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意見のフォローアップに係る関係行政機関ヒアリング(電動シャッター動作時の事故)議事録

意見のフォローアップに係る関係行政機関ヒアリング

日時:令和元年9月30日(月)

中川委員長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから第86回「消費者安全調査委員会」を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多忙の中、御出席ありがとうございます。
それでは、今日は1件目が電動シャッター動作時の事故のフォローアップでございます。
消費者安全調査委員会では、電動シャッター動作時の事故に係る事故等原因調査を行い、平成30年9月に経済産業省及び消費者庁に対して意見を述べました。
本日は、まず、意見先となった経済産業省及び消費者庁から、意見への取り組みの状況について御報告をいただきます。
経済産業省及び消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただき、ありがとうございます。
では、まず、経産省からお願いいたします。よろしくお願いします。
経済産業省
それでは、経済産業省のほうから、取り組みにつきまして御説明申し上げたいと思います。
まず、今回、昨年9月に経済産業大臣への意見ということで頂戴いたしましたので、私ども、これを受けて、業界団体、製造事業者の電動シャッター、製造事業者の業界団体である日本シヤッター・ドア協会に対しまして、当省から対応ということで、文書をもって要請をしたところでございます。
これを受けまして、シヤッター・ドア協会のほうは、会員各社に対しまして、さまざまな要請を行っているところでございます。
特にメーカーとして対応せざるを得ない、例えば安全装置の付与だとか、設計・開発にかかわるようなものは会員メーカーが、あとは、既に所有している所有者、それを運用している設置者、こういう方々に対しましては、これら会員各社を通じて安全対策の周知を図っているところでございます。
さらに、協会においては、設置者・所有者向けの啓発チラシということで、本日、皆様方のところにも配らせていただいておりますが、こういったチラシを全部で10万部作成しまして、会員各社のほか、都道府県、政令市、関係行政機関ということで、これらに配布すると同時に、協会のホームページ、あと、私ども経済産業省のホームページでも掲載をしているところでございます。
また、工事業者を所管していらっしゃる国土交通省にも協力を得まして、工事団体、29団体への周知も済ませているところでございます。
続きまして、本日、資料でもございますが、確認事項ということで幾つか御説明申し上げたいと思います。
JISについては後ほど御説明申し上げますが、それ以外のところを私のほうから御説明いたしますと、既に設置されている電動シャッターに対する安全装置の付加ができるかどうかの検討結果ということでございます。
これにつきましては、各製造業者において検討したところ、既に設置されている電動シャッターに対しましても、安全装置として障害物感知装置を付加することは基本的に可能という見解が得られているところでございます。
これを受けて、一部製造事業者のほうでは、既に当該装置の設置を、それぞれ所有者もしくは設置者に対して提案を進めているといったところでございます。
ただ、他の安全装置である急降下停止装置につきましても、製造事業者のほうで検討を行っていただきましたが、当該製造装置を付加するためには大幅な改造が必要ということであるため、実態上付加することは困難であるという見解が得られているところでございます。
このため、急降下停止装置を後づけするようなことが求められる場合につきましては、いわゆる長期使用製品、古い製品でございますので、こういったものを中心に、新しいものへの買いかえということで、交換を提案することを想定しているということでございます。
製造業者または工事業者を通じて、安全装置の未装着の所有者また管理者に対しまして、チラシなどを活用して、障害物感知装置の設置を提案しているところでございますが、正直なところ、使用者においては、現在の使用状況において問題がないというところで、付加していただけないといったところが実情でございます。
