微生物・ウイルス
最終更新:令和2年8月12日
はじめに
食中毒は、令和元年の1年間で、食中毒は1,061件(患者:13,018件、死者:4人)報告されています(厚生労働省食中毒統計)。そのうち微生物・ウイルスによる食中毒は603件(患者:11,770人、死者:1人)となっています。微生物・ウイルスが原因となる食中毒を防ぐためにはどのようなことに注意すべきか、このページで紹介します。
食中毒の原因となる微生物やウイルスには主に以下のものがあります。
(詳しく知りたい方はクリックすると、ページ下部にジャンプします)
家庭での食中毒予防は、食品を購入してから、調理して、食べるまでの過程で、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」(食中毒予防の三原則)を実践する必要があります。以下の6つのポイントに注意して、食中毒を防ぎましょう。
6つのポイント | 具体的な方法 |
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1.買い物![]() |
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2.家庭での保存 ![]() |
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3.下準備![]() |
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4.調理![]() |
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5.食事![]() |
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6.残った食品![]() |
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(政府広報「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」より作成)
よくある質問
厚生労働省
食品安全委員会
(参考)各府省庁のウェブサイト
食品安全委員会
厚生労働省
農林水産省
(参考)食中毒の原因となる主な微生物やウイルス
微生物名 | 微生物の特徴 | 主な分布と原因食品 | 発病までの時間 | 食中毒の症状 |
---|---|---|---|---|
腸炎ビブリオ | 水道水では増殖できず、塩分2~5%でよく発育。発育が極めて速い。 | 海水中に生息。 夏期に沿岸で獲れた魚介類、刺身。 |
平均12時間 | 激しい腹痛・下痢、吐き気、嘔吐、発熱。 |
サルモネラ | 乾燥に強い。 | ヒト、家畜の糞便、そ族昆虫に広く分布。 主に鶏卵、食肉類とその加工品。 |
12~48時間 | 悪心、腹痛、下痢、嘔吐。発熱が特徴。長期間菌を出す。 |
腸管出血性大腸菌 | 感染すると大腸で「ベロ毒素」を産生。少ない菌数でも発病することあり。 | ヒト・動物の糞便。 特に牛の糞便に二次汚染された様々な食品。 |
1~14日(平均4~8日) | 下痢、腹痛、発熱、嘔吐。血便、溶血性尿毒症、脳症等を併発し、死に至ることあり。 |
カンピロバクター | 大気中で発育できない。少ない菌数で発症。 | 家畜、家禽などあらゆる動物が保菌。 特に鶏肉関係食品等が原因。 |
平均2~3日 | 腹痛、激しい下痢、嘔吐、発熱。 |
ウエルシュ菌 | 芽胞を形成し、通常の加熱調理によっても生き残る。酸素があると発育できない。 | 自然界に広く分布。 大量加熱調理食品、特にカレー、弁当、スープなど加熱調理後、そのまま放置したもの。 |
6~18時間 | 下痢、腹痛。通常は1~2日で回復。 |
黄色ブドウ球菌 | 「エンテロトキシン」という毒素を産生し、毒素は100度でも壊れない。 | ヒト・動物の皮膚、化膿巣等に広く分布。 おにぎり等の穀類加工品、弁当、調理パンなど。 |
0.5~6時間(平均3時間) | 吐き気、嘔吐、腹痛。 |
セレウス菌 | 芽胞を形成し、通常の加熱調理によっても生き残る(嘔吐型と下痢型があり、日本では嘔吐型が多い)。 | 自然界に広く分布。 焼き飯やピラフなどの米飯類。パスタなどの麺類。 |
嘔吐型 0.5~6時間 |
吐き気、嘔吐。ほとんど一両日中に回復。 |
ボツリヌス菌 | 芽胞を形成し、通常の加熱調理によっても生き残る。酸素があると発育できない。神経を麻痺させる毒素を発生。 | 自然界に広く分布。 食肉、魚肉、野菜類を原料とした発酵食品、瓶詰、缶詰、真空包装食品。蜂蜜(1歳未満の乳児) |
8~36時間 | 脱力感、倦怠感、頭痛、めまい、言語障害、呼吸困難。便秘(1歳未満の乳幼児の初発症状) |
ノロウイルス | ヒトの腸管内でのみ増殖。少数でも感染・発症。 | ヒトの吐物や糞便。 河口付近で養殖された二枚貝や、調理従事者の手を介して汚染された様々な食品。 |
24~48時間 | 突然の嘔吐、激しい下痢、腹痛、発熱、頭痛、筋肉痛。 |
(公益社団法人日本食品衛生協会 「食中毒予防早見表」を参考に作成)
担当:消費者安全課