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第2部 第1章 第4節 (2)特定商取引法及び預託法の厳正かつ適切な執行

第2部 消費者政策の実施の状況

第1章 消費者庁における主な消費者政策

第4節 適正な取引の実現

(2)特定商取引法及び預託法の厳正かつ適切な執行

消費者庁は、取引の公正及び消費者の利益の保護を図るため、特定商取引法及び預託法を厳正かつ適切に執行しています。特に、全国的な広がりがあり、甚大な消費者被害のおそれのある重大事案に対する行政処分等に重点的に取り組んでいます。2017年度の特定商取引法及び預託法に基づく国の行政処分件数は、34件(2016年度は32件)となり、このうち売上高(注4)10億円以上の事業者に対する行政処分は15件と、消費者庁設置後最高となった2016年度の21件に引き続き高水準でした。

これらの行政処分事案については、事案の概要及び処分内容に加えて具体的な勧誘事例を公表するとともに、事案に応じて、注意喚起のチラシ等も作成・公表することにより、消費者の啓発に努めています。

なお、特定商取引法の執行は、国(消費者庁及び各経済産業局)に加え、都道府県も自治事務として行っており、原則として被害が一の都道府県を越え広域にわたる事案については国が、被害が主に一の都道府県の区域内に認められる事案については各都道府県が対処しています。

2017年度における国による主な行政処分事案は以下のとおりです。

1ジャパンライフ株式会社に対する行政処分(2017年11月及び12月)

家庭用永久磁石磁気治療器を主に高齢者に対し連鎖販売取引等により販売していた同社に対し、特定商取引法及び預託法に基づき、業務提供誘引販売取引、連鎖販売取引及び預託等取引契約に係る新規の契約の勧誘や締結等の業務のそれぞれ1年間の停止を命じるとともに、既存契約者に対し正確な財務状況の通知を指示する等の行政処分を行いました。なお、同社に対しては、2016年12月及び2017年3月にも行政処分を行いました。

248(よつば)ホールディングス株式会社に対する行政処分(2017年10月)

「Clover Coin(クローバーコイン)」と称する電子的な情報の提供と管理の役務を連鎖販売取引により提供していた同社に対し、特定商取引法に基づき、連鎖販売取引に係る新規の契約の勧誘や締結等の業務の3か月間の停止を命じる等の行政処分を行いました。

3フォーデイズ株式会社に対する行政処分(2017年11月)

清涼飲料水を連鎖販売取引により販売していた同社に対し、特定商取引法に基づき、連鎖販売取引に係る新規の契約の勧誘や締結等の業務の6か月間の停止を命じる等の行政処分を行いました。

4株式会社iXSに対する行政処分(2018年2月)

「FGN」と称するビジネススクールの役務を主に学生等の若年者に対し連鎖販売取引により提供していた同社に対し、特定商取引法に基づき、連鎖販売取引に係る新規の契約の勧誘や締結等の業務の6か月間の停止を命じる等の行政処分を行いました。

2009年度以降の特定商取引法の対象取引類型に関する消費生活相談件数及び同法に基づく行政処分件数の推移は、図表II-1-4-2のとおりです。

消費生活相談件数及び過去の行政処分件数の多い訪問販売や電話勧誘販売については、ここ数年の相談件数は減少傾向にあります。一方で、2012年度以降規制対象に追加された訪問購入に関する相談件数は増加傾向にあります。なお、これらの相談には、例えば事業者の信用に関する問合せやアダルトサイト等からの請求に関する相談など、必ずしも特定商取引法違反行為による被害に関する相談ではないものも含まれる点に留意する必要があります。


  • 注4:売上高は、消費者庁において確認することができた直近事業年度のもの。

担当:参事官(調査研究・国際担当)