COLUMN10 今後、現れると想定される3つの消費行動タイプ
今後、現れると想定される3 つの消費行動タイプ
経済産業省「消費者理解に基づく消費経済市場の活性化」研究会報告書(2017年3月)では、2030年の消費経済市場において、「自律的消費」、「他律的消費」、「偶発的消費」の3つの特徴的な消費行動タイプが現れるのではないかと提示しています。
ここでいう「自律的消費」とは、自らのこだわりを追求し、消費を自らコントロールする消費行動のタイプです。また、「他律的消費」とは、自分の求めている最適な商品やサービスについて、他者がIT等を通じて発見して提案して欲しいとする消費行動のタイプです。そして、「偶発的消費」とは「ワクワク・ドキドキ感を味わいたい」という欲求を追求し、偶然おもしろいと感じるものを発見することを望む消費行動のタイプです。
この3つの消費行動のタイプは、1個人の中に共存しており、消費者は一つにとどまらず常にそれぞれのタイプ間を行き来しています。このような動態的な消費の変化を捉えるには、あるタイプから別のタイプに移る"変化の兆し"を察知する必要があります。どのような要素が、その"変化"を起こさせ、また"変化の兆し"を生じさせるのかを見極め、消費行動タイプ間での動きを一早く掴むことが、消費者理解の重要なポイントになります。
将来を見据えながら「消費」を改めて見つめ直し、単なる「消費」やその活性化を意味するものではなく、例えば、セレンディピティ(欲しいものとの偶然の出会い)などを通じた"心の豊かさ"を感じる消費社会を構築していくには、消費者・事業者・行政が連携していく必要があります。
担当:参事官(調査研究・国際担当)