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COLUMN9 「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」の設立

「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」の設立

全国ネットワークの構築

福井県では、2006年度から全国に先駆けて、おいしい食材を使っておいしい料理を適量作って食べきる運動、「おいしいふくい食べきり運動」を展開し、食品ロスの削減を推進してきました。こうした取組は、現在、多くの地方公共団体で実施されています。

そこで、2016年度、福井県から全国の地方公共団体にネットワークへの参加呼び掛けを行ったところ、北海道から沖縄県まで、日本全国から44都道府県、201市区町村の参加を得て、2016年10月10日に「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」を設立しました。

設立総会では、福井県が事務局を務めること、協議会の活動として、「情報共有・発信」と「全国共同キャンペーン」の2つを実施し、食品ロス削減を働き掛ける施策の充実と、住民や飲食店、食品販売店などの事業者に働き掛けを行っていくことを決定しました。

議事終了後には、各地方公共団体の食べきり運動紹介、ゲストトーク、パネルディスカッションを開催しました。

福井県連合婦人会「食べ切りダンス」
福井県連合婦人会「食べ切りダンス」

(1)各地方公共団体の食べきり運動紹介

静岡県、京都府宇治市、福井県連合婦人会が取組を発表しました。

(2)パネルディスカッション「食品ロス削減に向けてのネットワークの意義と展開」

関係省庁と地方公共団体がそれぞれの食品ロス削減に向けた取組を説明したのち、ネットワークに期待することとして、地域からの声を国に伝えることや、全国的なメディアに発信をしていくなどの意見がありました。

  • パネルディスカッション
    パネルディスカッション

  • 各地方公共団体の食べきり運動展示
    各地方公共団体の食べきり運動展示

協議会の活動

(1)情報共有と発信

協議会では、参加地方公共団体間での政策の情報共有と発信に力を入れています。既に「おいしい食べきり運動」など、独自の食品ロス削減施策を実施している地方公共団体の施策内容、さらに、実施する場合の具体的なノウハウを「食品ロス削減のための施策バンク」として取りまとめ、ウェブサイト(注1)で公表しました。また、消費者庁も協力して、食べきりや食材使い切りのレシピをクックパッドで紹介しています。

(2)全国共同キャンペーンの実施

2016年12月から2017年1月までの宴会の多くなる時期に、食べ残しをなくすことを呼び掛ける「全国共同キャンペーン」を80の地方公共団体で実施しました。「おいしく残さず食べきろう!」を共通のキャッチフレーズとし、各地方公共団体でポスターやちらしを企業や飲食店に配布して啓発を行いました。このほか、小盛りサイズメニューの導入など飲食店をキャンペーン協力店舗として登録する取組についても、全国チェーンの飲食店などに協力を求めていきます。

また、「家庭での食材おいしく使い切り」の全国展開として、全国チェーンの食品販売店に対して、少量パック販売やばら売りなどの充実を要請するとともに、消費者団体や住民団体とも連携して、家庭での使い切り実践への働き掛けの活動を行う予定です。

福井県作成宴会時の食べきり啓発ちらし
福井県作成
宴会時の食べきり啓発ちらし

協議会設立後も、参加地方公共団体数は増加し、45都道府県、243市区町村となっています(2017年4月24日現在)。協議会では、今後も「おいしい食べきり運動」実施地方公共団体を拡大するとともに、消費者、事業者に対し、おいしい食材や楽しい会話を含めた食事全体を「楽しくおいしく食べきる」ことを伝えていくことで、日本全体の食品ロスが削減されるよう、運動を進めていきます。

担当:参事官(調査研究・国際担当)