食用赤色3号のQ&A
2025年2月20日 更新
※新たに情報を得た場合には、必要に応じ、適宜情報を更新いたします
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Q4
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Q8
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Q9
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Q10
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Q11
- Q1 食用赤色3号はどのような添加物ですか。
- A
食用赤色3号は、赤色の着色料の1つです。
日本では昭和23年(1948年)から食品添加物として指定されています。
また、国際的には、FAO/WHO食品添加物専門家会議(JECFA)による評価では、ヒトが一生涯毎日摂取しても健康への悪影響がないとされる1日あたりの摂取量(ADI:一日摂取許容量)は0~0.1mg/kg体重/日とされ、通常の使用による摂取においては安全性上の懸念はないとされています。 - Q2 食用赤色3号はどのような食品に使用されていますか。
- A
食用赤色3号は、お菓子、漬物、かまぼこなどの食品の一部に使用されています。 また、国際的には、コーデックス規格(GSFA(CXS 192-1995):食品添加物に関する一般規格)において砂糖漬けの果実やソース、食肉製品、ガム、発酵野菜(漬物)などに使用が許可されています。
- Q3 米国で食品への使用が禁止されたのですか。また、その理由は何ですか。
- A
2025年1月15日、米国FDAより、食品添加物「食用赤色3号」の食品への使用許可を取り消す旨の決定が行われたことが公表されました。この決定は、雄ラットの試験において発がん性が認められた報告があったことから、デラニー条項(※)に基づく法的な措置として行われたとされています。米国における食用赤色3号が使用された食品の切り替えについては、2027年1月15日まで経過措置期間が設けられています。 また、FDAは、この雄ラットにおける発がん性の発生機序はラット特有のものであり、ヒトでは発生しないこと、他の動物やヒトの試験では同様の事象は見られておらず、食用赤色3号の使用がヒトの健康に影響を及ぼすという主張は科学的に裏付けされたものではないことを申し添えています。
- ※デラニー条項
米国連邦食品医薬品化粧品法(The United States Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)に1958年に追加された条項で、「動物やヒトにがんを引き起こすと考えられる物質は食品添加物として使用できない」とされている。
- ※デラニー条項
- Q4 日本でも食用赤色3号は禁止されるのですか。
- A
消費者庁では、米国における決定の内容を精査し、米国以外の諸外国における動向なども踏まえ、科学的な見地から食用赤色3号の食品添加物としての使用について検討していく予定です。
- Q5 食用赤色3号が使用された食品は毎日食べても大丈夫ですか。
- A
食品添加物では一般に、許容一日摂取量(ADI:人が毎日一生涯摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量)が定められており、食用赤色3号はJECFAにおいて0~0.1mg/kg体重/日と設定されています。
令和5年度の厚生労働省(現:消費者庁)の調査において、一般的な食生活の日本人が1日あたりに摂取する食用赤色3号の量はADIの0.048%と大きく下回っていることから、摂取量はかなり少ないことが分かっています。 - Q6 食用赤色3号が使用されている食品かどうかはどのようにして分かりますか。
- A
食用赤色3号が使用されている食品については、添加物として「着色料(赤3)」や「赤色3号」といった表示がされます。
- Q7 食用赤色3号は日本以外でも食品に使えるのでしょうか。
- A
国際的には、コーデックス規格(GSFA(CXS 192-1995):食品添加物に関する一般規格)において砂糖漬けの果実やソース、食肉製品、ガム、発酵野菜(漬物)などに使用が許可されています。
国・地域ごとでは、欧州では缶詰又は瓶詰めの果実又は野菜への使用、カナダではりんごジャム等、パイナップルマーマレード、魚介加工品等、オレンジジュース、香料等、アイスクリーム等の食品への使用が許可されています。 - Q8 他の着色料は米国で禁止されないのですか。
- A
今回の米国FDAの公表の中では、食用赤色3号以外の他の着色料については言及されていません。
- Q9 現時点での食用赤色3号の安全性に関する消費者庁の見解を教えてください。
- A
2025年2月18日に開催した食品衛生基準審議会添加物部会におけるとりまとめを踏まえ、食用赤色3号については、食品添加物としての通常の使用の範囲内では安全性上の懸念はないと考えております。
- Q10 米国が食用赤色3号の使用を取り消す判断の根拠となった論文で認められたラットにおける発がんについて、ラットとヒトとの間で発生機序はどのように違うのですか。
- A
食用(しょくよう)赤色(あかいろ)3号は、ラットの甲状腺ホルモンの活性型への変換を阻害する作用があることが報告されています。この変換が阻害されると、下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌が増加し、長期的に甲状腺が刺激され、発がんにつながるという機序が考えられます。 食用赤色3号による甲状腺ホルモンへの作用までは、人の体内でも起こる可能性はあるものの、甲状腺ホルモンの血液中の状態などはラットとヒトで種差があることが知られているため、ラットでみられた発がんをそのままヒトに当てはめることはできません。
- Q11 米国が食用赤色3号の使用を取り消す判断の根拠となった論文におけるラットへの投与量と、実際に人が摂取する量はどの程度違うのですか。
- A
ラットで甲状腺での発がんがみられたのは、2,464 mg/kg体重/日相当の食用赤色3号を投与した場合であり、これは、国内におけるヒト1人当たり摂取量の推定値(※)のうち最も高い推定値の400万倍以上に相当し、動物試験のように高用量で人が食用赤色3号を摂取する可能性は想定されません。
※国内におけるマーケットバスケット方式による推定一日摂取量調査や生産量調査による推計値のうち、一番大きい推計値は0.00058 mg/kg体重/日相当(0.032 mg/人/日)とされている。(雄ラットに投与された量を体重55 kgのヒトにあてはめると、毎日135.5 gを摂取することに相当する)
担当:食品衛生基準審査課