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Vol.607 就寝時の窒息事故に気を付けましょう

図:子どもの窒息事故啓発のための4つのイラスト。左上 ベッドと壁の間に挟まり窒息しそうな子ども、右上 うつぶせ寝により窒息しそうな子ども、左下 寝ている家族の体で圧迫され窒息しそうな子ども、右下 スタイで首が絞まり窒息しそうになっている子ども

小さな子どもがいる御家庭では、ベッド周りの環境にどのように気を使われていますか。0歳児における不慮の事故死では、窒息が死因の多くを占めていますが、その中でも、就寝時の窒息が多く発生しているため特に注意が必要です(※1)。消費者庁・国民生活センターには、子どもの就寝時の窒息事故等の情報が医療機関(※2)から寄せられています。

  • 「授乳後に大人用ベッドに寝かせていた。泣き声が変わったので見に行くと、ベッドと壁の隙間に子どもの頭が挟まり、体が海老反りになっていた。窒息と頭部打撲のため通院が必要になった。」(0歳6か月)
  • 「子どもを仰向けで寝かせ、普段使用している子ども用のタオルケットの代わりに大人用の大きなタオルケットを体にかけた。約30分後に様子を見ると、柔らかめの枕の上でうつ伏せになり、タオルケットが子どもの頭にかぶさって首に巻き付いていた。子どもの顔色が悪く、意識障害があったため救急搬送され、入院となった。」(0歳7か月)

就寝時の窒息事故を防ぐため、以下の点に注意しましょう。

  • 子どもがうつぶせで寝て、顔が柔らかい寝具に埋もれないよう、敷布団やマットレス等の寝具は硬めのものを使用しましょう。
  • 寝かしつけの時に、添い寝をして意図せず寝込んでしまう、また同じ寝具で就寝している際に大人の身体の一部で圧迫してしまわないように、できるだけベビーベッドで寝かせましょう。
  • 1歳になるまでは、寝かせる時は、あお向けに寝かせましょう。
  • 掛布団は、子どもが払いのけられる軽いものを使用し、顔にかぶらないようにしましょう。
  • 寝ている子どもの顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いたりする物は置かないようにしましょう。

就寝時には、乳幼児突然死症候群(SIDS)にも注意が必要です。SIDSとは、それまで元気だった赤ちゃんが、窒息などの事故ではなく突然死亡してしまう、原因の分からない病気です。SIDS の予防方法は確立していませんが、1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせる等の方法で発症率が低くなるデータがあります。

厚生労働省では、平成11年度から毎年11月をSIDSの対策強化月間と定め、SIDSに対する社会的関心を喚起するとともに、発症率を低くするポイントなどの重点的な普及啓発活動を実施しています。

また、子どもが大人用ベッドで保護者と一緒に寝るようになると、保護者の長い髪の毛が子どもの首や指などに巻き付き、けがをしてしまうことがあります(ヘアターニケット症候群)。添い寝をする際は長い髪の毛は束ね、ベッド周辺には毛髪や糸くずなどが散乱しないよう清潔に保ちましょう。

  1. (※1)消費者庁「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!」[PDF: 172KB]
  2. (※2)消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和4年10月現在で30機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
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担当:消費者安全課