第1部 第3章 第1節 若者の消費行動|概要
第1部 消費者意識・行動と消費者問題の動向
第3章 【特集】若者の消費
第1節 若者の消費行動
若者の消費性向は低下
- 平均消費性向は全年齢平均で長期的に低下傾向であるが、20歳代、30歳代前半の年齢層ではより大きく低下しており、若者が消費に慎重であることがうかがえる。
- 現在の若者は、経済の低成長が持続し、非正規雇用比率が上昇する中で育っており、将来の生活に不安を感じやすいと考えられる。
若者の消費には「車離れ」、「アルコール離れ」等がみられる
- 「自動車等関係費」は、男性では大きく減っているものの、女性では増加。
- 単身世帯の若者の消費のうち、費目別にみると「酒類」、「洋服」は男女ともに減少傾向。
図表I-3-1-7 1か月当たり品目別平均支出額(自動車等関係費) [CSV]
単身世帯男性の外食費は減少
- 「食べること」にお金を掛けていると考えている消費者は多い(P.21参照)が、食料費は減少傾向。
- 食料費の内訳の増減を見ると、単身世帯の30歳未満男性では「外食費」が大きく減少しているが、30歳未満女性では「素材となる食料」が大きく減少。
- 二人以上の世帯では、全体でも「素材となる食料」が減少する一方で、「調理食品」が増加。
買物好きな若者は多いが、消費は堅実
- 10歳代後半から30歳代まででは「買物が好き」に「当てはまる」(『かなり当てはまる』+『ある程度当てはまる』)との回答は約7割で、高年齢層に比べて高い。
- 一方で、若者の消費は堅実な傾向。現在お金を掛けているものや今後お金を掛けたいものが「貯金」。(P.21、22参照)
- 「買う前に機能・品質・価格等を十分に調べる」かについては、「かなり当てはまる」と強く意識する割合が高い。
スマートフォンを必需品と考える若者は8割1日3時間以上利用が7割
- 若者の行動は、情報化の進展に伴い変化。
- 若者の多くが、スマートフォンを保有し、情報の入手、コミュニケーション、情報発信等に活用。消費者意識基本調査によると、若者の8割がスマートフォン等を生活の必需品と考える。
- 若者のスマートフォン利用は1日3時間以上が73%。
- それにより、テレビ・ラジオ・新聞等に掛ける時間が減少。
若者はスマートフォンを様々な用途で利用、SNSの影響で商品も購入
- スマートフォンの主な用途は、幅広い年齢層でウェブサイトでの検索や通話、メール。若者は、さらにSNS利用やインターネットでニュースを見ることが多い。
- 若者は主にスマートフォンを使い、SNSは「毎日利用している」。10歳代後半で72.7%、20歳代前半で69.4%。女性でやや多い。
- 10歳代後半、20歳代では、多くが友人や有名人の発信するSNS情報をきっかけに商品の購入又はサービスを利用。
若者にはSNS発信のための行動やコト消費がみられる
- 20歳代後半を中心に、若者は、外食などにつき、SNSに写真や動画を投稿することを目的として、行動している。
- 若者は、「外食」や「買物」、「友達と集まる」割合が他年代と比べ相対的に高く、コト消費を行っている。「旅行」も60歳代以上と同水準で高い。
担当:参事官(調査研究・国際担当)