第1部 第3章 第2節 若者の消費者トラブル|概要
第1部 消費者意識・行動と消費者問題の動向
第3章 【特集】若者の消費
第2節 若者の消費者トラブル
若者の消費生活相談は減少傾向
- 10歳代後半、20歳代前半、20歳代後半のいずれの年齢区分でみても、若者の相談件数は人口要因を考慮しても長期的には減少傾向。
- 20歳代前半では、成年に達し社会人となっていく時期に当たることから、2016年には10歳代後半の2.4倍に当たる約3.9万件の相談。
- 10歳代後半は男性の相談が5割以上であるが、20歳代前半、20歳代後半は女性が5割以上。
- 減少傾向の背景の一つとして、SNSがきっかけとなるトラブルは多くなっているものの、インターネットを検索して参考になる情報を探す割合が10歳代後半、20歳代前半で6割を超え、自ら情報を収集しトラブルを回避している可能性。
デジタルコンテンツや新生活がきっかけのトラブルが多いデジタルコンテンツや新生活がきっかけのトラブルが多い
- 若者の男女に共通して多いのは「アダルト情報サイト」や「出会い系サイト」等のデジタルコンテンツの相談。
- 女性は健康食品やエステなど美容に関するものが多い。成人した20歳以上、特に男性で、借金に関する相談も増加。
- 大学への入学や社会人になるため、実家から離れ新生活を送るタイミングで、トラブルに巻き込まれるケースが目立つ(賃貸住宅の契約、テレビ受信料支払、新聞購読、インターネット接続回線等)。
図表I-3-2-4 若者の商品・サービス別上位相談件数(2016年) [CSV]
クリーム色:デジタルコンテンツ、緑色:新生活に多いもの、黄緑色:借金に関するもの、青色:男性で目立つもの、ピンク色:女性で目立つもの(美容)
SNSをきっかけとしたトラブルの相談が増加若者ではマルチ取引の相談が目立つ
- SNSをきっかけとするトラブルは増加傾向。内容は様々で20歳代後半は女性が多い。
- 「マルチ取引」(まがい取引も含む)の相談は一時期より減少しているが、若者は増加傾向。
- トラブルのきっかけとして、成人直後に友人や同僚等から勧誘されることが多い。近年は、実際には会ったことがないSNS上の知り合いからの勧誘も。
- 2016年に目立った相談事例は、「海外のインターネット上のカジノのアフィリエイトで稼げる、新たな会員を紹介すると紹介料も受け取れる」等。
美容に関するトラブルは若者の割合が高い
- 若い女性では「エステティックサービス」や「美容医療」等の美容に関連する内容についての相談が多い。「同級生に誘われてエステに行き契約したが、家族に反対されたので中途解約したい」など、主に解約トラブルがみられる。
- ダイエットサプリメント等の「健康食品」や「化粧品」も目立ち、2016年は「定期購入」のトラブルも多い。
- その他、「タレント・モデル契約」に関する相談もあり、「プロフィール写真のために必要と高額な撮影料を請求される」などの事例がみられる。
担当:参事官(調査研究・国際担当)