う分だけ解凍し、冷凍や解凍を繰り返さない。
  • 使用後のふきんやタオルは熱湯で煮沸した後しっかり乾燥させる。
  • 使用後の調理器具は洗った後、熱湯をかけて殺菌する(特に生肉や魚を切ったまな板や包丁)。台所用殺菌剤の使用も効果的。
4.調理
イラスト:男性が、肉を加熱調理している。イラストには「中心部を75°Cで1分間以上」と書かれている
  • 調理の前に手を洗う。
  • 肉や魚は十分に加熱。中心部を75°Cで1分間以上の加熱が目安。
5.食事
イラスト:男性と女性、子供2人の家族で、テーブルを囲み食事をしている
  • 食べる前に石けんで手を洗う。
  • 清潔な食器を使う。
  • 作った料理は、長時間、室温に放置しない。
6.残った食品
イラスト:女性が、容器に入っていた残った食品の臭いを確認している
  • 残った食品を扱う前にも手を洗う。
  • 清潔な容器に保存する。
  • 温め直すときも十分に加熱。
  • 時間が経ちすぎたものは思い切って捨てる。
  • ちょっとでもあやしいと思ったら食べずに捨てる。

(政府広報「食中毒予防の原則と6つのポイント」より作成)

もし、お腹が痛くなったり、下痢をしたり、気持ちが悪くなるなど、食中毒が疑われるような症状があった際には、早めに医師の診断を受けましょう。

啓発チラシ

調査・注意喚起など

よくある質問

厚生労働省

食品安全委員会

(参考)各府省庁のウェブサイト

食品安全委員会

厚生労働省

農林水産省

(参考)食中毒の原因となる主な微生物やウイルス

微生物名 微生物の特徴 主な分布と原因食品 発病までの時間 食中毒の症状
腸炎ビブリオ 水道水では増殖できず、塩分2~5%でよく発育。発育が極めて速い。 海水中に生息。
夏期に沿岸で獲れた魚介類、刺身。
平均12時間 激しい腹痛・下痢、吐き気、嘔吐、発熱。
サルモネラ 乾燥に強い。 ヒト、家畜の糞便、そ族昆虫に広く分布。
主に鶏卵、食肉類とその加工品。
12~48時間 悪心、腹痛、下痢、嘔吐。発熱が特徴。長期間菌を出す。
腸管出血性大腸菌 感染すると大腸で「ベロ毒素」を産生。少ない菌数でも発病することあり。 ヒト・動物の糞便。
特に牛の糞便に二次汚染された様々な食品。
1~14日(平均4~8日) 下痢、腹痛、発熱、嘔吐。血便、溶血性尿毒症、脳症等を併発し、死に至ることあり。
カンピロバクター 大気中で発育できない。少ない菌数で発症。 家畜、家禽などあらゆる動物が保菌。
特に鶏肉関係食品等が原因。
平均2~3日 腹痛、激しい下痢、嘔吐、発熱。
ウエルシュ菌 芽胞を形成し、通常の加熱調理によっても生き残る。酸素があると発育できない。 自然界に広く分布。
大量加熱調理食品、特にカレー、弁当、スープなど加熱調理後、そのまま放置したもの。
6~18時間 下痢、腹痛。通常は1~2日で回復。
黄色ブドウ球菌 「エンテロトキシン」という毒素を産生し、毒素は100度でも壊れない。 ヒト・動物の皮膚、化膿巣等に広く分布。
おにぎり等の穀類加工品、弁当、調理パンなど。
0.5~6時間(平均3時間) 吐き気、嘔吐、腹痛。
セレウス菌 芽胞を形成し、通常の加熱調理によっても生き残る(嘔吐型と下痢型があり、日本では嘔吐型が多い)。 自然界に広く分布。
焼き飯やピラフなどの米飯類。パスタなどの麺類。
嘔吐型
0.5~6時間
吐き気、嘔吐。ほとんど一両日中に回復。
ボツリヌス菌 芽胞を形成し、通常の加熱調理によっても生き残る。酸素があると発育できない。神経を麻痺させる毒素を発生。 自然界に広く分布。
食肉、魚肉、野菜類を原料とした発酵食品、瓶詰、缶詰、真空包装食品。蜂蜜(1歳未満の乳児)
8~36時間 脱力感、倦怠感、頭痛、めまい、言語障害、呼吸困難。便秘(1歳未満の乳幼児の初発症状)
ノロウイルス ヒトの腸管内でのみ増殖。少数でも感染・発症。 ヒトの吐物や糞便。
河口付近で養殖された二枚貝や、調理従事者の手を介して汚染された様々な食品。
24~48時間 突然の嘔吐、激しい下痢、腹痛、発熱、頭痛、筋肉痛。

(公益社団法人日本食品衛生協会 「食中毒予防早見表」を参考に作成)

リンク:食品安全総合情報サイト

担当:消費者安全課