費用等の問題で安全装置の付加が困難な場合につきましては、壁にとりつけてある、いわゆる押しボタンスイッチをホールド・ツゥ・ラン方式に変更できるかどうかということにつきましても、変更できるということで、消費者もしくは設置者といったところに提案を行っているところでございます。
こちらのボタンスイッチにつきましては、一部の機種を除いて技術的には対応可能ということでございますが、こちらにつきましても、実態を申し上げますと、開閉ボタンをずっと押し続けることになるわけでございまして、いわゆる利用者側からすると、押し続けることによっての利便性の低下ということがございますので、実際のところ、使用者のほうからの同意を得るのは困難といったところでございます。
また、リモコンボタンのホールド・ツゥ・ラン方式への切りかえにつきましても、製造業者のほうで検討しているところではございますが、こちらのほうもずっと押し続けていかなければいけないということなので、こちらは、いわゆるリモコンに内蔵する電池が結構消費してしまうということで、そうなると、蓄電容量の大きなものを搭載せざるを得ないということで、こちらについては、正直申し上げると、今のところは現実的ではないだろうという見解が得られておりまして、メーカーといたしましては、大容量かつコンパクトなバッテリーが商品化された時点で、そういったリモコンのホールド・ツゥ・ラン方式への切りかえというところも検討するということでございます。
光電センサーの改善についての今後の計画ということにつきましては、昨年9月に公表されたこちらの調査報告書によりまして、いわゆる障害物を感知する装置に係る指摘事項を踏まえたところ、製造事業者各社においては、安全装置のあり方として検討したところ、まずは座板スイッチまたは負荷感知装置を標準装備するということで、現在その製品開発を行っていたり、既に製品開発が済んでいるところは製造を行っているといったところでございます。
一方、光電センサーの改善といったところにつきましては、今、お話しいたしましたとおり、各製造事業者とも座板スイッチまたは負荷感知装置を標準装備といたしますので、基本的にはこういったものが標準装備になりますので、光電センサーについては、あくまでも補助的なものと位置づけるということでございます。
したがいまして、座板スイッチもしくは負荷感知装置を標準装備とすることによって、安全性が十分に担保されるということでございますので、光電センサーについては従来のものを活用というところでございます。
一方で、通常のシャッターがとりつけ困難な場所、言うなれば、例えば坂道の途中にとりつけるようなケースでございますと、シャッターの下部が水平でなくて、かなり斜めになってしまう、こういった場合は座板スイッチだとか負荷感知装置をつけるのが非常に困難でございますので、こういったケースについては光電センサーのみを装着するケースがございます。
こういったものにつきましては、光電センサーの光軸の数を増やしたり、光軸間の距離を短くする等の設置基準の見直しを行っており、こちらについては今年度中に改訂する予定でございます。
所有者の情報収集についての現状については、基本的には製造業者が新設、修理、点検等、こういったときにシャッターの型式とともに、顧客情報を収集、管理、更新をするということでございます。今回は、私ども経済産業省のほうからの要請を受けまして、一部の会社では、顧客情報の管理に徹底的に力を入れるとしているところでございます。
最後になりますが、この1年間、2018年9月から2019年8月において、製造事業者のほうから日本シヤッター・ドア協会に届け出のあった死亡事故、重大事故につきましては、特に死亡事故0件、重大事故0件と伺っております。
ただ、死亡事故、重大事故ではございませんが、いわゆる電動シャッター関連の事故は31件の届け出があったと伺っています。このうちの2件は人身事故ということで、1件はシャッターを開放する作動中に起きたもの。もう一件は、シャッターを閉める際に起きています。
これについては、両方とも開閉動作中に使用者がくぐり抜けたという実例でございまして、くぐり抜ける最中に、おりてきたシャッター等で背中を打撲する等の負傷をしている。ただ、重大事故にまでは至っていないということでございます。
残りの29件については、いわゆる物損事故ということで、例えば車に当たったり、物に当たって破損をさせたり、そういったことが起きたところでございます。
経済産業省
