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食品添加物「アカネ色素」及びこれを含む食品の取り扱いについて

平成16年6月18日

食品添加物「アカネ色素」に係る食品安全委員会への食品健康影響評価依頼について

  • 本日、厚生労働省は、国立医薬品食品衛生研究所(以下「国衛研」という。)から、食品添加物であるアカネ色素について実施しているねずみ(ラット)を用いた発がん性試験等において、未だ全ての試験結果は得られていないものの、腎臓に対し発がん性が認められたとの中間報告を受けました。
  • これを受け、これまでの試験結果と合わせ、厚生労働大臣は食品安全委員会委員長に対し、食品安全基本法第24条第1項第11号の規定に基づき、アカネ色素に係る食品健康影響評価を依頼しました。
  • 食品安全委員会による食品健康影響評価の結果、「人の健康を損なうおそれがある」旨の評価がなされた場合、厚生労働大臣は、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いた上で、既存添加物名簿からアカネ色素を消除し、その使用等を禁止することになります(食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律(平成15年)附則第2条の2第1項)。
  • 現時点でアカネ色素及びこれを含む食品によるヒトの健康被害は報告されておらず、今回の評価依頼は動物試験結果に基づくものですが、国衛研の報告等の安全性試験の結果にかんがみ、厚生労働省は、食品安全委員会及び薬事・食品衛生審議会の検討が終了するまでの間、一時的に、アカネ色素の製造・販売・摂取等の各段階における注意事項を次のとおり示したところですので情報提供いたします。
    1. (1)営業者に求める事項
      • アカネ色素の製造・販売・輸入等の自粛
      • アカネ色素を使用した食品の製造・販売・輸入等の自粛
    2. (2)一般消費者に求める事項
      • アカネ色素を使用した食品の摂取を控えること
  • これらの注意事項については、地方公共団体及び関係事業者・消費者団体に対し通知したほか、厚生労働省のHPにQ&Aを掲載したことを申し添えます。
  • アカネ色素を使用した食品の表示欄には、「着色料(アカネ)」や「アカネ色素」など、添加物としてアカネ色素を使用した旨の表示が義務づけられている。一般消費者は、これをもとに使用の有無を判断することができる。

参考

「アカネ色素」等について

  1. (1)アカネ色素の特徴について
    • アカネ科の植物であるセイヨウアカネの根から得られる。
    • アリザリン及びルベリトリン酸を主成分とする色素であり、黄色~赤紫色を呈する。
  2. (2)アカネ色素の流通実態等について
    • 生産量は、平成14年度に約5トン、平成15年度に約3トンと報告有。
    • アカネ色素を使用した食品の国内生産量については、数値を把握していない。
    • アカネ色素を使用した食品の輸入は、平成14年に約40トン、平成15年に約23トン(アカネ色素そのものの輸入報告はない)。
    • 韓国においては使用が認められているが、米国及びEUにおいて使用は認められていない。その他の国の情報は、把握していない。
    • ハム・ソーセージ等の畜肉加工品、かまぼこ等の水産加工品、菓子類、清涼飲料水、めん類及びジャム等に使用されているとの報告がある。
  3. (3)食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律附則第2条の2について
    • 既存添加物名簿に登載された天然添加物(以下「既存添加物」という。)は、平成7年の食品衛生法改正により、食品衛生法第10条に基づく指定を受けなくとも引き続き使用等することが可能とされた。
    • 平成15年の食品衛生法改正により、人の健康を損なうおそれがあると認められた既存添加物について、食品安全委員会及び薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、同名簿からその名称を消除し、使用等を禁止することができることとされた。

「アカネ色素」に関するQ&A

Q1 アカネ色素とはどのような食品に使用されていますか。
A

アカネ科のセイヨウアカネ(Rubia tinctorum LINNE)という植物の根から抽出して得られた着色料であり、黄~赤紫色を呈するとされています。

アカネ色素の生産量は、平成14年度に約5トン、平成15年度に約3トンであったと報告されています。また、アカネ色素を使用した食品の国内生産量は把握しておりません。一方、アカネ色素としての輸入の報告はありませんが、アカネ色素を使用した食品の輸入は平成14年に約40トン、平成15年に約23トンです。

主な使用対象食品は、ハム・ソーセージ等の畜肉加工品、かまぼこ等の水産加工品、菓子類、清涼飲料水、めん類及びジャム等に使用されていると報告されております。

韓国においては使用が認められておりますが、米国及びEUにおいては使用が認められていません。その他の国の情報は把握していません。

なお、アカネ色素を使用した食品の表示欄には、「着色料(アカネ)」や「アカネ色素」など、添加物としてアカネ色素を使用した旨の表示が義務づけられております。一般消費者は、これをもとに使用の有無を判断することができます。

Q2 食品中の残留農薬等はどのように検査されている?
A

ねずみ(ラット)を用いて試験したところ、腎臓の尿細管という部分に悪性腫瘍の発生が認められました。また、これまでの安全性試験の結果からみると、遺伝子に直接作用して発がん性を示している可能性が示唆されております。このようなことから、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼したところです。

現時点でアカネ色素及びこれを含む食品による人の健康被害は報告されておらず、今回の評価依頼は動物試験の結果に基づくものですが、食品安全委員会及び薬事・食品衛生審議会の検討が終了するまでの間、営業者に対し、一時的に製造、販売等の自粛をお願いしているところです。更に、一般消費者に対しても、既に購入された食品の摂食を控えるようお知らせしています。

Q3 アカネ色素は使用禁止になったのですか。
A

本年6月18日、アカネ色素の安全性について、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼したところです。

厚生労働省としては、食品安全委員会の回答がなされた後に、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いた上で、必要に応じ既存添加物名簿を改正し、アカネ色素の製造、使用等を禁止することになります。

Q4 日本と海外の農薬の残留基準値が異なるのはなぜですか?
A

アカネ色素を使用した食品の表示欄には、「着色料(アカネ)」や「アカネ色素」など、添加物としてアカネ色素を使用した旨の表示が義務づけられておりますので、そのような食品の摂食は、食品安全委員会及び薬事・食品衛生審議会の検討が終了するまでの間、お控え下さい。

なお、現時点でアカネ色素及びこれを含む食品による人の健康被害は報告されておらず、今回の評価依頼は動物試験の結果に基づくものであり、ヒトの健康危害を未然に防ごうとするものです。

担当:食品衛生基準審査課