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第1部 第1章 第6節 (3)消費者の意識と行動

第1部 消費者問題の動向と消費者意識・行動

第1章 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果等

第6節 消費者を取り巻く環境変化の動向

(3)消費者の意識と行動

ここでは、消費者の日常の消費生活における意識や行動、消費者トラブルの経験等について、消費者庁が実施している「消費者意識基本調査」(2019年度)(以下「消費者意識基本調査」という。)の結果からみていきます。

経済的な豊かさと生活の満足度

日常の生活における経済的な豊かさについて「消費者意識基本調査」で聞いたところ、「豊かだ」(「豊かなほうだ」+「どちらかといえば豊かなほうだ」。以下同じ。)という割合は54.2%と、「豊かではない」(「豊かでないほうだ」+「どちらかといえば豊かなほうだ」。以下同じ。)という割合(44.9%)を上回りました。

年齢層別にみると、10歳代後半は、「豊かだ」という割合が72.2%と他のいずれの年齢層よりも高くなっています。一方、その親世代と考えられる40歳代が54.9%、50歳代は50.6%という割合になっています。60歳代で51.9%と50歳代に比べてやや高くなっているものの、年齢層が上がるにつれ、「豊かだ」という割合が低下する傾向にあります(図表I-1-6-24)。 また、現在の生活にどの程度満足しているかについて聞いたところ、「満足」(「満足している」+「どちらかといえば満足している」。以下同じ。)という割合が68.4%、「不満」(「不満である」+「どちらかといえば不満である」。以下同じ。)という割合は30.8%となりました。

年齢層別にみると、10歳代後半は「満足」という割合についても82.5%と、前述の「豊かだ」と同様、他のいずれの年齢層よりも高くなっています。一方、20歳代(69.5%)から50歳代(61.9%)までは年齢層が上がるにつれて、「満足」という割合は低くなっています。ただし、60歳代以上で高くなっており、70歳以上では「満足」という割合が71.6%と、10歳代後半に次いで高い結果となっています(図表I-1-6-25)。

消費者を取り巻く状況

次に、「消費者意識基本調査」から、自身を取り巻く消費生活に関する状況をどのように受け止めて評価しているかみていきます。

「当てはまる」(「かなり当てはまる」+「ある程度当てはまる」。以下同じ。)という肯定的な回答の割合は、「事業者間で価格やサービスの競争が行われている」が70.5%、「流通している食品は安全・安心である」が65.0%、「流通している商品(食品以外)や提供されているサービスは安全・安心である」が60.5%となっています。

一方、「商品等の表示・広告の内容は信用できる」という割合は38.0%、「悪質・詐欺的な販売行為等を心配せず安全に商品・サービスを購入・利用できる」という割合は37.0%、「行政から消費者への情報提供や啓発が十分になされている」という割合は23.3%と、低調となっています。

事業者間における価格やサービスの競争、食品を始めとする商品・サービスの安全性については、6割以上の消費者が肯定的な評価をしています。しかし、いずれの項目についても否定的な評価(「ほとんど・全く当てはまらない」+「あまり当てはまらない」。)をする消費者が一定数存在していることにも留意が必要です。なお、商品・サービスの取引や表示・広告の適正性については、安全性に関する項目に比べて、相対的に消費者の評価が低い水準となっています。

さらに、行政からの消費者への情報提供や啓発の面では、肯定的な評価が2割強にとどまるとともに、否定的な評価が肯定的な評価を上回っており、消費者政策に関する効果的な周知広報の在り方や、消費者とのコミュニケーションの強化も課題となっていると考えられます(図表I-1-6-26)。

消費者として心掛けている行動について

消費者として心掛けている行動については、「表示や説明を十分確認し、その内容を理解した上で商品やサービスを選択する」ことを「心掛けている」(「かなり心掛けている」+「ある程度心掛けている」。以下同じ。)という割合が76.1%、「個人情報の管理について理解し、適切な行動をとる」ことに対して「心掛けている」という割合が65.3%と、高水準となりました。