続きまして、JISに関して、確認事項としていただいておりますので、私のほうから御回答させていただきます。
番号でいきますと、1番と4番、5番に、JIS原案作成委員会において、それぞれ挟まり事故防止のための障害物を感知する装置、落下事故防止のための急降下停止装置、障害物を感知する装置が故障した場合の方策と、リモコン操作に関する動作性能、シャッターカーテン下部の視認性ということでいただいております。
いずれもJISの原案作成委員会の事務局団体は、日本シヤッター・ドア協会において原案作成の事務をされておりますが、この中で委員会の意見を踏まえて、今、原案作成、審議が行われておりますが、今、聞いておりますのは、年内にはこの意見も反映した内容のJISの原案が作成される予定だと伺っております。
今後、JISの原案が作成された後、JIS法、いわゆる産業標準化法に基づいて、事務局の協会から経済産業大臣宛に申し入れがなされまして、その後、JISの改正が行われる予定でございまして、この原案作成の後の申し出のタイミングによって、改正のタイミングが決まってくるという状況でございます。
いずれも同じ、同時に議論・審査をしてございますので、同じタイミングになると思っています。
以上でございます。
中川委員長
ありがとうございました。
それでは、続いて消費者庁からの説明をお願いいたします。
消費者庁
消費者庁でございます。
消費者庁は、資料の9、10、11、12の御意見をいただいております。大きくは2つに御意見をいただいたものと思っておりまして、まず、電動シャッターの所有もしくは使用される方への周知。
2つ目としては、利用される消費者への周知というものでございます。
1つ目の電動シャッターを所有または使用する消費者への周知でございますが、これは3つ。
まず、1番目の可能な限り安全装置を付加すること。
あとは、リモコンの操作ボタンが押されることを防止できる2アクション方式のリモコンに変更すること。
3番目で、シャッターカーテン下部の視認性がない場合には、ミラーやカメラを設置すること、という3点御指摘いただいています。
それにつきましては、真ん中の実施状況になりますけれども、いただいた翌月に、9、10、11、12の観点につきまして、消費者への注意喚起をプレスリリースさせていただきました。
次の対応としては、同じくこれも翌月10月26日付けで、各地方公共団体の消費者行政担当部局宛てに通知を発出しまして、周知をお願いしております。
3つ目でございますが、これは経済産業省からの御説明もありましたけれども、リーフレットの後援を行った上で、協会を通じまして、都道府県や関係機関に配布させていただいております。
12のほうの御意見で、(2)の電動シャッターを利用する消費者への周知ということでございますけれども、こちらにつきましては、我々も先ほど申し上げたプレスリリースのほかにSNSなどのツールを用いまして、極力広報または知識の普及啓発をさせていただいております。
簡単ですが、消費者庁からは以上になります。
中川委員長
ありがとうございました。
それでは、質疑に移りたいと思いますが、委員から御意見・御質問はございますでしょうか。
河村委員、お願いします。
河村委員
御説明ありがとうございます。
経済産業省さんにお伺いしたいのですけれども、安全装置について、新たに設置される電動シャッターにJISの改正が行われているということなのですけれども、こちらの御説明で「標準装備」という言葉も使われていたのですが、JISというのは任意のものだと思うのです。新たに世の中に出てくるシャッターのどの程度が、この委員会が求めた安全装置を標準装備したようなものになるのかとか、改正されると直ちにすぐにつくられるものはJISにのっとるものなのかとか、そのあたりによって随分効果が違ってくると思うのですけれども、そのあたりを教えてください。
経済産業省
河村委員御存じのとおり、JISは任意の取り組みであります。地方自治体など、公共機関に対しては、法律上努力義務で促しはありますけれども、民間の取り組みに関しては自主的な取り組みとなりますので、JIS改正後は、各業界団体なり、あるいはそういった規制を行う側の立場で、それぞれこれを利用してどのような形で進めていくかという形になると思います。
ということですので、JISが制定されれば何割ぐらいの普及率だとか、あるいはどうなるかという話については、私の側からは、今の段階では答えられないということになります。
