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Vol.648 こどもがゴーカート等の乗り物体験等を安全に楽しむために

ロゴ: 消費者庁 ロゴ: こども家庭庁
イラスト: ゴーカート

もうすぐ「こどもの日」を含むゴールデンウィークです。行楽シーズンには、各地でこどもが楽しめるイベント等が開催されるかと思います。中には、スポーツ体験やレジャーなどとして、ゴーカートや小型バイク等の乗り物(以下「ゴーカート等」といいます。)をこどもが運転するイベント等も開催されるかもしれません。
遊園地や都市公園などに設置されているゴーカート等はこどもに人気のあるアトラクションですが、こどもが普段経験することのない操作や速度を体験することになるため、安全には十分に注意が必要です。こどもがゴーカート等を安全に楽しむために、以下のポイントに注意しましょう。

1.施設等を選ぶときのポイント

こどもがゴーカート等を運転できるかどうかだけでなく、遊戯施設やイベント会場等(以下「施設等」といいます。)の乗り物に関する管理状況を事前にウェブサイトなどで調べておき、安全対策が十分にとられている施設等を選びましょう。
また、観客として体験イベント等に参加する場合は、観覧エリアの場所も確認しましょう。
具体的には、

  • 服装やヘルメットなどの保護具の提供・着用に関する案内がなされているか
  • 運転前の安全講習や留意事項説明などがあるか
  • 乗り物を運転するエリアと観覧エリアは安全に分離されているか

などを確認しましょう。
もし、ウェブサイトなどで、これらのことが確認できない場合は、施設等・サービス提供者(以下「提供者」といいます。)に問い合わせ、各種安全対策が取られている施設等を選びましょう。

2.遊ぶときのポイント

  1. 施設等の利用規約や注意事項・禁止事項をよく確認し、正しく使用しましょう。
  2. こどもにゴーカート等を運転させる前には、以下について確認してください。
    • 提供者に対し、こどもの年齢、体格(身長、体重等)を正確に伝えましたか。
    • 服装は適切ですか。肌が露出しているとけがをしやすくなるため、肌を覆う服装(グローブ、長袖、長ズボン、つま先が覆われ底が平らな靴など)を選びましょう。髪の毛が長い場合は、適切にヘルメット内に固定するなどして保護しましょう。また、マフラーなどが乗り物の駆動部分に巻き込まれると、首が締まって窒息するおそれがあるため、乗車前に外しましょう。
    • シートベルトや頭のサイズに合ったヘルメットなどの保護具を正しく着用していますか。もし、利用者が保護具を用意する必要がある場合、法令や規格基準(PSCマーク、SGマーク等)に適合したものを選択するようにしましょう。
    • こどもが運転前の安全講習や留意事項説明を正しく理解できていますか。
    • 健康状態に不安はありませんか。不安がある場合は、運転を控えるようにしましょう。
    上記の他、気付いた時には思った以上にスピードが出てしまい、こどもが制御できない場合もあるかもしれません。夢中になりすぎて、無謀な運転をしないことを、運転前に約束しましょう。
  3. 運転者ではなく、観客や運転の順番を待っていた人が被害に遭った事例もあります。
    乗り物を運転する時以外にも事故に遭わないよう、以下に注意してください。
    • 決められたエリア内で観覧・乗降待ちをしましょう。
    • 特に、乗降エリアでは他の利用者が運転する乗り物に近づきすぎないようにしましょう。
  4. もし、他の利用者が安全に運転できていないと思われる場合には、提供者に伝えて対応してもらいましょう。

遊戯施設やイベント会場等では、日常的に運転しない乗り物を気軽に楽しむことができますが、ゴーカート等は相当のスピードが出ることもあるため、運転操作を誤ると、運転者だけではなく、周囲を巻き込んで重大な事故につながる危険性があります。
これらのことを十分に意識し、周囲の大人が協力して、こどもがゴーカート等を安全に楽しめる環境を整えましょう。

【ゴーカート等のイベントに係る事業者向けガイドラインについて】
令和4年12月2日、消費者庁と内閣府こども家庭庁設立準備室は連名で、こども自身が運転するゴーカート等での事故について注意喚起を行いました(※1)。その注意喚起を受け、(一社)日本自動車連盟(JAF)による暫定的なガイドラインの策定を経て、令和5年3月27日、同連盟により「ゴーカート等の乗り物体験等を含むイベントに係るガイドライン(以下「ガイドライン」といいます。)」が策定されています(※2)。
当該ガイドラインには、ゴーカート等の乗り物体験等のイベントを行う提供者が、イベント全般の安全性を確保するために参照すべき事項が記載されています。

  • <ガイドラインに定められている施設・会場等の主な要件(抜粋)>
    • 乗り物の走行・動線区画と利用者、随行者・観者の立ち入り区画を分離・隔離すること。【ガイドライン4】
    • 乗り物の走行・動線区画は原則として一方向走行とし、乗り物が制御不能になった際に随行者・観者に接触・衝突することを防ぐために物理的に保護体を設置して分離・隔離すること。【ガイドライン4.2(1)】
    • 利用者の年齢、体格、経験を考慮したコース設定(全長、幅員、直線路長さ、曲線部の数)とすること。また、コースは良好な状態(防護体の点検、路面清掃等)に保たれていること。【ガイドライン4.2(6)・(15)】
    • 乗り物が製造・販売される国の安全規格・基準と同等の製品であることの確認や利用者を保護する機能等の要件を満たしていることが推奨される。【ガイドライン5(1)~(5)】
    • 乗り物や設備のメンテナンス・点検・管理及びその記録を行うこと。【ガイドライン5(6)、7(4)・(6)・(8)・(9)】
    • 利用者の年齢、体格(身長、体重等)は、乗り物の製造・販売者が示す対象範囲等であること。【ガイドライン6(1)】
    • こどもや未経験(未体験)者及び経験の浅い利用者は、原動機出力(パワー)と速度に一定の制限がある乗り物に限定して利用・提供され、当該利用者にとって限定的なアクティビティとなっていること。【ガイドライン6(2)】
    • こどもが提供者との意思疎通を図ることができ、乗り物の基本操作をできること。【ガイドライン6(3)】
    • 利用前の説明・ブリーフィングがパネルやボード、動画を通して明確に実施され、基本操作(ブレーキ・アクセル・ハンドル)は、複数回の反復を行い、特に停止操作方法に重きを置くこと。【ガイドライン6(4)】
    • カート用乗車用ヘルメットとして法令や規格基準に適合した頭部サイズに合ったフルフェイスヘルメット・幼児/子供用のヘルメットの着用を基本とすること。また、肌の露出しないグローブ、長袖、長ズボン、靴の着用などを基本とすること。【ガイドライン6(5)1・3】
    • 健康状態として、健康状態に問題のある方、既往歴(心臓疾患、頭・首・背中の病気、神経障害、てんかんの発作、運転に支障をきたす可能性のある健康上の問題)がある方等は利用を控えていただくこと。【ガイドライン6(6)】
    • 事故の発生に備えて安全計画(緊急時対応)や補償(保険の利用など)について定めること【ガイドライン7(2)・(10)】

注:上記の確認事項は、ガイドラインから抜粋した内容を簡単に記載しているものです。全ての要件を記載しているわけではありません。

本号の内容は、こども家庭庁ウェブサイトにも掲載されています(※3)。

担当:消費者安全課