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リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意しましょう - 身に着ける、持ち歩く製品にも使用されています -

列車内でのモバイルバッテリーの発火事故や、スマートフォンの発火事故について、ご存じの方も多いかと思います。このような発火事故の原因の一つとして、製品にリチウムイオン電池が使用されていることが挙げられます。
リチウムイオン電池は、モバイルバッテリーやスマートフォンのほか、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、携帯用扇風機など日常生活で身に着けたり、持ち歩いたりする様々な製品に使用されており、消費者庁にはこれらのリチウムイオン電池使用製品についての発熱・発火等の事故情報が寄せられています。
また、リチウムイオン電池使用製品を他のごみと混ぜて廃棄することが、ごみ収集車やごみ処理施設での火災の原因になっていることがあり、問題となっています。
今回は、日常生活で身に着ける、持ち歩くリチウムイオン電池使用製品であって、特に近年、より身近になったワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、携帯用扇風機を中心に、発熱・発火等事故情報と併せて、リチウムイオン電池使用製品を使用・廃棄する際のポイントをご紹介します。

(イラスト)日常で身近なリチウムイオン電池を使用した製品(ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、携帯用扇風機、スマートフォン)

リチウムイオン電池使用製品での事故情報について

事故情報データバンクには、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、携帯用扇風機における発煙・発熱・発火・破裂・爆発等の事故情報が、2020年度から2024年度までの5年間で計162件登録されています。

1.リチウムイオン電池に起因すると考えられる事故情報

発熱・発火等の事故情報162件のうち、リチウムイオン電池に起因すると考えられるものは5年間で136件と84.0%を占め、近年増加傾向にあります。

2.事故情報の製品別内訳

リチウムイオン電池に起因すると考えられる発熱・発火等の事故情報136件の製品別内訳は、5年間でワイヤレスイヤホンは64件、スマートウォッチは46件、携帯用扇風機は26件となっており、いずれも増加傾向が見られます。
また、事故が発生した時に充電中だった件数は、5年間でワイヤレスイヤホンでは37件(75.5%)、スマートウォッチでは9件(20.5%)、携帯用扇風機では16件(84.2%)でした。

(イラスト)日常で身近なリチウム電池を使用した製品(ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、携帯用扇風機)

事故事例

  • ワイヤレスイヤホン
    • 4年前に購入したワイヤレスイヤホンが充電後に発火し、一緒にかばんに入れていた水筒などを焦がした。
    • ワイヤレスイヤホンを使っていたら爆発し、首をやけどして衣服が少し焦げた。
  • スマートウォッチ
    • ネット通販で購入したスマートウォッチが充電中に熱で溶けた。
    • スマートウォッチを腕につけたまま寝ていたところ、深夜に突然発火して、腕にやけどをし、シーツが焦げた。
  • 携帯用扇風機
    • パソコンのUSBポートに接続し使用していた携帯用扇風機が突然火柱を上げ発火した。
    • かばんに充電済みの携帯用扇風機を入れていたところ、かばんから煙が出てきて異臭があった。慌てて取り出したところ発火した。

リチウムイオン電池使用製品を使用する際の注意ポイント

リチウムイオン電池使用製品の取扱いを誤ると、リチウムイオン電池の破損等により発熱・発火といった事故につながる危険性があります。
リチウムイオン電池使用製品の使用に当たっては、発熱・発火等事故が発生する危険性を常に意識するとともに、以下のような点に注意しましょう。

  1. 強い衝撃や圧力を加えないようにしましょう
  2. 高温になる場所では使用・保管しないようにしましょう
  3. 充電は、安全な場所で、なるべく起きている時に行いましょう
  4. 異常を感じたら使用を中止しましょう
  5. 発火した時はまず安全を確保し、できれば大量の水で消火しましょう
  6. 製品情報、リコール情報を確認しましょう
  7. 公共交通機関では、持ち込みルールを守りましょう

右:(イラスト)男性が携帯用扇風機を落としてしまう。:中:(イラスト)女性が鞄に入れたスマートフォンをモバイルバッテリーで充電しながら使用しており、モバイルバッテリーが鞄の中で発熱している。:左:(イラスト)寝ている女性の枕もとで、充電していたモバイルバッテリーから煙が出ている。

リチウムイオン電池使用製品を廃棄する際の注意ポイント

近年、ごみ処理施設やごみ収集車において、リチウムイオン電池が押しつぶされたことなどに起因する火災事故等が頻繁に発生しています。ワイヤレスイヤホンなどの小型のリチウムイオン電池使用製品であっても大きな火災に発展することがあるため、廃棄する際は、安易に他のごみに混ぜて捨てるようなことはせず、以下のような点に注意しましょう。

  1. リチウムイオン電池が使用されているかを確認しましょう
  2. リサイクル可能なものは、リサイクルしましょう
  3. 廃棄方法を確認して、廃棄しましょう
  4. 廃棄する前にはなるべく電池を使い切りましょう

消費者庁公表資料

過去の公表資料

参考

(1)総務省消防庁

(2)経済産業省

(3)環境省

(4)東京消防庁

(5)(独)国民生活センター公表資料

(6)(独)製品評価技術基盤機構(NITE)公表資料

(7)関係団体等啓発資料

担当:消費者安全課