指針に関するQ&A
ここでは、事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針に関するQ&Aを掲載しております。
景品表示法第26条第1項に規定する必要な措置を講じる際の参考にしてください。
必要な措置が求められる事業者
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Q1
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Q2
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Q3
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Q4
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Q5
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Q6
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Q7
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Q8
事業者が講ずべき措置の規模や業態等による相違
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Q9
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Q10
必要な措置
正当な理由
事業者が講ずべき表示等の管理上の措置の内容
景品表示法の考え方の周知・啓発
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Q14
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Q15
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Q16
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Q17
法令遵守の方針等の明確化
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Q18
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Q19
表示等に関する情報の確認
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Q20
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Q21
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Q22
表示等に関する情報の共有
表示等を管理するための担当者等を定めること
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Q25
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Q26
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Q27
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Q28
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Q29
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Q30
表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を採ること
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Q31
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Q32
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Q33
不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応
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Q34
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Q35
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Q36
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Q37
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Q38
別添
運用
回答
- Q1 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(以下「本指針」といいます。)第2の1における「必要な措置が求められる事業者」の範囲を教えてください。例えば、学校法人、非営利団体、地方公共団体も「必要な措置が求められる事業者」に含まれますか。
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A
本指針における「事業者」とは、景品表示法第2条第1項に規定する「事業者」と同様であり、「商業、工業、金融業その他の事業を行う者」をいいます。したがって、景品類の提供若しくは自己の供給する商品又は役務の取引について一般消費者向けの表示を行う学校法人、非営利団体、地方公共団体等も「必要な措置が求められる事業者」に含まれます。
- Q2 個人事業主も必要な措置を講じることが求められますか。
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A
本指針における「事業者」とは、Q1のAのとおり、景品表示法第2条第1項に規定する「事業者」と同様です。したがって、景品類の提供若しくは自己の供給する商品又は役務について一般消費者向けの表示を行う個人事業主も必要な措置を講じることが求められます。
- Q3 一般消費者に供給する製品で使われる部品等を当該製品の製造業者に供給している事業者であっても、必要な措置を講じることが求められますか。
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A
一般消費者に供給する製品等を当該製品の製造業者に単に供給するのみで、景品類の提供若しくは自己の供給する商品又は役務について一般消費者向けの表示を行っていない事業者については、必要な措置を講じることが求められるものではありません。
もっとも、当該事業者が当該製品の製造業者に対して表示を行う場合において、その表示が一般消費者の目にも触れ、直接的に一般消費者に誤認を生じさせ得るときや、当該部品が当該製品の部品として用いられていることが当該製品を購入する一般消費者に明らかであって当該製品の表示の作成に関与しているようなときには、当該事業者も一般消費者向けの表示を行っているものとして、必要な措置を講じることが求められます。
- Q4 当社では、一般消費者向けの表示や一般消費者に対する景品類の提供は行っていませんが、営業活動の一環として、取引先の事業者に対して「景品類」を提供することがあります。当社も本指針第2の1の「必要な措置が求められる事業者」に含まれますか。
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A
景品表示法の景品規制の対象となる景品類の提供を行う場合には、当該事業者は「必要な措置が求められる事業者」に該当します。
取引に付随してくじなどの方法により物品等を提供する場合は、提供の相手方が事業者であっても一般消費者であっても、懸賞による景品類の提供として、景品規制の対象となります。他方、懸賞によらず景品類を提供する場合は、一般消費者向けに提供するものは総付景品として景品規制の対象となりますが、事業者向けに提供するものは、医療用医薬品業、医療機器業及び衛生検査所業における景品類の提供に関する事項の制限(平成9年8月11日公正取引委員会告示第54号)に定めるものを除き、景品規制の対象となりません。
- Q5 本指針第2の1の「広告媒体事業者等」とは、どのような事業者を指しますか。
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A
マスメディア(新聞社、出版社、放送局等)、広告制作会社、デザイナー、広告代理店、モール運営事業者等の広告媒体を発行する事業者です。
- Q6 本指針第2の1では、「広告媒体事業者等」であっても景品表示法第26条第1項の規定に基づく必要な措置を講じることが求められる場合があるとされていますが、広告媒体事業者等は景品表示法違反に問われることはないと認識していました。本指針により広告媒体事業者等に関する景品表示法の考え方を変更したのですか。
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A
本指針により広告媒体事業者等に関する景品表示法の考え方を変更したものではありません。
広告媒体事業者等は、商品・役務に関する表示等の制作等に関与していても、自己の商品又は役務を供給する者でない限り、景品表示法の適用を受けることにはなりません。しかし、広告媒体事業者等であっても、例えば、商品又は役務を一般消費者に供給している他の事業者と共同して商品又は役務を一般消費者に供給し、当該商品又は役務について一般消費者向けの表示を行っていると認められる場合は、景品表示法の適用を受けることとなり、必要な措置を講じることが求められることから、本指針においてその旨を明らかにしました。
- Q7 本指針第2の1では、「当該事業者が、商品又は役務を一般消費者に供給している他の事業者と共同して商品又は役務を一般消費者に供給していると認められる場合」には、広告媒体事業者等であっても景品表示法の適用を受けることとなるとされていますが、どのような場合に「他の事業者と共同して商品又は役務を一般消費者に供給している」と認められるのですか。例えば、モール運営事業者は、具体的にどのような場合に必要な措置を講じることが求められますか。
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A
例えば、モール運営事業者と出店事業者が共同キャンペーンを行うなど、商品等の販売を共同して行い、共同で広告を行っている場合などが考えられます。
- Q8 本指針第2の1では、他の事業者と共同して商品又は役務を一般消費者に供給していると認められる場合には広告媒体事業者等も景品表示法第26条第1項の規定に基づく必要な措置を講じることが求められるとのことですが、現時点において他の事業者と共同して商品又は役務を一般消費者に供給していない場合、いつの時点で必要な措置を講じる必要がありますか。例えば、他の事業者と共同して商品又は役務を一般消費者に供給することが判明した時点で措置を講じることとしても問題ないですか。
