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近年、持続可能な社会の形成に向けて、地球規模の様々な問題が社会的課題となっています。世界では、地球温暖化や海・陸の環境汚染、資源・エネルギーの不足、さらに途上国の貧困や児童労働等、様々な社会的課題を抱えており、2015年に国際連合で持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals(SDGs))が採択されたところです。

2020年3月、政府は、今後の消費者行政の在り方を示す、第4期消費者基本計画を策定しました。同計画では、食品ロスの削減や海洋プラスチックごみの削減等、持続可能な社会の実現に向けて、消費者、事業者、行政等の社会を構成する各主体が、共通の目的を持って「協働」していくことが必要であることが示されており、消費者行政においても持続可能な社会の実現が新たな潮流となっているといえます。

そこで、今回の消費者白書では、特集テーマを「つくる責任、つかう責任、減らす責任~食品ロス削減−持続可能な社会のために~」とし、協働の取組を考える上で参考となる具体的な分野として、食品ロス問題やプラスチックごみ問題を取り上げました。それぞれの問題の解決に資する、関係者間の連携、協働の取組を紹介するとともに、エシカル消費(倫理的消費)と消費者志向経営の一体的推進等、「協働」をキーワードとした消費者行政の在り方を示しています。

食品ロスは、生産から消費に至るあらゆる段階で発生します。そのため、2019年5月、食品ロス削減推進法が成立し、国民全体で食品ロスの削減に取り組んでいくこととなりました。食品ロス削減の取組は、資源問題としてのみならず、食品に関連する人々の働き方、貧困問題にも関連するなど社会問題としても重要な取組であるといえます。日本には「もったいない」の意識を始め、伝統的に食べ物を大切にする文化があり、このような文化もいかし、国民一体となって取り組んでいくことが大切です。

また、時を同じくして、2019年5月に、プラスチックの資源循環を関係主体の連携によって総合的に推進するためのプラスチック資源循環戦略が策定され、2019年6月には、G20大阪サミット首脳宣言の中で、共通の世界のビジョンとして、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。プラスチックはその機能性から多くの産業の発展に寄与してきましたが、今後は、社会全体でプラスチックごみを削減し、効率的な資源循環を実現していくことが求められます。

特集以外では、消費者安全法の規定に基づく「消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめの結果」の報告及び消費者基本法の規定に基づく「消費者政策の実施の状況」の報告を行っています。

第1部第1章では、年次報告として、消費者安全法の規定に基づいて消費者庁に通知された消費者事故等を始めとした事故情報等や、全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談に基づく消費者被害・トラブルの状況、消費者被害・トラブル額の推計について示しています。また、家計や物価、社会経済情勢の動きと消費生活、さらに消費者庁が実施した「消費者意識基本調査」で明らかになった消費者の意識・行動について取り上げています。

第2部では、近年の消費者庁の主な施策と、政府が実施してきた2019年度の消費者政策の実施状況の詳細について、消費者基本計画に規定された項目に沿って、消費者行政の各分野の取組をまとめています。このような政策の実施状況を取りまとめることにより、本報告は、消費者基本計画の実施状況の検証・評価(フォローアップ)としての機能も兼ねています。

また、資料編として、消費者事故等の状況、消費者庁が行った法執行・各種情報提供についても掲載しています。

担当:参事官(調査研究・国際担当)