第1部 第1章 第3節 (2)越境取引に関わる消費生活相談
第1部 消費者問題の動向と消費者の意識・行動
第1章 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果等
第3節 消費者庁に集約された生命・身体に関する事故情報等
(2)越境取引に関わる消費生活相談
越境消費者センター(CCJ)の活動
グローバル化が進む中、消費者がインターネット経由で気軽に海外事業者と取引できるようになったこと等に伴い、海外事業者とのトラブルが発生するようになりました。国民生活センター越境消費者センター(CCJ(注23))は、海外ネットショッピング等、海外の事業者との取引においてトラブルに遭った消費者の相談窓口です。CCJでは、海外の提携消費者相談機関と連携し、海外に所在する相手方事業者に相談内容を伝達するなどして事業者の対応を促し、日本の消費者と海外の事業者のトラブル解決を支援しています。
CCJに寄せられた相談の特徴
CCJが受け付けた相談件数は、2022年は4,756件であり、前年(4,898件)よりも減少しました。2020年以降は相談件数が5,000件を下回る状況が続いています。年齢層別にみると、最も高い割合を占めているのは40歳代(24.1%)でした。一方で、70歳以上の割合は3.5%と低くなっています(図表Ⅰ-1-3-12)。
事業者所在国・地域は「米国」、「中国」、「香港」が上位
CCJが受け付けた相談について事業者所在国・地域別にみると、2022年は米国が519件(10.9%)で最も多く、中国(302件、6.3%)、香港(276件、5.8%)、英国(239件、5.0%)と続きます(図表Ⅰ-1-3-13)。
「役務・サービス」、「趣味用品」、「衣類」の割合が高い
2022年にCCJが受け付けた相談を商品・サービス類型別にみると、「役務・サービス」が38.6%と最も高い割合を占めており、投資(暗号資産(仮想通貨)やFX(外国為替証拠金取引)を含む。)やロマンス投資詐欺(注24)、動画配信サービスやチケット転売仲介サイト等に関する相談がみられました。なお、ロマンス投資詐欺に関する相談は2020年以降大きく増加しており、CCJは、消費者への注意喚起を実施しています(注25)。
2番目は「趣味用品」(14.4%)で、自動車部品やスポーツ・アウトドア用品、玩具(おもちゃ)や楽器等の商品未着や不良品に関するトラブルがみられました。3番目は「衣類」(12.6%)で、コートや洋服等の商品未着や商品違いに関するトラブルがみられました(図表Ⅰ-1-3-14)。
担当:参事官(調査研究・国際担当)