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Vol.619 誤飲による中毒事故を起こさないようにするために

机の上に置いてあった薬を、子どもが誤飲してしまっているイラスト

ご家庭内で子どもが誤飲して中毒を起こしてしまうものと言えば、たばこやアルコール飲料(1)を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、これら以外でも誤飲して重篤な中毒症状を引き起こしてしまうものがあります。
消費者庁・国民生活センターには、様々な製品を誤飲して中毒を起こした子どもの事故情報が医療機関(2)から寄せられています。

  • 「保護者の降圧薬を2錠(致死量の4倍)誤飲し、中毒を起こして、人工呼吸管理が必要となり集中治療室で7日間入院した。薬はゲートを設置したキッチン内の高さ約1mの台に置いていた。この時、ゲートは施錠をしておらず、台の上も子どもが手を伸ばせば届く範囲だった。」(1歳)
  • 「脱衣所で子どもを入浴準備させて保護者が入浴していたところ、床に置いていた容器を開けて、洗濯用パック型液体洗剤を舐めていた。泡交じりの嘔吐もあり、受診して入院となった。」(0歳7か月)
  • 「子どもの声で気づいて見ると、マニキュアの瓶が床に落ち、顔にかかって口の中も臭いがしたため、救急を受診した。嘔吐等はなく、経過観察で帰宅となった。マニキュアはテレビの後ろ側(台の高さ50cm)に蓋のない箱で複数保管していた。」(0歳9か月)
  • 「咳き込む音などを聞いて別室にいた保護者が駆け付けたところ、子どもが椅子に上って、携帯カイロに充填するためにテーブルの上に置いてあったベンジンの容器を持っていた。周囲には液体がこぼれており、誤飲したようだった。医療機関を受診、入院が必要となった。ベンジンの容器は簡単に蓋が開けられるものだった。」(1歳)

身近にある薬品や家庭用品などでの中毒事故を防ぐために以下の点に注意しましょう。

  • 子どもの目に触れない場所や、手の届かない場所に保管しましょう。
    鍵のかかる場所に保管する、取り出しにくい容器に入れるなど、複数の対策を講じましょう。高い場所に置くだけでは、椅子など台になるものを持ってきて手に取ってしまう可能性があります。
  • 服用後、使用後はそのまま放置せず、速やかに元の安全な場所に片付けましょう。また、子どもの興味をひかないよう、出し入れする行為や服用、使用する行為をできるだけ子どもに見せないようにしましょう。

事例で示した製品以外にも注意が必要なものは数多くあります。近年では、新型コロナウイルス抗原検査キット抽出液の誤飲(3)事故も発生しています。
以下のリンク先も参考にどのような製品に危険があるかを知り、取扱いを工夫しましょう。

万が一、誤飲してしまった場合は基本的には吐かせずに、同じものを病院に持参して受診しましょう。吐物が気管に入って肺炎を起こす危険や、吐かせることで症状が悪化する場合があります。また、水や牛乳を飲ませると症状が悪化するものもあります。

症状や誤飲した物によっては、緊急性が高く救急車を呼ぶ必要があります。 対処方法や受診の必要性が分からないときには、子ども医療電話#8000や日本中毒情報センター、医療機関に相談しましょう。

(公財)日本中毒情報センター 中毒110番電話サービス
大阪中毒110番(365日 24時間対応) 072-727-2499
つくば中毒110番(365日 9時~21時対応)029-852-9999
(参考)
過去の関連メール

担当:消費者安全課