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COLUMN1 キャッシュレス決済に関する消費者の意識(物価モニター調査結果より)

物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用せずに商品・サービスの料金の支払等を行う「キャッシュレス決済」は、消費者に、家計管理が簡易になる、大量に現金を持ち歩かずに買物ができるなどのメリットをもたらすほか、事業者にとっても、レジ締めや現金取扱いの時間の短縮、外国人観光客の需要の取り込み、購買情報を活用した高度なマーケティングの実現などのメリットがあります。

2019年10月の消費税率引上げに伴い、需要平準化対策として、キャッシュレス・消費者還元事業が開始されました。この事業は、キャッシュレス対応による生産性向上や、消費者の利便性向上の観点も含め、消費税率引上げ後の9か月間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援する事業です。

消費者庁の物価モニター調査の2019年7月及び同年12月調査から、消費税率引上げ前後のキャッシュレス決済に関する消費者の意識の変化をみていきます。

1キャッシュレス決済が幅広く浸透

キャッシュレス決済を「利用している」(「よく利用している」+「ときどき利用している」。以下同じ。)という割合は、7月調査では79.0%でしたが、12月調査では84.7%に上昇しました(図表1)。この傾向は全ての年齢層にみられ、キャッシュレス決済が幅広く浸透していることがうかがえます。

2消費税率引上げ後にバーコードやQRコード決済の利用頻度が増加

比較的利用する頻度の高いキャッシュレス決済手段として、「クレジットカード」と回答した人の割合は7月調査及び12月調査ともに85%を超え、最も高かった一方で、「バーコード、QRコード決済(PayPay、LINE Pay等)」と回答した人の割合は消費税率引上げ後の12月調査では34.4%と、7月調査(17.7%)から大きく上昇しました(図表2)。

また、キャッシュレス決済のメリットとして、「割引やポイント等の特典が得られること」と回答した人の割合が12月調査では74.2%と最も高い一方で、「支払手続を簡単・迅速に行えること」が68.2%、「現金を持ち歩く必要がなくなること」が54.3%と、キャッシュレス決済の利便性にメリットを感じている利用者も多く存在します(図表3)。

図表1 キャッシュレス決済の利用状況

図表2 比較的利用頻度の高いキャッシュレス決済手段

図表3 キャッシュレス決済のメリット

担当:参事官(調査研究・国際担当)