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A
必要な措置を講じることが求められる事業者とは、景品類の提供若しくは自己の供給する商品又は役務について一般消費者向けの表示を行う事業者です。したがって、遅くとも表示等を行うこととなった時点までに必要な措置が講じられていれば問題ありません。
なお、広告媒体事業者等は、通常、景品表示法の表示規制の対象とはなりませんが、新聞社や放送局が当該媒体において掲載・放送される広告に対する一般消費者の信頼を確保するため、長年にわたり広告審査を行っているように、広告・表示の適正化に向けた取組を一層積極的に行うことが期待されます。
- Q9 本指針第2の2では、「各事業者は、その規模や業態、取り扱う商品又は役務の内容等に応じて、不当表示等を未然に防止するために必要な措置を講じることとなる。」とされていますが、「業態」によって講じるべき措置の内容が具体的にどのように異なるのか教えてください。
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A
同じ商品を取り扱う事業者であっても、店舗で販売する事業者であるか、通信販売を行う事業者であるかなどの「業態」の相違により、講ずべき措置の内容は異なります。例えば、表示等に関する事項を適正に管理する表示等管理担当者については、複数の店舗で販売する事業者であれば、店舗ごとに設置することが想定されますが、通信販売を行う事業者であれば、ウェブサイト等の表示作成部門等に設置することが想定されます。
- Q10 本指針第2の2では、「小規模企業者やその他の中小企業者においては、その規模や業態等に応じて、不当表示等を未然に防止するために十分な措置を講じていれば、必ずしも大企業と同等の措置が求められる訳ではない」とされていますが、「小規模企業者」に該当する場合、「中小企業者」に該当する場合又は「大企業」に該当する場合では、それぞれ講ずべき措置の内容が、どのように異なるのでしょうか。
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A
本指針における「小規模企業者」、「中小企業者」及び「大企業」の各用語は、それぞれ規模の大小の方向性を示しているものに過ぎず、事業者がそのいずれに分類されるかによって、講ずべき措置の内容が厳密に異なるものではありません。事業者においては、自社の規模、業態、取り扱う商品又は役務の内容等に応じて、必要かつ適切な範囲で必要な措置を講じることとなります。
- Q11 本指針第3の1では、「商品又は役務の提供について実際のもの又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると示す表示等に当たらないかどうかを確認する」とされています。他方、景品表示法第26条第1項の規定においては、「商品又は役務の品質、規格その他の内容に係る表示に関する事項を適切に管理する」ために必要な措置を講じることが求められているのみで、景品表示法第5条第2号に定める取引条件等に関する事項を適切に管理することは求められていないように思いますが、価格等の取引条件に関する事項についても、必要な措置を講じることが求められるのでしょうか。
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A
景品表示法第26条第1項に基づいて事業者が講ずべき措置は、景品類の提供又は表示により不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害することを防止するために必要な体制の整備その他の必要な措置であり、これは優良誤認表示のみならず、有利誤認表示や指定告示事項等、景品表示法で規制される事項全般を対象とするものです。このため、価格等の取引条件に関する事項についても、表示に関する情報の確認等の必要な措置を講じることが求められます。
- Q12 景品表示法第28条第1項に規定する「正当な理由」がある場合とは、具体的にはどのような場合を指すのですか。
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A
正当な理由がある場合とは、例えば、事業者が表示等の管理上の措置として表示等の根拠となる資料を保管していたにもかかわらず、災害等の不可抗力によってそれらが失われた場合などが考えられます。
- Q13 景品表示法第26条第1項の規定に基づき必要な措置を講じることが事業者に義務付けられていますが、本指針の第4の1から7までに示す事項に沿うような具体的な措置を全て講じる必要がありますか。
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A
事業者は、その規模や業態、取り扱う商品又は役務の内容等に応じ、必要かつ適切な範囲で、本指針第4の1から7までに示す事項に沿うような具体的な措置を講ずる必要があります。ただし、本指針第4の7については、不当表示等が明らかになった場合において講ずべき措置を示すものですので、そのような場合に具体的な措置を講じれば問題となりません。
なお、本指針第4の柱書のとおり、本指針で例示されているもの以外にも不当表示等を防止する措置は存在しますので、事業者がそれぞれの業務内容や社内体制に応じて必要と考える措置を講じることが重要です。
- Q14 本指針第4の1では、関係従業員等に景品表示法の考え方の周知・啓発を行うこととされていますが、関係従業員等に対して一律の内容で周知・啓発を行わなければならないのでしょうか。
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A
