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通報者の方へ

公益通報者保護法では、公益のために事業者内部の法令 違反行為を通報した労働者は、事業者による解雇等の不利益な取扱いから保護されます。
このページでは、通報者の方に参考となる内容を紹介します。

公益通報の構成要素

通報の主体(労働者)

  • 公益通報者(法第2条第2項)
    • 通報の主体となる公益通報者とは、公益通報をした「労働者」をいいます。
  • 労働者(法第2条第1項本文)
    • 公益通報者保護法では「労働者」の定義を労働基準法第9条から引用しますので、「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者になります。
      これは、正社員に限らず、パートタイマー、アルバイトなどを広く含むものです。また、公益通報は派遣先や取引先の通報対象事実についてもできるので(法第2条第1項第2号・第3号)、派遣労働者や取引先の労働者も含むことになります。
      他方、取締役などの役員は、法人その他の団体との委任関係(例:会社法第330条)に基づいてその事業を執行する権限を有する立場にあるので、一般的に事業に使用される者としての労働者には当たらないとされます。

通報の客体(通報対象事実など)

  • 通報の客体
    • 通報の客体は、通報者の「労務提供先」に関するものであって、「対象法律」に要件の根拠規定がある「通報対象事実」になります。
  • 労務提供先(法第2条第1項)
    • 労務提供先には3種類あります。
      • 【第1号】勤務先(通報者と雇用関係にある事業者)
      • 【第2号】派遣先
      • 【第3号】取引先
    • また、労務提供先に関するものとしては、労務提供先自体のもののほか、労務提供先の事業に従事する役員、従業員、代理人その他の者に関するものも含みます。
  • 対象法律(法第2条第3項、別表、政令)
    • 国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律として法別表と政令(平成17年政令第146号)に掲げるものになります。
  • 通報対象事実(法第2条第3項)
    • 対象法律に要件の根拠規定がある事実で、2種類あります。
    • 【第1号】犯罪行為の事実
      • 刑法や個別法の罰則に違反する犯罪行為の事実
        (例)詐欺、横領、健康被害、有害物質の食品販売、リコール隠し、価格カルテル など
    • 【第2号】行政指導や行政処分の理由となる事実
      • 行政指導や行政処分の実効性を確保する仕組みとして罰則の担保がある場合(例:行政指導→行政処分→罰則)において、その事実があると行政指導や行政処分を受けることになるもの(行政手続法第8条、第14条、第35条第2項第3号に規定する「理由」となる事実)

通報先(3種類)

  • 労務提供先(いわゆる1号通報。法第3条第1号、第2条第1項本文)
    • 上記「通報の客体」項目で掲げた労務提供先(派遣先の通報対象事実については派遣先、取引先の通報対象事実については取引先)に対する通報で、「内部通報」ともいいます。
      指定の通報窓口がある場合も多いですが、ない場合は上司や人事部門に通報する例もみられます。
  • 規制権限のある行政機関(いわゆる2号通報、法第3条第2号、第2条第1項本文)
    • 上通報対象事実について行政指導や行政処分などをする権限を有する行政機関(いわゆる監督官公庁)に対する通報で、労務提供先の外部への通報ということで「外部通報」の一種になります。
      通報先の確認には、次の検索システムを御利用ください
  • その他(いわゆる3号通報。法第3条第3号、第2条第1項本文)
    • 通報対象事実の発生又は被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に対する通報で、「外部通報」の一種になります。なお、ライバル企業など、労務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者は除かれます。
      (例)報道機関、消費者団体、事業者団体、労働組合 など

通報者の保護とその要件

保護の内容

  • 法律は、公益通報をしたことを理由とした次のような不利益からの保護を定めています。
    • 解雇の無効(法第3条)
    • 派遣契約の解除の無効(法第4条)
    • 不利益な取扱いの禁止(法第5条)
      • (例)降格、減給、退職金の減額・没収、給与上の差別、訓告、自宅待機命令、退職の強要、専ら雑務に従事させること など

保護の要件

公益通報者保護法に基づく保護を受けるための要件は、通報先ごとに異なります(法第3条各号参照)。

  • 1号通報(労務提供先への通報)の場合
    • 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思われることが要件となります。
      このうち「まさに生じようとしている」とは、通報対象事実の発生が切迫しその蓋然性が高いことをいいますが、必ずしも発生する直前のみをいうわけではありません。誰が、いつ、どこでやるといったことが社内で確定しているような場合であれば、実行日まで間がある場合であっても「まさに生じようとしている」といえるでしょう。
  • 2号通報(行政機関への通報)の場合
    • 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由が必要となります。これを「真実相当性」といいますが、単なる憶測や伝聞ではなく、通報対象事実を裏付ける証拠や関係者による信用性の高い供述などの根拠があることを意味します。
  • 3号通報(その他の通報)の場合
    • 2号通報の真実相当性にプラスして、次のいずれかに該当することが必要となります。
      • 他の通報をすれば不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合
        (例)通報をした同僚がそれを理由に解雇されたのを目の当たりにしている場合 など
      • 1号通報をすれば証拠隠滅などのおれそがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合
        (例)労務提供先の組織ぐるみで通報対象事実に関与している場合 など
      • 労務提供先から公益通報をしないよう正当な理由なく要求された場合
        (例)誰にも言わないように上司から口止めされた場合 など
      • 1号通報を文書でした日から20日を経過しても調査をする旨の通知がない場合又は正当な理由なく調査を実施しない場合
      • 生命・身体の危害発生し、又は発生の急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合
        (例)O157を含む飲食物が販売されている場合 など

通報者の注意点など

不正の目的でないこと

公益通報は、「不正の目的」でないことが必要となります(法第2条第1項本文)。
例えば、通報を手段として金品をゆすりたかるなどの不正の利益を得る目的であったり、対象事業者や対象行為者の信用を失墜させるなどの有形無形の損害を加える目的であったりというのが、ここにいう「不正の目的」に当たります。
なお、「不正の目的」でないというためには、通報の主たる目的が上記のようなものでないと認められれば足り、純粋に公益を図る目的(通報対象事実による被害の拡大を防止するなどの公益を図る目的)でなければならないことを要するものではありません。単に交渉を有利に進めようとする目的や事業者に反感を抱いているというだけでは、ここにいう「不正の目的」があるとまではいえません。

他人の正当な権利等の尊重

  • 公益通報には、次のような情報を含むことがあります。
    • 第三者の個人情報(病院の患者の氏名や病歴など)
    • 事業者の営業の秘密に関する情報
    • 国の安全に関わる情報
  • これらの情報が不用意に広まると、個人や事業者に取り返しのつかない損害を及ぼすおそれがあります。
    そこで、通報者には、情報管理も含めて他人の正当な利益または公共の利益を害することのないよう努めることが求められます(法第8条)。

担当:消費者制度課