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第1部 第1章 第6節 (3)商品やサービスを選ぶ際の消費者としての行動や意識

第1部 消費者問題の動向と消費者意識・行動

第1章 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果等

第6節 消費者を取り巻く環境変化の動向

(3)商品やサービスを選ぶ際の消費者としての行動や意識

積極的な行動を心掛ける消費者が多い

消費者は、自ら進んでその消費生活に関して、必要な知識を修得し、必要な情報を収集する等、自主的かつ合理的な行動に努めていく必要があります。

消費者庁「消費者意識基本調査」(2017年度)では、消費者として心掛けている行動について聞いています。その中で、「表示や説明を十分認識し、その内容を理解した上で商品やサービスを選択する」ことに対し、「心掛けている」(「かなり心掛けている」+「ある程度心掛けている」。)という割合は75.7%となっており、商品やサービスの表示説明について意識し、積極的な行動を心掛ける消費者が多いといえます(図表I-1-6-24)。

また、年齢層別にみても、「心掛けている」という割合が最も低い10歳代後半でも67.9%と、全ての年齢層で消費生活に対し積極的な様子がうかがえます。

「価格」、「機能」、「安全性」を意識して商品・サービスを選択

同様に「消費者意識基本調査」で、商品やサービスを選ぶときに意識する項目について聞いたところ、「意識する」(「常に意識する」+「よく意識する」。)という割合は、「価格」(91.1%)、「機能」(88.8%)、「安全性」(82.1%)といった商品やサービスの内容に関する項目が、いずれも8割以上となりました(図表I-1-6-25)。

消費者は、商品・サービスを選択する際、価格や機能、安全性を重要視していることが分かります。

商品・サービスの選択で意識することは男女で違いがある

同様に、商品やサービスを選ぶときに意識することについて、「意識する」という割合を性別にみると、「特典(ポイントカード、景品等)」、「広告」、「購入(利用)時の説明や応対等の接客態度」で、比較的差が大きくなっています。特に、「特典」では女性が43.5%と、男性(29.7%)に比べて13.8ポイント高くなっており、女性の方が、商品やサービスそのもの以外の価値を求める傾向があると考えられます(図表I-1-6-26)。

30歳代以上は「接客態度」、「苦情対応」を意識するという人が多い傾向

さらに、商品・サービスを選ぶときに意識することについて、年齢層別にみると、「評判」は、10歳代後半から50歳代までの「意識する」という割合が60~70%程度で、60歳以上よりも高い割合になっています(図表I-1-6-27)。一方、「購入(利用)時の説明や対応等の接客態度」や「苦情や要望に対する対応」などの項目では、10歳代後半や20歳代に比べて、30歳代以上で「意識する」という割合が高くなっています。

商品やサービスを選ぶときに意識する内容は、年齢によって異なる傾向にあることが分かります。

広告などの注意書きや注釈に対する意識

広告は、消費者が、商品やサービスを選ぶ際に参考とする情報の一つです。広告では、商品・サービスの内容や取引条件について、その優良性や有利性を強調して消費者に働きかける、いわゆる強調表示(注58)が使われることがあります。その一方で、強調表示の内容が、対象の商品・サービスの全てに無条件・無制約に当てはまるものではなく、例外などがある場合に、その旨の表示(いわゆる打消し表示(注59))が記載されていることがあります。

消費者庁では、こうした打消し表示について調査を行いました(注60)(第2部第1章第3節(2)参照。)。打消し表示に当たる注意書きや注釈について、普段どのように思っているか聞いたところ、「企業が不都合なことを隠すため、小さい文字を使っていると感じることがある」という回答が51.6%と最も多く、次いで「例外事項や条件などの重要なことが書かれている」が39.6%などとなっています(図表I-1-6-28)。

一方、普段から打消し表示をあまり意識していないことがうかがえる、「特に何も思わない」(23.1%)、「たいして重要な内容が含まれているとは思わない」(5.5%)、「注意事項などはわざわざ読まなくても大体わかると思う」(4.9%)という選択肢の少なくとも一つを選んだ回答者は32.0%でした。打消し表示を意識しているという人は、あまり意識していない人よりも多いことが分かります。

打消し表示は、消費者が商品やサービスを選択する上で重要な情報であるため、消費者が正しく理解できるよう適切な表示であることが望まれます。また、消費者も表示内容をより一層、理解することが必要と考えられます。


  • 注58:事業者が、自己の販売する商品・サービスを一般消費者に訴求する方法として、断定的表現や目立つ表現などを使って、品質等の内容や価格等の取引条件を強調した表示(公正取引委員会事務総局「見にくい表示に関する実態調査報告書―打消し表示の在り方を中心に―」(2008年6月))
  • 注59:強調表示からは一般消費者が通常は予期できない事項であって、一般消費者が商品・サービスを選択するに当たって重要な考慮要素となるものに関する表示(前掲注58)
  • 注60:消費者庁「打消し表示に関する実態調査(「打消し表示」に関するWebアンケート調査)」(2017年7月)

担当:参事官(調査・物価等担当)