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COLUMN11 アダルトビデオ出演強要問題

アダルトビデオ出演強要問題

全国の消費生活センターや国民生活センター等には、10歳代、20歳代の女性を中心に、タレント・モデル契約関連の様々なトラブルについての相談が寄せられています。中には、インターネットで見つけたモデル事務所の面接に行ったところ、アダルトビデオの出演を勧められたというケースもあり、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題に対する対策が必要です。

このような状況を踏まえ、消費者庁は「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する関係府省対策会議」に参画し、アダルトビデオ出演強要問題への対応に取り組んでいます。具体的には、消費者庁では、国民生活センターと協力し、2017年4月にリーフレット「タレント・モデル契約のトラブルに注意!!」を作成し、注意喚起を実施しました。2018年4月のAV出演強要・「JKビジネス」等被害防止月間には、全国の大学及び大学生協施設内でのリーフレット掲示を要請するなど、若年女性への訴求に努めました。

また、アダルトビデオ出演強要問題と消費者契約法の適用について、アダルトビデオの業界関係者に対し、次の事項に関し周知を行いました。

  • ・例えば、これまでアダルトビデオに出演したことのない女性が街を歩いていたところ突然スカウトされ、継続する意図なくアダルトビデオに出演する契約を締結したときには、この女性は消費者に該当し、女性とプロダクション等の事業者との間には消費者契約が成立していると考えられるため、消費者契約法が適用される場合があること。
  • ・消費者契約法には、①消費者が勧誘されている場所から退去する旨の意思を示したにもかかわらず退去させないなどの事業者の不当な勧誘行為があれば、消費者は締結した契約を取り消すことができること、②契約の解除に際して事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える違約金を定める契約条項等の不当な契約条項は無効となることなどが規定されていること。
  • ・上記のように、不当な勧誘行為がなされていたり、不当な契約条項が用いられていたりする場合には、内閣総理大臣が認定した適格消費者団体が、その差止めを求めることができること。

国民生活センターでは、2017年度の消費生活相談員向けの研修において、タレントやモデルのスカウトに関する消費生活上のトラブル事例を取り上げました。この中では、アダルトビデオへの出演を強要されたという相談が寄せられた場合、相談内容に応じて、適切に、警察、女性センター、法テラス等の専門機関の紹介を行うなどの対応要領を説明しました。

2018年度の研修においては、引き続き、同様のトラブル事例を取り上げ、必要に応じて、契約に関し、民法や消費者契約法等に基づく助言等を講義する予定です。

リーフレット「タレント・モデル契約のトラブルに注意!!」

担当:参事官(調査研究・国際担当)