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第2部 第1章 第6節 (3)消費者被害・トラブルに関する意識や行動

第2部 消費者問題の動向及び消費者政策の実施の状況

第1章 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果等

第6節 消費者意識・行動の状況

(3)消費者被害・トラブルに関する意識や行動

詐欺的な請求を受けた経験がある人は6割

本章第3節・第4節でみたように、架空請求に関する消費生活相談が2017年から再び増加しています。そこで、「身に覚えのない料金を請求されるなど、詐欺的な請求を受けた経験」について聞いたところ、いずれかの詐欺的な請求を受けた経験があるという割合が57.8%となりました。

詐欺的な請求を受けた経験の内容については、多い順に「利用したつもりのない有料動画サイトなどの請求に関する電子メールやSMSが届いた」(36.1%)、「インターネット閲覧中に、突然『端末からウィルスを検出しました』、『今すぐアップデートが必要』などの警告画面が表示された」(32.8%)、「公的機関のような名称で支払いを要求するはがきなどを受け取った」(21.6%)などとなっています(図表II-1-6-3)。

年齢層別にみると、「インターネット閲覧中に、突然『端末からウィルスを検出しました』、『今すぐアップデートが必要』などの警告画面が表示された」や「利用したつもりのない有料動画サイトなどの請求に関する電子メールやSMSが届いた」等、インターネットが関係するものでは20歳から49歳までの割合が高く、「振り込め詐欺の電話がきた」では70歳以上の割合が、他の年齢層と比較して高くなっています。また、「公的機関のような名称で支払いを要求するはがきなどを受け取った」では40歳以上の中高年層で高くなっており、年齢層によってトラブルになりやすい手口が異なっていることが分かります。

消費者への注意喚起や啓発は、こうした年齢層による違いに着目して、効果的に行うことが重要です。特に、10歳代後半では、「いずれも経験したことがない」という割合が約6割となっていますが、今後経済的な自立をする若者も多いことから、若年層への消費者教育等、消費者トラブル防止の取組が引き続き求められています(図表II-1-6-4)。

詐欺的な請求に対し、多くの人は無視している

さらに、詐欺的な要求に対し、どのような対応をしたか聞いたところ、いずれのトラブルについても、「無視した」との回答が高い割合を占めました。一方で、更なるトラブルに発展しかねない対応と考えられる「指示に従った」や「発信元に問い合わせた」との回答は、いずれも低い割合となりました(図表II-1-6-5)。

しかしながら、「無視した」との回答の割合には、内容ごとに偏りがみられ、「利用したつもりのない有料動画サイトなどの請求に関する電子メールやSMSが届いた」や「インターネット閲覧中に、突然『端末からウィルスを検出しました』、『今すぐアップデートが必要』などの警告画面が表示された」に対しては、8割前後が無視しているのに対し、「実在する団体と紛らわしい名称をかたって、災害支援をうたい文句に、義援金の支払いを求められた」(65.1%)、「振り込め詐欺の電話がきた」(61.4%)、「医療費や税金などの還付金を払うので銀行などのATMに行くように指示された」(47.7%)は、「無視した」という割合が比較的低い割合にとどまっています。これらのケースでは、「その他」という割合が2割から4割程度を占めていますが、消費生活相談の実態に鑑みると、この中には不信感を持った消費者が、請求を受けた後に、市町村等の年金や健康保険等の担当部署や実在する団体に直接問合せをして確認するなど、無視はしていないが信頼できる第三者に事実かどうか確認している消費者が一定程度存在することがうかがえます。

「儲け話」について、広告を見たり勧誘を受けたりした人のうち1割程度が「契約することを検討した」

「簡単に高収入を得られるとうたった副業や投資などの儲け話」について、広告を見たり、勧誘を受けたりした経験があるか聞いたところ、いずれかの経験があるという割合は35.8%でした。

経験した内容は、多い順に「簡単に儲かる方法・ノウハウを教えるとするもの」(17.4%)、「不動産オーナー投資(土地やマンションなど不動産への投資)」(12.4%)、「ファンド型(事業)投資商品(農業・畜産・太陽光発電などへの投資)」(9.6%)となっています(図表II-1-6-6)。

年齢層別にみると、「簡単に儲かる方法・ノウハウを教える」では15歳から59歳まで、「不動産オーナー投資」、「ファンド型(事業)投資商品」、「海外宝くじ(購入した覚えのない海外の宝くじに高額当選したとの連絡など)」では40歳から69歳までで、比較的高くなっています(注49)

このような「儲け話」に対して、契約することを検討したか聞いたところ、「契約することを検討しなかった」という割合が9割近くを占めました。

一方で、「契約することを検討した」という人は1割程度いました。そこで、検討した理由について聞いたところ、「知人が勧めていたから」が最も高く37.7%、次いで「事業者が信用できると思ったから」(32.9%)、「『今回限り』、『あなただけ』など限定の特典があったから」(15.4%)などという結果でした(図表II-1-6-7)。

本章第4節でもみたように、副業や投資、情報商材に関連する相談が増加しています。不審な投資の広告を見たり、簡単にもうかる方法を教えるといった勧誘を受けたりしても、多くの人は「契約することを検用できると思ったりすることによって、ト討しない」という適切な対応をしていますラブルにつながる行動をとってしまうことが(注50)、知人等に勧められたり、事業者を信があり得ることが分かります。


  • 注49:15歳から59歳までについては、「簡単に儲かる方法・ノウハウを教える」が20%から30%程度となっており、40歳から69歳までについては、「不動産オーナー投資」が15%から20%程度、「ファンド型(事業)投資商品」が10%から15%程度、「海外宝くじ(購入した覚えのない海外の宝くじに高額当選したとの連絡など)」が10%程度となっており、他の年齢層と比べて比較的高くなっている。
  • 注50:消費者庁「消費者意識基本調査」(2018年度)で、「簡単に高収入を得られるとうたった副業や投資などの儲け話」について、広告を見たり、勧誘を受けた経験があるといういう人(N=2,167)に、その(それらの)広告や勧誘により、契約することを検討したか聞いたところ、「(いずれについても)契約することを検討しなかった」と回答した人の割合は88.3%となっている。

担当:参事官(調査研究・国際担当)