第1部 第1章 第3節 消費生活相談の概況|概要
第1部 消費者意識・行動と消費者問題の動向
第1章 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果等
第3節 消費生活相談の概況
2016年の消費生活相談件数は88.7万件、引き続き高水準
- 2016年の消費生活相談件数は、88.7万件。
- 2015年を下回ったものの、依然として高水準。
- 情報化が幅広い年齢層に一層広がり、インターネット利用等の情報通信に関する相談が増加。
- 架空請求に関する相談は7.7万件と、前年並みであるが、5年前に比べ増加。
人口当たりの消費生活相談件数は20歳代、30歳代では減少
- 人口1,000人当たりの消費生活相談件数の推移をみると、20歳代では2007年の10.8件から2016年は6.2件へ減少、30歳代は2007年の11.5件から2016年には7.1件へ減少。65歳以上の高齢者では、2007年の5.5件から2016年には7.1件に増加。
- 若年層の減少については、キャッチセールス等に関する相談の減少や、「アダルト情報サイト」に関する相談の減少(P.14参照)等が影響しているとみられる。
- 高齢層の増加については、高齢者を対象とした詐欺的手口等のトラブルが増加していることに加えて、早めの相談を促す啓発活動や、高齢者に対する見守り体制の強化で相談の掘り起しといった側面もあると考えられる。
「通信サービス」に関する相談件数が突出
- 2016年の相談を商品・サービス別にみると、「通信サービス」(ウェブサイト利用のデジタルコンテンツを中心とした情報通信関連が多くを占める)の相談件数が突出し、約26万件。ただし、相談1件当たりの支払った金額は低く、平均2.7万円。
- 相談件数が2番目に多いのは「金融・保険サービス」。
幅広い年齢層で、「通信サービス」に関する相談が多い
- 幅広い年齢層で、デジタルコンテンツ、インターネット接続回線、携帯電話サービス等の相談を含む「通信サービス」の相談が大きな割合を占める。
- 男性は60歳代、女性は40歳代の相談件数が多い。
- 女性は、男性と比べ健康食品等の「食料品」についての相談件数が多い。
高齢者に関する消費生活相談件数は依然として高水準
- 高齢者に関する消費生活相談件数は2013年をピークに減少傾向にあるものの、依然として高水準。
- 2016年はデジタルコンテンツ等のインターネットに関する相談が増加する一方、金融商品に関する相談は減少。不審な電話がかかってきた等の具体的な商品が不明なものも多い。
「インターネット通販」に関する相談の割合が拡大
- 販売購入形態別にみると、相談全体で「店舗購入」の割合が縮小する一方、「インターネット通販」の割合が拡大。65歳未満の相談割合は34.8%。
- 65歳以上の高齢者では、近年大きかった「電話勧誘販売」の割合が小さくなり、「インターネット通販」の割合が拡大。
- 判断力が低下していると考えられる認知症等の高齢者では、「訪問販売」の割合が4割を超える。
担当:参事官(調査研究・国際担当)