Vol.640 就寝時の窒息事故に注意しましょう

寒さが次第に本格化する季節ですが、冬用の寝具への衣替えを機に、特に子どものいる環境下では、ベッド周りや寝具等の環境を整えるようにしましょう。
消費者庁・国民生活センターには、子どもの就寝時に窒息する事故情報が医療機関(※1)から寄せられています。
- 「日頃から親子で使用している低反発マットに子どもを寝かせていた。保護者が家事のため30分ほど目を離していたすきに、初めて寝返りをしたようで、気付いた時には、うつ伏せでマットに顔が完全に埋もれていた。抱き上げたが手足がだらんとしていて顔も唇も真っ青で息をしていなかったため心臓マッサージをしたところ、浅く呼吸を始めた。救急搬送時は、意識ははっきりして元気だった。」(0歳5か月)
- 「保護者がマットの上で授乳後、げっぷさせるため肩に子どもの頭をのせたまま眠ってしまった。しばらくして目を覚ますと、マットと柵の隙間を埋めていた布団と毛布の上で、子どもがうつ伏せになっていた。抱き起こすと顔色不良で目がうつろだったため救急要請した。人工呼吸管理を要し、集中治療室に入室。約1か月間の入院管理が必要だった。」(0歳1か月)
就寝時の窒息事故を防ぐため、以下の点に注意しましょう。
- 子どもがうつ伏せで寝て、顔が柔らかい寝具に埋もれないよう、敷布団やマットレス等の寝具は硬めのものを使用しましょう。
- 掛布団は、子どもが払いのけられる軽いものを使用し、顔にかぶらないようにしましょう。
- 寝ている子どもの顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いたりする物は置かないようにしましょう。
- 寝かしつけの時に、添い寝をして意図せず寝込んでしまう、また同じ寝具で就寝している際に大人の身体の一部で圧迫してしまわないように、できるだけベビーベッドで寝かせましょう。
- 1歳になるまでは、寝かせる時は、あお向けに寝かせましょう。
就寝時に赤ちゃんが死亡する原因には、窒息などによる事故のほか、乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)という病気があります。SIDSとは、それまで元気だった赤ちゃんが、事故ではなく突然死亡してしまう、原因の分からない病気です。SIDSの予防方法は確立していませんが、1歳になるまでは、寝かせる時はあお向けに寝かせる等の方法で発症率が低くなるデータがあります。
こども家庭庁では、毎年11月をSIDSの対策強化月間と定め、SIDSに対する社会的関心を喚起するため、発症率を低くするポイントなどの重点的な普及啓発活動を実施しています(※2)。
- ※1: 消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和5年11月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
- ※2: こども家庭庁「11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です」
担当:消費者安全課