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Vol.621 魚の骨が刺さる事故に注意! ~魚の骨が刺さらないための工夫~

親が、骨を取り除いた魚を子どもに食べさせているイラスト

水産物の豊富な日本では、日常的に魚料理を食べる機会があるため、魚の骨がのどなどに刺さる経験をした人も多いかもしれません。魚の骨が刺さったまま取れなくなった等の事故の情報が医療機関(1)から寄せられています。

  • 「親族が食べているサケを子どもに与えたところ、咳き込み嘔吐し、呼吸時にゼーゼーするようになった。翌日も改善せず発熱もあるため受診したところ、CT検査で異物が確認された。全身麻酔・気管切開にて魚の骨を摘出し、集中治療室管理となった。約10日後に退院した。」(1歳)
  • 「ブリを食べていたところ、突然のどの方を指さして激しく泣き始めた。受診したところ、のどに刺さった骨が見つかり、全身麻酔での摘出手術のため3日間入院となった。」(1歳)
  • 「子ども用に保護者が取り分けたサバを食べていたところ、突然、のどの痛みを訴えた。口の中を見たが分からなかった。痛みが治まらないため受診して、長さ約2cmの魚の骨を抜いた。」(2歳)
  • 「ウナギをあまり噛まずに食べたところ、のどに違和感が生じた。受診したところ、のどの奥に骨が垂直に立っていた。うがいをさせ、器具で何回か触っているうちに取れて飲み込んだ様子。帰宅となった。」(9歳)
<魚の骨が刺さった場合の対応>
のどに刺さった魚の骨は自然に抜けることもあり、無症状であれば数日経過観察をすることは可能ですが(2)、刺さったまま抜けずに症状が悪化することもあるため注意が必要です。
  • ご飯を丸飲みさせない
    魚の骨がより深く刺さってしまうおそれがあります。深く入り込んだ場合、医療機関でも簡単に取り除くことが難しくなります。
  • 無理して取ろうとせずに、耳鼻咽喉科を受診
    見えているからと言ってピンセットなどで取ろうとすると、口の中を傷つけてしまうことも考えられるため、無理せずに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
<魚の骨が刺さらないための工夫>
  • 小さな子どもが食べる魚の骨は丁寧に取り除く
    ほぐして骨を取り除くか、身を細かくしたり薄切りで小骨が見えやすい状態にしてからピンセット等で骨を取り除きましょう。購入時に、骨が取り除かれた商品等を選ぶのも一案です。
  • 魚の上手な食べ方を教える
    子どもが箸を使えるようになったら、骨を取り除きながら身を外せるように、保護者と一緒に練習しましょう。
  • しっかり噛んで食べる
    よく噛むことで、硬い骨の存在に気付いて、飲み込む前に口の中から出すことができます。

なお、水産庁は毎月3~7日を「さかなの日」に制定し、賛同する企業・団体と共に、様々なイベントや企画を通じて水産物の魅力を発信し、消費拡大に取り組んでいます(3)。「さかなの日」のウェブサイト(4)では、さばき方や子ども向けの学習教材など様々なコンテンツも紹介されています。

  1. (1)医療機関ネットワーク事業:消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和5年3月現在で30機関が参画)から事故情報の提供を受けています。
  2. (2)(公社)日本小児科学会Injury Alert(傷害速報)類似事例「No.087 魚骨による下咽頭異物」(PDF)(別ウィンドウで表示します)
  3. (3)水産庁「さかなの日~あなたの日々の消費で、おいしい魚を次の世代へ~」(別ウィンドウで表示します)
  4. (4)さかなの日「子供向けコンテンツ」(別ウィンドウで表示します)
(参考)

担当:消費者安全課