関係従業員等に対して景品表示法の考え方を一律の内容で周知・啓発を行うことまで求められるものではありません。関係従業員等の職務や表示等への関与の程度に応じて、不当表示等の防止の観点から、必要な周知・啓発を行うことが求められます。
例えば、表示等の決定に関与する者に対しては、当該表示等が景品表示法上問題となり得るか否かを判断できる程度の知識を周知・啓発する必要がある場合があると考えられます。他方、マニュアル等に沿って一般消費者に商品の説明のみを行う従業員に対しては、販売マニュアル等を通じて景品表示法の考え方に則した適切な商品説明の方法等を周知することで足りると考えられます。
- Q15 本指針第4の1では、「景品表示法の考え方の周知・啓発」を行うことが求められていますが、景品表示法に関する告示や運用基準、ガイドライン等についても周知・啓発を行う必要がありますか。
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A
例えば、表示等の決定に関与する者に対しては、当該表示等が景品表示法上問題となり得るか否か判断できる程度の知識を周知・啓発する必要があり、景品表示法に関する告示や運用基準、ガイドライン等についても周知・啓発を行う必要がある場合があります。もっとも、景品表示法の考え方の周知・啓発は、必ずしも関係従業員等に対して一律に行わなければならないものではありませんので、例えば、マニュアル等に沿って一般消費者に商品の説明のみを行う従業員に対しては、景品表示法に関する告示や運用基準、ガイドライン等について周知・啓発を行わずとも、販売マニュアル等を通じて景品表示法の考え方に則した適切な商品説明の方法等を周知することで足りる場合もあると考えられます。
- Q16 本指針第4の1では、事業者が正しい表示を行うことが「最終的にはその事業者や業界全体の利益となることを十分理解する必要がある」とされていますが、その具体的な意味を教えてください。
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A
一般消費者は、製造業者や販売業者等が表示した情報等に基づいて、自らの好み、必要性や予算などを考えつつ、その商品を購入するか否かを判断します。このため、製造業者や販売業者等による表示が適切でなければ、その商品に関する正確な情報が一般消費者に伝わらず、一般消費者は自主的かつ合理的な商品選択をして、自分の好みに合った良質な商品を手頃な価格で手に入れることができなくなります。他方、製造業者や販売業者等が適正に表示を行い、一般消費者が自主的かつ合理的な商品選択ができるようになれば、一般消費者が求める良質な商品を手頃な価格で供給しようと努力している事業者の売上と利益が伸びることになります。
このように、適正な表示等を行うことは、一般消費者の利益になるだけではなく、事業者の利益を確保するためにも不可欠なものです。したがって、景品表示法を遵守することで、事業者と一般消費者は両者にとって有益な関係を構築できると考えられます。
- Q17 当社は、公正取引協議会に加入し、公正競争規約に沿った表示等を行っています。公正競争規約を関係従業員等に周知・啓発することで、景品表示法の考え方の周知・啓発として十分といえますか。
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A
加入している公正取引協議会が運用する公正競争規約を関係従業員等に対して周知・啓発していれば、通常、関係従業員等に対して景品表示法の考え方を周知・啓発していることになると考えられます。しかし、例えば、加入している公正取引協議会が運用する公正競争規約が表示規約のみである場合において、景品類を提供することがあるときは、公正競争規約の周知・啓発に加えて、景品類の提供に関する景品表示法の考え方を周知・啓発する必要があります。
- Q18 本指針第4の2では、「景品表示法を含む法令遵守の方針や法令遵守のためにとるべき手順等を明確化すること」とされていますが、事業者団体等が提示する法令遵守の方針のひな形を自社の方針として社内に周知すれば、法令遵守の方針等を明確化しているといえますか。
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A
事業者団体等が提示する法令遵守の方針のひな形が、不当表示等の防止のために適当な内容を定めるものであり、かつ、自社の規模や業態、取り扱う商品又は役務の内容等に照らして自社の方針とすることが適当と認められるものであれば、当該ひな形を自社の方針として社内に周知することで、法令遵守の方針等を明確化しているといえます。
- Q19 本指針第4の2では、「例えば、個人事業主等の小規模企業者やその他の中小企業者においては、その規模等に応じて、社内規程等を明文化しなくても法令遵守の方針等を個々の従業員(従業員を雇用していない代表者一人の事業者にあっては当該代表者)が認識することで足りることもある」とされていますが、「社内規程等を明文化しなくても法令遵守の方針等を個々の従業員が認識することで足りる」場合とは、具体的にはどのような場合ですか。また、大企業は社内規程等で必ず明文化する必要がありますか。
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A
法令遵守の方針等の明確化の方法は社内規程等を明文化することに限定されるものではありません。例えば、従業員数が比較的少ない小規模企業者やその他の中小企業者であれば、全従業員に対して法令遵守の方針等を口頭で説明するなどの方法により個々の従業員に対して法令遵守の方針等を認識させることができる場合もあると考えられます。他方、大企業は従業員数が多く、その組織も大規模かつ複雑であることが多いと考えられるため、口頭説明によって全ての従業員に対して法令遵守等の方針を認識させることは一般的に困難であると考えられます。そのような大企業においては、例えば、社内メールや社内の共有の掲示板等を活用するなどして、全ての従業員に法令遵守の方針等を認識させる方法も考えられます。いずれにせよ、不当表示等を未然に防止する観点から、各事業者に適した方法により法令遵守の方針等の明確化に努めることが重要です。