中川委員長
どうぞ。
経済産業省
私のほうからは、業界団体のほうから、先ほど御説明申し上げたとおり、標準装備と伺っております。
この割合については、正直全部かどうかというところまでは詰め切れておりませんが、私どもが伺ったところでは、基本的にほぼ可能な限りは標準装備にしていくと。いわゆる「標準装備」という言葉を使っている以上、出てくるものは、ほぼこういったものがついてくると考えているところでございます。
中川委員長
どうぞ。
河村委員
その業界団体に入っていないところで世の中にシャッターに出しているところはどれぐらいあるのですか。
経済産業省
一部あるとは思いますが、私どももいわゆるアウトサイダーのところは余り把握していないところでございます。
一方で、電動シャッターにつきましては、大手5社がございます。こちらで全体の95%を対応していると伺っておりまして、そのほか、小さなところが業界団体に入っておりますので、アウトサイダーがどの程度かというと、確定的なお話はできませんが、数的には少ないのではないかと考えているところでございます。
中川委員長
ほかはいかがでしょうか。
水流委員、お願いします。
水流委員
今の河村委員の心配というか、危惧というか、その辺もあると思うのですが、95%ぐらいが入っていて、問題は顧客がどれを選ぶかだと思うのですね。シャッターを購入する側がJISマークつきのものを買うのか、それともそれ以外のものを買うのかといったときに、JISのほうで標準装備になっているということが盛り込まれることによって、そういうものが出ているのに、なぜJISマークつきのものを購入して設置しなかったのかということを購入者側が問われることになるということで、購入者側の責任になりますよという話になっていくと思うので、少なくともJISの中に盛り込まれて標準装備になるということは、意味があることではないのかなと私としては思うところです。
ただ、購入者側のマナーというか、質というか、その辺についてはコントロールが難しいところがあると思いますけれども、やはりJISに明示されているということは、世の中に出ている事業者さんとしては、それを認識するのが当たり前ですねということになるので、抑止力にはなり得るのかなと思います。
中川委員
ですから、メーカーの責任でもあると思います。裁判すれば負けると思います。
ほかはいかがでしょうか。
澁谷委員、お願いします。
澁谷委員
丁寧な御説明をありがとうございました。
まず、経済産業省さんに、先ほどの御説明で、対策の重要な度合いとか優先順位、何を重視してやるかということも御説明をいただいたのでよくわかりましたが、その中で、光電センサーは優先順位からいったら低いということで、坂道のようなところとか、そういう特殊なところでというお話がありました。急降下停止装置は、本当はつけていただきたいのだけれども、大幅な改造が必要とか、金銭的な問題とかということで、なかなか進まないということでした。
今、1年たってこういう状況がある中で、もちろんJISのことも話が出ていたわけですけれども、どういう点を重要な点というか、めり張りをつけて、優先順位をつけて力を入れていくかというところを少しお話しいただけるとありがたい。
もう一つ、先ほどの事故件数というお話がございました。これは消費者庁さんにお聞きしたほうがいいのかもしれませんが、事故は31件起こっている。重大な事故はなかったけれども、31件の中では人身事故も2件含まれているというお話がございました。
この2件は、機械的な問題というより人の問題で起きている可能性もあると思うのですね。そういう面から考えると、さらに啓発とか、消費者の理解を深めることが重要ではないかと思うのですが、今後こういった事故もゼロにしていくということについて、何かお考えのことがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
中川委員長
まず、経済産業省のほうからお願いします。
経済産業省
まず、先ほどの優先順位を含めてでございますが、新製品につきましては、先ほどもお話しいたしましたとおり、必ず安全装置が標準ということで、これを進めていただくというのが一義的にございます。