また、「環境に配慮した商品やサービスを選択する」ことに対して「心掛けている」という割合は56.9%となっており、環境保護に対する消費者の関心が比較的高いことがうかがえます。 一方、「トラブルに備えて、対処方法をあらかじめ準備・確認しておく」ことに対して「心掛けている」という割合は36.2%にとどまっています。日常生活において消費者トラブル等に巻き込まれる可能性があることを踏まえて、消費者トラブルへの意識や備えを更に向上させていく必要があると考えられます(図表I-1-6-27)。

注意すべき情報の入手先と信頼度

本章第3節・第4節でみたように、2019年に全国の消費生活センター等に寄せられる消費生活相談は、2018年に比べて減少したとはいえ、様々な商法・手口による消費者トラブルが後を絶ちません。

「消費者意識基本調査」で「暮らしの中で注意すべき情報(詐欺や悪質商法、製品の安全性に関するものなど)を、どこから(何から)入手又は見聞き」しているか聞いたところ、「テレビ・ラジオ」と回答した人の割合が91.4%と最も高く、次いで「家族や友人などから得られる情報」が70.3%等となっています。なお、「テレビ・ラジオ」、「家族や友人などから得られる情報」を注意すべき情報の入手先として回答した人の割合は、全ての年齢層で高くなっています。

また、注意すべき情報の入手先を「新聞・雑誌・書籍」と回答した人の割合は、60歳代以上で約75%と相対的に高く、20歳代以下で約35%と相対的に低くなっています。他方、「インターネットサイト」と回答した人の割合は、40歳代以下の全年齢層で70%以上と相対的に高く、70歳以上では16.1%と低くなっています。

さらに、「携帯電話・スマートフォンに入ってくるお知らせやニュースアプリの情報」と回答した人の割合は、40歳代以下の全年齢層で60%以上と相対的に高く、60歳代は36.4%、70歳以上は15.2%と低くなっています。「SNSの情報」と回答した人の割合は、20歳代以下で60%前後と相対的に高く、60歳代は6.1%、70歳以上は3.0%と低くなっています(図表I-1-6-28)。

これら注意すべき情報の入手先の中で最も信頼しているものを聞いたところ、多い順に「テレビ・ラジオ」(44.0%)、「新聞・雑誌・書籍」(15.1%)、「家族や友人などから得られる情報」(10.2%)、「インターネットサイト」(8.3%)等となりました(図表I-1-6-29)。

注意すべき情報の入手先及び入手先として最も信頼しているものは、共にマスメディアといわれる「テレビ・ラジオ」、「新聞・雑誌・書籍」と回答した人の割合が高くなっています。とりわけ、最も信頼している媒体として、「テレビ・ラジオ」が全体の約半分の割合を占めています。また、「行政や企業のオフィシャルサイト」と回答した人の割合は、情報の入手先としては15.4%、最も信頼しているものとしては3.1%という結果でした。

消費生活センター等に期待する役割として、知っていること

各地方公共団体の消費者行政部局や消費生活センター等(以下「消費生活センター等」という。)が果たすことが期待されている役割として知っていることについて聞いたところ、「電話や面談による消費生活相談等の実施」と回答した人の割合が68.2%と最も高い結果となりました(図表I-1-6-30)。次いで「悪質な事業者等に対する法執行の実施」が35.3%となっており、消費生活相談等以外の役割に関する認知度が低いことがうかがえます。

また、消費生活センター等が果たすことが期待されている役割のうち、重要だと思うものを聞いたところ、「電話や面談による消費生活相談等の実施」、「悪質な事業者等に対する法執行の実施」と回答した人の割合がいずれも59.2%、次いで「対応困難な事案の解決に向けた消費者と事業者間のあっせんの実施」の42.2%となりました。

担当:参事官(調査研究・国際担当)