- Q20 本指針第4の3では、「表示等に関する情報の確認」が求められていますが、具体的にはどのような確認が求められるのですか。
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A
この「確認」がなされたといえるかどうかは、表示等の内容、その検証の容易性、当該事業者が払った注意の内容・方法等によって個別具体的に判断されます。例えば、小売業者が商品の内容等について積極的に表示を行う場合には、直接の仕入先に対する確認や、商品自体の表示の確認など、事業者が当然把握し得る範囲の情報を表示内容等に応じて適切に確認することが求められることが考えられます。
なお、事業者の業態等に応じて、例えば、小売業のように商品を提供する段階における情報の確認で足りる場合や、飲食業のように、提供する料理を企画する段階、その材料を調達する段階、調理する段階及び実際に提供する段階に至るまでの複数の段階における情報の確認を組み合わせて実施することが必要となる場合があります。
- Q21 当社は、家電製品の製造販売を行っています。当社の製品は何千もの部品を組み立てて製造しているため、性能に関する表示を行うに当たって、部品一つ一つの性能まで確認するとなると、相応のコストアップを免れず、事業経営上、対応が困難です。このような場合、どのような情報を確認すれば表示の根拠となる情報を確認したものと認められますか。
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A
当該製品を販売するに当たり、一般消費者向けにどのような表示を行うかによって、確認すべき情報は異なります。例えば、当該製品に使用されている部品の性能を製品カタログに記載するなど、当該部品の性能等を殊更に強調して訴求する場合には、当該部品の性能を確認する必要があります。他方、当該部品に関する情報であっても、訴求する当該製品の性質等とは特段の関係がない場合(当該部品の型番等)や、事業者が当該製品に係る表示において当該部品の性能等を特段訴求しない場合などには、当該部品の性能に関する情報を確認しないことをもって、直ちに必要な措置が講じられていないと判断されるものではありません。
- Q22 当社は、小売業を営んでいます。商品の原産国の表示については、直接の仕入先から入手した納品伝票や商品明細により原産国を確認して表示しています。しかし、仕入先が作成した伝票等の原産国の表示が誤っていたため、結果として、原産国について事実と異なる表示をしてしまいました。このように事業者として必要な確認を実施していた場合には、結果として事実と異なる表示をしてしまったとしても、景品表示法第26条第1項違反にはならず、同法第5条違反にもならないのでしょうか。
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A
納品伝票や商品明細を適切に確認していたと認められる場合には、結果的に事実と異なる表示をしたとしても、景品表示法第26条第1項に規定する必要な措置を講じていないものと直ちに判断されるものではありません。他方、当該表示に関する情報の確認がなされていたか否かにかかわらず、原産国について一般消費者が判別することが困難であると認められる表示をした場合には、同法第5条に違反することとなります。
したがって、事実と異なる表示を行っていたことが明らかになった場合には、本指針第4の7に示す措置を採るなどして、一般消費者の誤認排除や再発防止に向けた措置を講じることが必要です。
- Q23 本指針第4の4では、事業者において、確認した表示等に関する情報を、不当表示等を防止する観点から、当該表示等に関係する各組織部門等が不当表示等を防止する上で必要に応じて共有することが求められていますが、具体的にはどのように情報を共有すればよいですか。
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A
不当表示等は、当該表示等に関係する各組織部門間における情報共有が希薄なために生じる場合があります。このため、企画・調達・生産を行う各部門と実際に表示等を行う営業・広報部門等との間において、確認した表示等に関する情報の共有を図り、複数の部門・担当者による確認作業を行うなど、不当表示等の原因や背景を十分に踏まえた対応を行うことが重要です。
なお、個人事業主等の中小企業者においては、代表者が表示等を管理している場合には、代表者が表示等に関する情報を把握していることで足りることがあります。
- Q24 当社は、外食チェーンを経営しています。各店舗で提供する料理については、仕入れ、加工等は全て本部で行い、本部から配送された食材を各店舗で調理して提供しています。このような場合、各店舗で勤務している従業員との間では、どのような情報を共有しておく必要がありますか。
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A
例えば、原材料や加工の内容等の情報がメニュー表等に記載がある場合、本部の仕入れ、加工等の担当者と各店舗で勤務している表示に関係する従業員等との間で当該情報を共有する必要があると考えられます。
- Q25 本指針第4の5では、「事業者は、表示等に関する事項を適正に管理するため、表示等を管理する担当者又は担当部門(以下「表示等管理担当者」という。)をあらかじめ定めること」とされていますが、表示等管理担当者は、どのような役割が期待されていて、具体的にどのようなことを行えばよいのですか。
