Vol.630 手指の挟み込み事故に注意!

隙間に手指を挟んでしまったり、ヒヤリとした経験はありませんか? 子どもは身近にある様々なものに興味を示し、動くもの、隙間やくぼみにも手を伸ばすこともあります。また、つかまり立ちやつたい歩きの際に思わぬところに手をかけているかもしれません。このようなときに隙間が狭まれば、手指を切断するようなけがをしてしまうことがあります。
消費者庁・国民生活センターには、ドアなどの隙間に手指を挟む事故の情報が医療機関(※1)から寄せられています。
- 「自宅ドアに子どもの指がある事に気が付かず、保護者がドアを閉めてしまった。小指を開放骨折して入院となった。」(5歳)
- 「保護者が食洗器を閉めようとした際に子どもが左手を挟み、人差し指にけがを負った。」(0歳10か月)
- 「電車のドアが開く際、戸袋に右手の手首あたりまで引き込まれた。保護者が手を引っ張り出した。手の甲全体および、中指と薬指の腫れ、皮下出血があった。」(2歳)
- 「保育中、保育室に戻ろうとしていた際、他の園児が動かしている門扉に本園児も手をかけた。左第3指及び左第4指が挟まって、それぞれ指骨の一部を失った。」(事故情報データバンク(※2)、年代:1~4歳)
この他に、折り畳み式の踏み台や椅子、ベビーカー、車のスライドドアやパワーウィンドウなど、子どもの身近にある製品の操作時に、手指を挟み込んでしまう事故も発生しています(参考・過去の関連メール)。
東京消防庁管内では、5歳以下の乳幼児の「はさまれ」により救急搬送された事故の原因では、「手動ドア」が一番多くなっています。令和3年までの5年間では、ドアや自転車、ピアノの蓋などにより、指を切断する事故が14件発生しています(※3)。
以下のポイントを参考に、家庭内・外出先ともに、手指を挟む事故を防ぎましょう。
- <事故防止のポイント>
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- 開閉・折り畳みなどを行う際は、そばに子どもがいないかよく確認しましょう
気付かないうちに子どもの手指を挟んでしまう危険があります。開閉、折り畳みなどを行う際は、そばに子どもがいないことをよく確認しましょう。また、踏み台などは可動部がない製品を選ぶことも検討しましょう。 - ドアの近くで遊ばせないようにしましょう
遊びに夢中になってけがをしてしまう危険があります。動いているものや狭い隙間に触れているとけがをする危険があることを教え、ドアの近くでは遊ばせないようにしましょう。また、電車のドアやホームドアからは手が引き込まれないよう十分に離れさせましょう。 - 家庭内の指挟み防止対策を行いましょう
ドアのちょうつがい部分に隙間防止カバーや、窓に指挟み防止用のストッパーなどの事故防止グッズを活用しましょう。風などでドアが勢いよく閉まることがありますので、ドアストッパーなども使用しましょう。住宅の新築やリフォームの際は、指挟み防止仕様のドアや、開閉を緩やかにするドアクローザー等も検討しましょう。
- 開閉・折り畳みなどを行う際は、そばに子どもがいないかよく確認しましょう
- (※1)消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和5年6月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
- (※2)関係機関から「事故情報」、「危険情報」を広く収集し、事故防止に役立てるために、消費者庁が(独)国民生活センターと提携して運用しているデータ収集・提供システム(平成22年4月運用開始)。事実関係及び因果関係が確認されていない事例も含まれます。
- (※3)東京消防庁「STOP!子どもの事故」(別ウィンドウで表示します)
担当:消費者安全課