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第1部 第2章 第3節 (1)プラスチックごみ問題の現状

第1部 消費者問題の動向と消費者意識・行動

第2章 【特集】つくる責任、つかう責任、減らす責任~食品ロス削減--持続可能な社会のために~

第3節 プラスチックごみ問題の解決に向けて

(1)プラスチックごみ問題の現状

プラスチックは、その機能の高度化を通じて、産業界の発展と共に社会的課題の解決に寄与してきました。例えば、食品の保存技術の高度化は、食品ロスの削減やエネルギー効率の改善等に寄与してきました。一方で、化石燃料の消費や海洋プラスチックごみ問題等の問題をはらんでいる面もあります。このことから、SDGsにおいても地球規模での資源・廃棄物規制や海洋プラスチックごみ問題への対応が求められています(注112)

日本では、年間約9,400千トンのプラスチックごみが排出されており、容器包装・コンテナーが4,260千トンを占めます。そのうち、容器包装リサイクル法に基づき回収されるものは1,040千トンとなっています(図表I-2-3-1)。

人口減少・少子高齢化の影響が諸地域において顕在化・深刻化しつつある日本で、資源生産性の高い循環型社会を構築していくためには、各地域の特性に応じて、プラスチックを含めた循環資源について考えていく必要があります。技術的・経済的に可能な範囲で環境負荷の低減を最大限考慮することで、狭い地域で循環させることが適切なものはなるべく狭い地域で循環させ、広域で循環させることが適切なものについては循環の環を広域化させるなど、各地域・各資源に応じた最適な規模で循環させることがより重要です。また、地域の再生可能資源を継続的に地域で活用していくことも重要です。

プラスチックの3R(注113)を推進するとともに、再生材や再生可能資源に適切に切り替えていくことは、プラスチック資源循環体制を構築するという観点だけでなく、プラスチックの原材料である化石燃料の使用削減にもつながります。これは、プラスチックごみによる環境汚染への対応のみならず、資源・廃棄物制約、海洋ごみ対策、地球温暖化対策等といった幅広い課題の解決に貢献します。

図表1-2-3-1日本のプラスチックマテリアルフロー(2013年)


  • 注112:目標14.海の豊かさを守ろう
  • 注113:発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利用(Recycle)。3Rは、英語表記の頭文字をとったもの。

担当:参事官(調査研究・国際担当)