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A
表示等管理担当者の果たすべき役割は、表示等に関する事項を適正に管理することです。その具体的な職務としては、表示の根拠となる情報を自ら確認する、表示作成者が表示を適切に作成しているかを監督することなどが挙げられます。
- Q26 表示等管理担当者について、行政機関への届出、資格・免許等の保持といったことは必要ですか。
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A
行政機関への届出、資格・免許等の保持といったものは必要ありません。ただし、表示等管理担当者が行う表示等に関する事項の適正な管理に実効性を持たせるため、表示等管理担当者を定めるに当たっては、以下の事項を満たす必要があります。
- ①表示等管理担当者が自社の表示等に関して監視・監督権限を有していること。
- ②表示等管理担当者が複数存在する場合、それぞれの権限又は所掌が明確であること。
- ③表示等管理担当者となる者が、例えば、景品表示法の研修を受けるなど、景品表示法に関する一定の知識の習得に努めて
- ④表示等管理担当者を社内において周知する方法が確立していること。
- Q27 表示等管理担当者を定める条件として、自社の表示等に関して監視・監督権限を有していることが求められていますが、具体的にどのような権限が必要ですか。
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A
監視・監督権限としては、例えば、当該表示等が景品表示法上問題となるおそれがあるか否かを判断する権限、景品表示法上問題となるおそれがあると判断した際に社内調査する権限、景品表示法上問題となり得ると判断した際に当該表示等の是正を求める権限、社内の表示等の管理体制を監査する権限等が挙げられます。
- Q28 表示等管理担当者を定める条件として、景品表示法に関する一定の知識の習得に努めていることが求められていますが、どのように一定の知識の習得に努めればよいですか。
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A
景品表示法に関する一定の知識の習得に努める方法としては、例えば、事業者団体、都道府県、消費者団体等が主催する景品表示法の研修会に参加する、自主的な勉強会に参加する、景品表示法に関する書籍や消費者庁のウェブサイトに掲載されている景品表示法に関する各種情報により自主的に知識の習得に努めるといった方法があります。
- Q29 表示等管理担当者を定める条件として、社内において周知する方法が確立していることが求められていますが、表示等管理担当者であることをどの程度周知する必要がありますか。
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A
表示等管理担当者の周知は、最低限、当該表示等に関係する役員及び従業員に対して行う必要があります。
例えば、支社ごとに表示が行われ、表示等管理担当者が各支社に定められている場合には、ある支社の表示等管理担当者が誰であるかを、別の支社の従業員に対して周知しなくとも、直ちに問題となるものではありません。
- Q30 当店は、全国規模で事業展開しているコンビニエンスストアのフランチャイズ加盟店です。フランチャイズチェーンの本部では表示等管理担当者を定めているため、当店においては独自に表示等管理担当者を定める必要はないと理解してよいですか。
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A
フランチャイズチェーンの本部で表示等管理担当者を定め、各店舗の表示等の管理がなされている場合であっても、例えば、店舗独自に表示等を行っている実態があるときには、各店舗に表示等管理担当者を定める必要があります。
- Q31 原材料に関する資料、成分に関する根拠など膨大な情報を確認し、その情報を共有するばかりでなく、その資料(書面等)の保管をあらゆる商品で行うとすると、膨大な情報量になり保管場所など大きな負担になってしまいます。そのような場合でも資料の保管を行う必要がありますか。
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A
表示等の根拠となる情報を事後的に確認するための措置として資料を保管する場合、保管する資料等はあくまで表示等を行うに当たって根拠として確認したものに限られます。また、資料の保管方法は、紙媒体による方法に限られるものでなく、電子媒体による方法であっても、その保管方法が適切であれば、問題となりません。さらに、原材料メーカー等に問い合わせることで表示等の根拠を確認できるのであれば、自社で原資料を保管せずとも、原材料メーカーに問合せができる体制を構築しておくことでも表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を講じているといえます。
- Q32 当社が取り扱う商品・役務は、一般消費者が50年、100年の長期にわたり使用するものです。このような場合、「一般消費者に供給され得ると合理的に考えられる期間」を50年、100年と考え、当該期間にわたり表示の根拠となった資料を保管する必要がありますか。
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A
本指針別添の具体的事例において、合理的と考えられる資料の保存期間を例示しています。例えば、商品の流通期間等に応じた適切な期間を資料の保存期間として設定するのであれば問題となりません。
