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第1部 第2章 第1節 (2)若者の意識とコミュニケーション

第1部 消費者問題の動向と消費者の意識・行動

第2章 【特集】変わる若者の消費と持続可能な社会に向けた取組~18歳から大人の新しい時代へ~

第1節 若者を取り巻く環境と意識の変化

(2)若者の意識とコミュニケーション

■若者の意識

若者の約8割から9割は現在の生活に満足し、約5割が生活の程度は「中の中」と捉えている

 「消費者意識基本調査」で、「現在の生活にどの程度満足しているか」を聞いたところ、「満足」(「満足している」又は「どちらかといえば満足している」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半で約9割、20歳代で約8割でした。この結果は、10歳代後半は他の年齢層よりも「満足」と回答した人の割合が高く、20歳代は他の年齢層と同程度でした(図表Ⅰ-2-1-14)。

 次に、「現在の生活の程度は、世間一般から見てどうか」を聞いたところ、「中の上以上」(「上」又は「中の上」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半で約4割、20歳代で約2割でした。10歳代後半は他の年齢層よりも「中の上以上」と回答した人の割合が高く、20歳代は他の年齢層と同程度でした。また、「中の中」と回答した人の割合は、10歳代後半、20歳代の両方で約5割と最も高く、他の年齢層と同程度でした(図表Ⅰ-2-1-15)。

若者は他の年齢層よりもイベントや体験では参加者同士の一体感や、「その時・その場でしか得られない」といった非再現性を重視

 「消費者意識基本調査」で、イベントや体験での参加者同士の一体感に対する考え方について聞いたところ、「集まりやイベントの参加者同士の一体感が大事だ」に「当てはまる」(「とても当てはまる」又は「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半で約5割、20歳代で約4割となり、若者は他の年齢層よりも高くなっています(図表Ⅰ-2-1-16)。

 また、体験自体の再現性に対する考え方について聞いたところ、「その時・その場でしか得られない体験をしたい」に「当てはまる」(「とても当てはまる」又は「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半、20歳代の両方で約6割でした。これらの結果は、他の年齢層よりも高くなっています(図表Ⅰ-2-1-17)。

若者は他の年齢層よりも「チャンスと感じたら逃したくない」意識が高い

 次に、「消費者意識基本調査」で、チャンスに対する考え方について聞いたところ、「チャンスと感じたら逃したくない」に「当てはまる」(「とても当てはまる」又は「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半、20歳代の両方で約7割でした。「とても当てはまる」と回答した人の割合も両方で約3割となり、若者は他の年齢層よりも高くなっています(図表Ⅰ-2-1-18)。

若者は他の年齢層よりも「周りの人から注目されたい」、「自身について発信したい」、「発信したものに反応が欲しい」意識が高い

 次に、「消費者意識基本調査」で、周囲からの関心を得ることに対する考え方について聞いたところ、「周りの人から注目されたい」に「当てはまる」(「とても当てはまる」又は「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半で約3割、20歳代で約2割となり、若者は他の年齢層よりも高くなっています(図表Ⅰ-2-1-19)。

 また、自身からの発信と発信への周囲の反応に対する考え方について聞いたところ、「買ったものや、気持ちを発信したい」に「当てはまる」(「とても当てはまる」又は「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半、20歳代の両方で約3割でした。また、「自分が発信したものに反応が欲しい」に「当てはまる」(「とても当てはまる」又は「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半、20歳代の両方で約3割となり、若者は他の年齢層よりも高くなっています(図表Ⅰ-2-1-20図表Ⅰ-2-1-21)。

13歳から29歳までの男女の約5割は自分の考えを相手に伝えることに苦手意識を持っている

 内閣府の「子供・若者の意識に関する調査」によると、13歳から29歳までの男女に、「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」かどうかを聞いたところ、「あてはまらない」(「あてはまらない」又は「どちらかといえばあてはまらない」の計)と回答した人の割合は約5割でした(図表Ⅰ-2-1-22)。

13歳から29歳までの男女の約5割は自分は役に立たないと強く感じ、約7割は今の自分を変えたいと思っている

 また、同調査にて、「自分は役に立たないと強く感じる」かどうかを聞いたところ、「あてはまる」(「あてはまる」又は「どちらかといえばあてはまる」の計)と回答した人の割合は、約5割でした(図表Ⅰ-2-1-23)。

