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第1部 第2章 第3節 消費者委員会のこれまでの取組

第1部 【特集】消費者庁及び消費者委員会設立10年~消費者政策の進化と今後の展望~

第2章 消費者庁及び消費者委員会の10年

第3節 消費者委員会のこれまでの取組

消費者委員会における調査審議・建議等

消費者庁と同時に発足した消費者委員会は、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に関して優れた識見を有する有識者から成る合議制の機関です。消費者庁を始めとする政府の消費者行政全般に対する監視機能等を有する第三者機関として内閣府に設置されました。消費者委員会における調査審議に消費者の意見を反映させるため、消費者・消費者団体等からの意見書等の受付(図表I-2-3-1)、消費者団体等との意見交換会の開催等を通じ、それらの意見等を消費者委員会において調査審議を行う際の参考としています。これまでに消費者委員会に寄せられた意見等をみると、「取引・契約関係」、「食品表示関係」、「消費者安全関係」、「地方消費者行政」等が多くなっており、消費者等は日常生活に身近な分野を中心に、消費者政策の推進を求めていることがうかがえます。

また、消費者委員会の委員が地方に出向き、消費者や関係各団体の声に直接真摯に耳を傾け、問題の解決に効果的に取り組むために、全国各地において、様々なテーマで消費者問題シンポジウムを開催(注69)し、地方の関係団体や地方公共団体等と連携して意見交換等を行っています(図表I-2-3-2)。

消費者委員会は、これまでに建議20件、提言16件、意見等79件、消費者庁及び消費者委員会設置法第6条第2項第2号に基づく答申6件(2019年4月末時点)を行うなど、積極的に調査審議を行っています(注70)(図表I-2-3-3)。

消費者委員会への意見聴取が法定されている「消費者基本計画関係」や、東日本大震災後の原子力発電所の稼働停止の影響により電力会社からの料金改定申請が相次いだ「料金・物価関係」を除けば、「取引・契約関係」、「消費者安全関係」が多く、このような、その時々に問題となっている消費者に身近な事案を中心に積極的に調査審議を行っています。このうち、建議・提言の宛先としては、消費者庁を除くと、厚生労働省が11件、経済産業省が10件、国土交通省が7件と多く、これまで12の関係府省庁に対して建議・提言を行っており、消費者行政の監視役として幅広い分野を検討し、関係府省庁に対して積極的に働き掛けをしています。

消費者委員会がこれまで行った建議の内容等については、それぞれ関係府省庁の取組につながるとともに、消費者庁及び消費者委員会設置法第6条第2項第2号に基づく答申6件については、2018年度末時点で、4件が法律の改正につながっています。このほかの建議等についても、消費者基本計画の施策に反映されるなど、政府の消費者政策の推進にいかされており、消費者の意見等を消費者政策に反映させる仕組みとして機能していることが分かります。

また、消費者基本法の規定(注71)に基づき、新たに消費者基本計画の案を策定する際や、政府が消費者基本計画の検証・評価・監視についての結果を取りまとめる際には、消費者委員会による答申に先立って関係府省庁からのヒアリング等を行い、その結果を踏まえて消費者委員会としての意見の表明を行っており、消費者基本計画を起点とする消費者政策のPDCAサイクルの実施において重要な役割を果たしています。


  • 注69:2012年1月以降「地方消費者委員会」の名称で第10回まで開催、2014年から名称を「消費者問題シンポジウム」と改め、これまでに27回開催(2018年度末時点)。
  • 注70:このほか、食品表示法、特定商取引法、景品表示法、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令等の消費者庁が所管する個別の法令に基づく諮問に対する答申も多数行っている。
  • 注71:消費者基本法第27条第3項

担当:参事官(調査研究・国際担当)