- Q33 当店は、マッサージ店です。当店のようなサービス業においては、表示等の根拠となる資料をどの程度の期間保存すればよいですか。
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A
表示等の根拠となる資料等は、事業者が合理的と考える期間保存する必要があります。サービス業のように、即時に消費される場合の合理的と考えられる資料の保存期間については、本指針別添の具体的事例において、3か月と例示しています。
- Q34 既に販売が終了している商品に関して不当な表示を行っていたことが判明した場合、当該商品は既に販売されていないことから、本指針第4の7に定める対応を行う必要はないと理解してよいですか。
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A
販売が終了している商品であっても、不当な表示が行われていたことが判明した場合には、一般消費者に対する誤認を排除する必要があることから、本指針の第4の7に定められている対応を速やかに行う必要があります。
- Q35 景品表示法に違反する過大な景品類の提供を行っている疑いがある場合、どのような対応を行う必要がありますか。
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A
景品類の提供に関して景品表示法に違反する疑いがある場合は、①当該事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること、②前記①における事実確認に即して、必要があれば、速やかに当該行為を是正するとともに、一般消費者に対して過大な景品類を提供した旨を周知すること、③再発防止に向けた措置を講じることなどの対応を行う必要があります。
- Q36 不当表示等を行っていることが判明したとしても、自主的に一般消費者の誤認排除を迅速かつ適切に行い、再発防止に向けた措置を講じていれば、措置命令の対象にはならないと理解してよいですか。また、その場合、関係行政機関に当該取組の状況を報告する必要がありますか。
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A
不当表示等を行っていることが判明した場合、当該事業者に対して措置命令を行う必要があるか否かは当該不当表示等に関する事実関係に基づいて個別に判断することとなりますので、事業者が自主的に一般消費者の誤認排除等を行ったという事実のみをもって、措置命令を行う必要がないと判断されることにはなりません。
また、関係行政機関に当該取組の状況を報告するかどうかは、本指針の第4の7に沿うような措置として必要か否かの観点から個別の状況に応じて判断してください。
- Q37 一般消費者に対する周知方法の例として、新聞による方法が挙げられていますが、全国紙で周知する必要がありますか。
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A
商品・役務の特性等に応じて個別に判断されることになりますが、例えば、不当表示等が、全国で行われ、かつ、その不当表示等が行われた商品の購入者も全国に存在するものと考えられる場合には、全国紙による周知を行うことも考えられます。また、不当表示等が特定の地域のみにおいて行われていた場合には、当該地域の地方紙による周知を行うことも考えられます。
- Q38 本指針第4の7(2)の具体的事例では、「当該事案に係る事実関係を関係行政機関へ速やかに報告すること」とされていますが、「関係行政機関」とは、具体的にはどの行政機関ですか。
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A
不当表示等が明らかになった場合における事実関係の報告については、消費者庁のほか、都道府県の景品表示法担当部局、公正取引委員会の地方事務所等でも受け付けています。
- Q39 当社では本指針別添の具体的事例と全く同じ措置を講じることが困難なのですが、どのような対応を行う必要がありますか。
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A
本指針別添の具体的事例と同じ措置でなくとも、通常、第4の1から7までに示す事項に沿うような具体的な措置を講じていれば、景品表示法第7条第1項の規定に基づく必要な措置を講じているものと判断されます。
なお、本指針第4の7に沿う措置については、不当表示等を行っていることが判明した場合に速やかに講じる必要があります。
- Q40 景品表示法第7条第1項の規定に基づく必要な措置を講じなかった場合、どのような処分を受けるのでしょうか。
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A
消費者庁長官は、①必要な措置を講じることに関して適切かつ有効な実施を図るために必要があると認めるときには、事業者に対して指導及び助言を行うほか(景品表示法第27条)、②当該事業者が正当な理由がなく必要な措置を講じていないと認めるときには、当該事業者に対して必要な措置を講ずべき旨を勧告します(同法第28条第1項)。また、③当該事業者が勧告に従わないときは、その旨を公表します(同法第28条第2項)。
- Q41 本指針の内容や必要な措置について相談したいのですが、どこに問い合わせればよいですか。
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A
消費者庁表示対策課(電話03-3507-8800(代表))にお問い合わせください。
なお、御連絡に当たっては「景品表示法第26条第2項の指針について」とお伝えください。
担当:表示対策課