あと、問題は既設でございます。御承知のとおり、ここがなかなか進まないというのが実態でございますので、ここについては2点目のものとも絡むと思いますけれども、いわゆる消費者、設置者もしくは使用者、そういった方々に対して、メーカーサイドとしても、極力点検だとか工事等、修理等で上がってきたものについては、こういったチラシを含めて啓発活動を行いながら、なるべく変えてもらうというか、負荷感知装置等をつけていただくように、粘り強く説得していただくというところが中心になろうかと思います。
そうした中で、どうしても得られないようなところについては、いたし方がないと言って削るわけにはいきませんので、定期的な点検等を見据えながら、何度も足しげく通っていただくとか、こういったものが重要になるのかなと思っておりますので、私ども経済産業省のほうでも、シヤッター・ドア協会に対しましては、引き続きこういった活動を進めていただくようにお願いをしていこうと思っております。
中川委員長
では、消費者庁、お願いします。
消費者庁
消費者庁といたしましては、人の被害の把握のほう、重大事故の情報収集をしておりますので、引き続きこれを見ながら、まずはウォッチしていきたいと思います。
もう一ついただいた、いかにこれを普及啓発していくかということですが、まず、内容としては、お配りさせていただいている資料3のほうなのですけれども、恐らく単なるプレスリリースだけでなく、いかにそれを消費者に認識してもらうかということだと思っております。
これは電動シャッターに限った話ではないと思いますが、我々としては、今までやったような自治体さんであれば、例えば周知をした上で、直接市町村さんから住民の皆さんにやるものがあればできるだけやっていただくようにしますけれども、個人的ではありますが、メディアに取り上げられた上で周知してもらうのが一番効果的かと思っております。それができるように、これまでもやっているつもりですけれども、本件に限らず、できるだけメディアに取り上げていただくように、心がけていきたいと思っております。
澁谷委員
ありがとうございました。
中川委員長
ほかはいかがでしょうか。
水流委員、お願いします。
水流委員
経済産業省さんなのですけれども、この委員会では、安全のためにホールド・ツゥ・ラン方式というのが非常に重要だと思って重視しているのですが、リモコンの電池の問題という先ほどの部分が少しわかりづらいというか、わからなくもないのですけれども、リモコン自身が押し上げるわけではないので、シグナルを出し続けているということに電池量をどのぐらい使って、今までと比べると、一瞬ボタンを押していたものに対して、ずっと押し続けている状態がどのぐらい電池を食うのかということと、それは乾電池の交換になるのか。乾電池の交換といったときに、価格としてそう高いものではありませんので、それと安全性との観点を考えたときにどうなのでしょうかということについて、どういう御議論があったのかを教えていただきたいのです。
経済産業省
今、この時点で、今までの電池量と、仮にホールド・ツゥ・ラン方式でやったときの電池の消耗具合につきまして、今、データを持ち合わせていないので何とも言えませんが、少なくとも私どもが伺っているところでは、シャッターが上がり下がりする時間は結構あるので、ずっと押し続けなければいけない。これが車の出入りに応じて回数も結構ございますので、そういう意味では、今のリモコンの大きさで保とうとすると、電池を大きなものにするか、今、委員のほうから御指摘のあったように、電池の交換を頻繁にしなければいけないということが起きると伺っております。
ただ、それがどのぐらいなのかというのは、今、データがございませんので何とも言えませんが、少なくとも伺っている感じでは、使用者側に相当負担が来るような感じと伺っておりますので、現在のところでいくと、そういったものを消費者の方に納得してもらって、大き目のリモコンを持っていただくとか、もしくはしょっちゅうねじ回しであけて電池を交換していただくというところは、メーカーとしてはなかなか提案しづらいというところが実態だと伺っております。
水流委員
変な話が、充電式リモコンとか。例えば掃除機もそうですね。今、マンションの昇降型の駐車場の場合ですと、ホールド・ツゥ・ランでは、使用者はずっとそこに立っていないといけないのですね。でも、みんな我慢して立っているわけですよ。これはこうなったからしようがないと思って立っているわけですね。あれは充電式というか、その場に電気が供給されていますから。
