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Vol.591 リング状の物や穴に指がはまる事故に注意!

  • 図:プラスチック製のホルダーの約8mmの穴に指がはまり込んでいる状態を、手袋で再現した手を用いて実験した画像 出典:(公社)日本小児科学会Injury Alert(傷害速報)

「指ターニケット症候群」についてご存じでしょうか。リング状の物や穴に指がはまり込み、締め付けられることで指が腫れるケガのことです。圧迫されて血流が滞るおそれもあるため、指を物や穴から抜く必要がありますが、抜けずに病院での治療が必要な場合もあり注意が必要です。日本小児科学会の傷害速報(※1)では、指ターニケット症候群の事例が紹介されています。

  • 「紙パック飲料をプラスチック製のホルダーに入れて子どもに渡した。飲み終わっても手放さないため気に入ったと思ったが、右手の中指と薬指がホルダーの側面の約8mmの穴にはまり込んでいることに気付いた。石鹸をつけて引き抜こうとしたが、中指しかとれず、薬指の腫れと赤みが次第に悪化したため受診した。ホルダーを切って解除した。」(2歳)

この他にも、医療機関(※2)からは、穴に指が入って抜けなくなった事故や糸が絡みついてけがをしたという事故の情報が寄せられています。

  • 「リビングのテーブルに置いてあった保存容器のアルミ製の蓋の中央に8mmの穴が開いており、子どもが右手の小指を入れて抜けなくなり救急要請した。消防隊がニッパーで少しずつ切れ込みを入れて広げて解除した。指の根元の傷に出血の痕があった。」(3歳)
  • 「風呂で洗面器の穴に右手の中指を突っ込み、抜けなくなったため受診した。指が少しうっ血しており、洗面器を切断して解除した。」(4歳)
  • 「風呂に入れようと着用していたミトンを外したところ、ミトンの中の糸が右手の中指に絡まり、指先の色は悪く水ぶくれができていた。日中ずっと不機嫌だったが気付かなかった。糸が指に深く食い込み解除できなかったため、救急外来を受診して糸を取り除いた。指先の血流不足による水ぶくれの治療のため、血流が回復した後も通院し、治るまでに約2週間を要した。」(0歳2か月)

子どもは発達の過程で、指を一本ずつ動かせるようになると、指を物の中に入れたり、外側に沿って走らせたりすることによって物を探索し始めます(※3)。そのため、子ども向けの製品に限らず、子どもが触れる製品等の穴に指を入れてしまう可能性があります。
身の回りには大小さまざまな穴や隙間がありますが、特に、子どもに持たせたり、遊ばせたりするものについては、ちょうど指がはまりそうな大きさの穴がないか確認して、思わぬ事故を防ぎましょう。
また、乳幼児では、穴や隙間だけなく、毛髪や糸の巻きつきが原因となるヘアターニケット症候群と呼ばれる事例もあります。乳幼児が寝る場所は毛髪や糸くずなどが散乱しないよう清潔に保ち、原因がはっきりしない不機嫌が続く場合は、こういった事故が発生している可能性も考慮しておきましょう。

担当:消費者安全課