Vol.480 帰省時の子どもの医薬品誤飲に注意!
いよいよ年末が近づいています。長期休暇を利用して、実家などに帰省される方も多いのではないでしょうか。
消費者庁には、子どもの医薬品誤飲に関する事故情報が医療機関(※)から寄せられています。
「祖父母の家で遊んでいて、気付いた時には、市販の解熱鎮痛薬の4錠入りシートを手に持ち、口に入れていた。4錠のうち2錠が見つからない。薬は小さなタンスの一番下の引き出しに入れていた。」(1歳)
「叔母の睡眠導入剤や精神安定剤が机に置いてあり、子どもがすべて飲んでしまった。ふらふらしていたので病院を受診し、急性薬物中毒で6日間入院。」(3歳)
さらに、消費者安全調査委員会が令和元年9月に公表した、「子供による医薬品誤飲事故に関する情報分析」によると、平成26年から平成29年までに公益財団法人日本中毒情報センターに30,385件の子どもによる医薬品の誤飲事故が寄せられていました。これらはほとんど(95.9%)が自宅で発生していますが、次に多い実家・親類宅で発生した事故は全体の2.4%で、発生月で見ると帰省時期である12月、8月、1月の順に多くなっています。
また、被害を受けた子どもは1歳、2歳、0歳の順に多く、医薬品が置いてあった場所は机・カウンターが30.2%と最も多くなっていました。
子どもの医薬品誤飲事故を防ぐため、以下の点に特にご注意ください。
- 0歳から1歳にかけては、塗り薬のチューブや軟膏(なんこう)容器を子どもの手の届く低い位置(床など)に置いたままにしない。
- 1歳から2歳にかけては、錠剤の入ったPTPシートやボトル入りの錠剤を自分で開けて誤飲する可能性があり、大人の薬の保管に特に注意を払う必要がある。自宅以外の場所、特に実家・親類宅では祖父母や親戚が服用する薬にも注意する。
- 2歳以上では、子ども自身が好んで口にする可能性が考えられるため、シロップ容器の水薬や袋に入った粉薬を飲んでしまう事故に注意する。
- 机・カウンターなど子どもに見える場所や手の届く高さに置いたままにせず、飲んだらすぐに片付ける。また、片付けるときにも子どもが見ていないところで行い、場所・高さにも注意する。
- ※誤飲事故を防ぐには、子どもが開けにくい、チャイルドレジスタンス機能をもつ袋に薬を保管しておくことも対策の一つとして有効です。第13回キッズデザイン賞を受賞しており、一部の薬局で配布されています。
- (※)消費者庁は独立行政法人国民生活センターと共同で、平成22年12月より、医療機関(令和元年11月末時点で24機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
(参考)
- 過去の関連メール
- 専門の相談機関
- 「こども医療電話相談」 発熱、頭をぶつけた、嘔吐、けいれんなど 判断に困ったら
- #8000
- お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からアドバイスを受けられます。実施時間は各都道府県で異なります。
- 「公益財団法人日本中毒情報センター 中毒110番」
- 大 阪:072-727-2499 (365日24時間対応) (情報提供料:無料)
- つくば:029-852-9999 (365日9~21時対応) (情報提供料:無料)
- 消費者庁による注意喚起
担当:消費者安全課