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第1部 第2章 【特集】子どもの事故防止に向けて

第1部 消費者問題の動向と消費者意識・行動

第2章 【特集】子どもの事故防止に向けて

人々が安全に暮らすことができる社会の実現は、最も重要な政策課題の一つです。また、未来を担う子どもたちが健やかに育っていくことは社会全体の願いです。

発達段階にある子どもは、身体機能が未熟であるため、事故に遭うと大人よりも危険な状態に陥りやすいという特徴があります。身体の傷害が将来に影響を及ぼしたり、命を失うといった事態になれば、子ども本人にとって、保護者を始め子どもの周囲にいる人にとって、そして社会にとって、取り返しのつかない大きな損失になります。

子どもが事故により亡くなるという状況は年々減少していますが、子どもの死因の中ではいまだに事故が上位にあります。事故の発生を防ぎ、万一、事故が発生しても被害を最小限にとどめるために、更に取組を進めていく必要があります。

子どもは日々成長していくため、特に乳幼児においてはある日突然想定外の動きを始めることがあります。その際、日常生活の中で思いもかけない事故に巻き込まれることもあり、発達段階に応じて注意すべき点が異なります。

本章では、事故を社会全体で防ぐという仕組みの考え方を紹介した上で、子どもに起きている事故の状況を概観し、子どもの発達段階に応じて異なる事故の特徴を明らかにします。また、子どもの事故に対する人々の意識、特に、保護者や関係する周囲の人々について、意識調査の結果を用いて紹介します。さらに、事故を防止するために講じられている様々な取組を紹介していきます。そして、「防げる事故を起こさない」ためには何をしていくべきか、子どもの事故防止に向けた課題について考察します。

担当:参事官(調査研究・国際担当)