そうすると、リモコンの問題があったときに、リモコンに対する充電という考え方をしなければいけない製品もあるのではないかと若干思いまして、リモコンそのもののありようみたいなもの、ホールド・ツゥ・ランが必要なものに対するリモコンの条件みたいな形で御検討いただくことができないかということは、提案したいと思います。
経済産業省
今の委員会からの御指摘は、私どものほうで業界のほうにお伝えして、引き続き他の分野で、同じようなホールド・ツゥ・ラン方式で、電池を結構食うようなものでリモコンを使っているような例を洗いざらいやっていただいて、それがこちらのシャッターにも使えるかどうかも含めて、再度検討していただくように要請しようと思います。
中川委員長
ほか、いかがでしょうか。
今の点ですけれども、JISに関して言うと、ホールド・ツゥ・ランを標準装備的なことに考えるかどうかというのはまだわからない。それとも、検討中かもしれませんが、やはりこれも難しいのではないかという状況でしょうか。
経済産業省
まだ原案作成途中ですので、どういう形で出るかというのは、まだ私どもはお伺いしておりませんけれども、一般的には余り細かいところまで決めるということにはならないと思いますので、例えば大きさの問題だとかを含めて決め過ぎると、今度は各社の技術的なノウハウとか、あるいは競争領域みたいなところに絡む可能性がありますので、どこまで規定するかというのは、議論のコンセンサスの中での結論があると思いますので、それはまだ様子を見たいと思います。
中川委員長
わかりました。
もう一点、少し聞き漏らしたのですけれども、所有者情報の収集の状況のところなのですが、どの範囲の所有者を念頭に置かれているのですか。商業施設とか、ある程度大きな電動シャッターに限るのか。それともおよそ電動シャッターであれば全てだと、物すごい数で多分把握し切れないと思うのですけれども、どの辺までを把握しようという御予定なのでしょうか。
経済産業省
業界のほうでは、少なくとも今回の事故調査の対象製品、いわゆる住居の車庫につけられるようなものについては、所有者情報を収集するという形で進めているところでございます。
中川委員長
では、まだ現在やっている最中ということですね。何%把握できたとか、そういうことはまだ出せない。
経済産業省
そこまではまだ。
中川委員長
ほか、いかがでしょうか。
河村委員
ホールド・ツゥ・ラン方式というのは、安全装置の付加が困難な場合には、やはり安全を担保するために非常に大切なものだと私たちは考えているわけですけれども、要するに、いろいろと消費者のほうにも不都合があったり、使い勝手が悪くてそれは使いたくないという気持ちが起こりやすいということはよくわかっているわけですから、やはりここは既設のものに、安全装置の付加をいかに安価で、後からとりつけやすいものを開発していって、啓発して普及させていくかということだと思いますので、ぜひそこに力を入れていただきたいと思います。
経済産業省
引き続きメーカーのほうには、今、委員からの御指摘がございましたので、後づけの負荷感知装置、こういった安全装置につきましては、なるべく価格が下がるようなものの開発、普及というものに尽力していただくように、こちらのほうもあわせて要請するようにいたします。
中川委員長
ほか、いかがでしょうか。
持丸委員、お願いします。
持丸委員
持丸です。
コメントでして、先ほど水流先生からもありましたけれども、やはりJISは一つの大きなアクションになると思うのですね。それは先ほど消費者庁からありました、メディアが取り上げるチャンスであるというのが一つと、確かに任意規格なのですけれども、先ほども話がありましたように、結局民事で負ける。つまり、それを導入しなくて事故が起きたときに民事では負ける可能性が高くて、そういうことをやりますと、実態として商業向けにはかなりのインパクトがあると、私は標準をやっていてそう理解しています。
ぜひとも推進をよろしくお願いいたします。
中川委員長
ほかはいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。それでは、質疑は以上といたします。
両省庁におかれましては、本日の議論を踏まえ、引き続き取り組みを進めていただきますようお願いいたします。
経済産業省及び消費者庁からのヒアリングは以上となります。本日は、御出席、どうもありがとうございました。
また、この会議の公開はここまでとなります。記者の方、カメラの方、傍聴に来られた方々におかれましては、御退出いただきますようよろしくお願いいたします。