Vol.618 熱い食べ物や飲み物などによるやけどに御注意ください!

子どものやけどの事故はつかまり立ちや歩き始めの1歳前後に多く起きています。なかでも、入院を要するような中等症以上の事故では、容器などに入った食べ物や飲み物をこぼす事故が多く発生しています(※1)。
子どもは大人より身体が小さいことに加えて皮膚が薄いため、熱い液体を被ると身体に対して広範囲かつ皮膚の深くまで影響して、重症化するおそれがあるため注意が必要です。
消費者庁・国民生活センターには、子どもがテーブル等に置かれた熱い食べ物や飲み物をこぼし、やけどを負った事故情報が、医療機関(※2)から寄せられています。
- 「親戚宅にて、キッチン台(高さ80cm程度)の上に置いていたカップ麺に手を伸ばし、右半身にお湯を浴びた。やけどの治療のため1か月以上の入院となった。」(1歳)
- 「入れ立ての熱いお茶の入ったマグカップをローテーブル(高さ60cm)の縁近くに置いていた。子どもがつかまり立ちで倒してしまい、右太ももにやけどを負い、通院が必要となった。最近つかまり立ちができるようになったばかりだった。」(0歳9か月)
- 「テーブル(高さ80cm)に出来立ての味噌汁のお椀を置いていた。子どもの手が届かないようにテーブルの縁から奥に置いていたが、保護者が目を離していたすきに、ランチョンマットを引っ張って、味噌汁をこぼしてしまい、左腕にやけどを負った。通院が必要となった。」(0歳11か月)
- 「朝、ぐずっている子どもをあやしながらコーヒーを飲もうとしたところ、誤って子どもの顔や胸などにかけてしまった。赤くなり水膨れができるやけどを負った。治療と経過観察のため1週間以上の入院が必要となった。」(0歳3か月)
- 「こたつテーブルに夕食のカップうどんを置いた。子どもが椅子に座るときに両手をついて倒してしまい、脚にスープがかかりやけどを負った。20回もの通院が必要となった。」(4歳)
- 熱い食べ物や飲み物などによるやけどを防ぐため、以下の点に注意しましょう。
-
- 子どもの手が届かない場所(テーブルの中央など)に置きましょう
テーブル等につかまり立ちをして、容器などに手が届いて倒してしまうことにより事故が発生しています。 - テーブルクロスやランチョンマットは使わないようにしましょう
子どもが引っ張って、その上に載った容器などを倒すおそれがあります。使用する場合は、長さや大きさを調節して子どもの手が届かないように注意しましょう。 - 抱っこしたまま熱い食べ物や飲み物を扱うことはやめましょう
- 不安定な容器は避け、子どもでも扱いやすい容器に移し替えたり、ある程度冷ましてから与えるなど工夫しましょう。
- 熱くてやけどの危険があることを伝え、容器を倒さないように注意を促しましょう。
- 子どもの手が届かない場所(テーブルの中央など)に置きましょう

政府広報オンラインより
- <やけどをしてしまった時の応急手当>
-
- すぐに流水や容器に溜めた水で10分以上冷やしましょう。市販の冷却シートは、やけどの手当てには使えません。
- 刺激を避けるため、水道水・シャワーを患部に直接当てないようにしましょう。
- 服の上から熱湯などがかかった場合は、脱がさずに服の上から冷やしましょう。
- 広範囲のやけどの場合の冷却は、冷やし過ぎによる体温低下に注意しましょう。
- 全身の広い範囲・顔面などのやけどの場合:すぐに救急車を呼びましょう。
- やけどの範囲が片足、片腕以上の広範囲にわたる場合:救急車を呼ぶか、至急病院を受診しましょう。
- やけどの範囲が手のひら以上の場合や水膨れの場合:潰さないようにして、病院を受診しましょう。
- (※1)消費者庁「家の中の事故に気を付けましょう!」
- (※2)医療機関ネットワーク事業:消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和5年2月現在で30機関が参画)から事故情報の提供を受けています。
- (参考)
- 過去の関連メール
担当:消費者安全課