 さらに、同調査にて、「今の自分を変えたいと思う」かどうかを聞いたところ、「あてはまる」(「あてはまる」又は「どちらかといえばあてはまる」の計)と回答した人の割合は約7割でした(図表Ⅰ-2-1-24)。

16歳から29歳までの男女の6割から7割は働くことに不安を抱いている

 内閣府の「子供・若者の現状と意識に関する調査」によると、16歳から29歳までの男女に働くことへの不安を聞いたところ、「不安である」(「とても不安」又は「どちらかといえば不安」の計)と回答した人の割合については、「老後の年金はどうなるのか」、「十分な収入が得られるか」は7割を超え、「そもそも就職できるのか・仕事を続けられるのか」は6割を超えています(図表Ⅰ-2-1-25)。

若者は他の年齢層よりも「困っている人・助けが必要な人の役に立ちたい」意識が高い一方で、「環境問題・社会課題の解決の役に立ちたい」意識は同程度

 「消費者意識基本調査」で、様々な対象への貢献意欲について聞いたところ、「困っている人・助けが必要な人の役に立ちたい」に「当てはまる」(「とても当てはまる」又は「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半、20歳代において約7割でした。「とても当てはまる」と回答した人の割合も約3割となっており、若者は他の年齢層よりも高くなっています(図表Ⅰ-2-1-26)。

 一方、「環境問題・社会課題の解決の役に立ちたい」に「当てはまる」(「とても当てはまる」又は「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半で約5割、20歳代で約4割となり、若者は他の年齢層と同程度でした。若者の環境問題・社会課題の解決への貢献意欲は高いとはいえない状況にあることが分かります。一方、「とても当てはまる」と回答した人の割合に限っていえば、10歳代後半で14.6%と最も高い割合となっており、「環境問題・社会課題の解決の役に立ちたい」という意識の高い人が10歳代後半において多いことが分かります(図表Ⅰ-2-1-27)。

図表1-2-1-14「現在の生活にどの程度満足しているか」という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-14 「現在の生活にどの程度満足しているか」という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

図表1-2-1-15「現在の生活の程度は、世間一般から見てどうか」という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-15 「現在の生活の程度は、世間一般から見てどうか」という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

図表1-2-1-16「集まりやイベントの参加者同士の一体感が大事」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-16 「集まりやイベントの参加者同士の一体感が大事」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

図表1-2-1-17「その時・その場でしか得られない体験をしたい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-17 「その時・その場でしか得られない体験をしたい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

図表1-2-1-18「チャンスと感じたら逃したくない」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-18 「チャンスと感じたら逃したくない」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

図表1-2-1-19「周りの人から注目されたい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-19 「周りの人から注目されたい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

図表1-2-1-20「買ったものや、気持ちを発信したい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-20 「買ったものや、気持ちを発信したい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

図表1-2-1-21「自分が発信したものに反応が欲しい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-21 「自分が発信したものに反応が欲しい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

図表1-2-1-22「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」かどうか、という問への回答の割合(13歳から29歳までの男女・2019年度)
図表Ⅰ-2-1-22 「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」かどうか、という問への回答の割合(13歳から29歳までの男女・2019年度)[CSV]

図表1-2-1-23「自分は役に立たないと強く感じる」かどうか、という問への回答の割合(13歳から29歳までの男女・2019年度)
図表Ⅰ-2-1-23 「自分は役に立たないと強く感じる」かどうか、という問への回答の割合(13歳から29歳までの男女・2019年度)[CSV]

図表1-2-1-24「今の自分を変えたいと思う」かどうか、という問への回答の割合(13歳から29歳までの男女・2019年度)
図表Ⅰ-2-1-24 「今の自分を変えたいと思う」かどうか、という問への回答の割合(13歳から29歳までの男女・2019年度)[CSV]

図表1-2-1-25「働くことに関する様々な事柄」への不安の状況(16歳から29歳までの男女・2017年度)
図表Ⅰ-2-1-25 「働くことに関する様々な事柄」への不安の状況(16歳から29歳までの男女・2017年度)[CSV]

図表1-2-1-26「困っている人・助けが必要な人の役に立ちたい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-26 「困っている人・助けが必要な人の役に立ちたい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

図表1-2-1-27「環境問題・社会課題の解決の役に立ちたい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)
図表Ⅰ-2-1-27 「環境問題・社会課題の解決の役に立ちたい」かどうか、という問への回答の割合(年齢層別)[CSV]

担当:参事官(調査研究・国際担当)