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第2部 第2章 第5節 3.消費生活のグローバル化の進展に対応した消費者利益の擁護・増進

第2部 消費者政策の実施の状況

第2章 消費者政策の実施の状況の詳細

第5節 消費者の被害救済、利益保護の枠組みの整備

3.消費生活のグローバル化の進展に対応した消費者利益の擁護・増進

(1)越境消費者トラブルへの対応の強化

情報化や国際化の進展に伴い、消費者がインターネットを通じて気軽に海外事業者と取引できるようになった反面、こうした国境を越えた取引(越境取引)に関連する消費者問題も増加し、更に多様化・複雑化しています。

こうした問題に対応するため、消費者庁は、2011年に、越境取引に関する消費者相談窓口を開設し、2015年から「国民生活センター越境消費者センター(CCJ)」として国民生活センターが事業を行っています。

国民生活センター越境消費者センターでは、2015年6月から越境消費者相談の受付を開始しました。2019年度(2020年3月末時点)は6,018件の相談を受け付け、消費者に対して内容に応じた助言や情報提供を行っています。

また、海外の消費者相談機関との更なる連携強化・拡大を進め、2017年度には2機関(台湾(注101)、南米及びスペイン(注102))、2018年度は1機関(香港(注103))、2019年度は2機関(ラトビア(注104)及びエストニア(注105))と正式提携しました。この結果、CCJと連携する海外消費者相談機関は計15機関、これらの機関が担当する国・地域は26となっています。さらに、2019年11月にはデンマーク及びギリシャ、2020年1月にはインドネシアの消費者機関と連携の在り方等に関する意見交換を実施しました。

(2)在留外国人の相談に対する体制の強化

消費者庁では、在留外国人の対応を含む消費生活相談体制の強化に向けた地方公共団体の取組を支援するために「地方消費者行政強化交付金」を交付しました。2019年4月時点では27都道府県、305市区町村等において通訳の活用等の体制整備が図られました。

また、国民生活センターにおいて、訪日外国人が日本滞在中に消費者トラブルに遭った際の電話相談窓口を2018年12月に開設しました。

(3)二国間・地域間における政策対話・協力等の実施

消費者庁では、消費者問題に関する二国間・地域間の情報共有や連携の強化を図っています。

2019年9月、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)がEU、ドイツ、エストニア及びサウジアラビアと会談し、今後の連携強化に向けた意見交換を行いました。

2019年12月には、第8回日中韓消費者政策協議会に参加し、各国の消費者政策・問題の動向、越境取引における消費者紛争の解決、消費者教育の推進、電子商取引における消費者の権利と関心の保護等について、情報共有や意見交換を行いました。加えて、2019年度は、モンゴル国公平競争・消費者庁の設立15周年ワークショップ、アジア消費者政策フォーラム第7回会合に出席し、消費者行政の現状や課題について情報共有及び意見交換を行いました。

(4)多国間協力の実施

消費者庁及び外務省は、2019年4月にOECD消費者政策委員会(CCP(注106))第97回本会合、同年10月に第98回本会合、2019年4月にOECD製品安全作業部会第18回本会合、同年10月に第19回本会合に参加しました。これらの会合では、オンラインの口コミ、消費者政策・被害の計測、越境執行協力強化の法的イニシアチブ、対価を伴わない取引から生じる被害の救済、製品リコールの効率性向上、製品安全の強化におけるオンライン・プラットフォームの役割等のテーマについて議論が行われました。

2019年7月には、UNCTAD消費者保護法及び政策に関する政府間専門家会議第4回会合に出席しました。国連消費者保護ガイドラインの各国の履行状況報告、消費者保護マップの最新状況等について報告が行われるとともに、持続可能な消費に関するラウンドテーブルが開催され、日本からもエシカル消費や消費者志向経営に関する取組を紹介しました。

また、2019年9月には、G20大阪サミットのサイドイベントとして「G20消費者政策国際会合」を開催しました。日本も含めて38か国・機関が参加し、デジタル化の急速な進展に伴う新たな消費者問題への対処やSDGs(持続可能な開発目標)の推進等、各国に共通する政策課題について活発な議論が交わされました。

さらに、2020年1月には、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)がOECD事務総長と会談し、消費者政策に関する今後の協力関係を強化することを確認しました。

加えて、2019年度は、OECD・ASEAN合同ワークショップに出席し、消費者行政の現状や課題について情報共有及び意見交換を行いました。

(5)海外消費者関係法執行機関との連携

消費者庁は、2019年9月に、ICPEN(注107)本会合に参加しました。同会合では「デジタル時代における消費者保護」をテーマに、インターネットを通じて行う観光産業、インフルエンサーが引き起こす諸問題への対応、チケット不正転売、消費者教育等について議論が行われました。また、同年5月に、同機関が推奨する「詐欺防止月間」及び加盟国が同じテーマで一斉にインターネットを監視する「インターネット・スウィープ」を実施しました。


  • 注101:台湾消費者文教基金会(Consumers'Foundation, Chinese Taipei)
  • 注102:ODRLA(ODR Latinoamerica)
  • 注103:香港消費者委員会(The Consumer Council of Hong Kong)
  • 注104:CRPC(Consumer Rights Protection Centre)
  • 注105:CPTRA(Consumer Protection and Technical Regulatory Authority)
  • 注106:Committee on Consumer Policy(消費者政策委員会)の略。
  • 注107:International Consumer Protection and Enforcement Network(消費者保護及び執行のための国際ネットワーク)の略。

担当:参事官(調査研究・国際担当)