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COLUMN3 学校での学びをきっかけに意識改革と個々の生徒の活動の広がり

学校での学びをきっかけに意識改革と個々の生徒の活動の広がり

渋谷教育学園幕張高校では、文部科学省の2014年スーパーグローバルハイスクール指定校として、「多角的アプローチによる交渉力育成プロジェクト」を掲げ、「食」に関する課題について3年間活動しています。その一環として、「食品ロス」をテーマに調査を行い、食品ロスの問題が身近なところからグローバルな世界まで広がっていること、食品に関する日本の法的問題、この分野における先進国フランスの例等を学習しました。こうした多角的側面からのアプローチの経験が、その後の課題解決型の学習や海外研修など、生徒の学習活動の色々な場面でいかされていきました。具体的な活動として、貧困救済につながるフェアトレードの認知活動や食品ロス解消のためのフードドライブの活動を実施してきました。フードドライブの活動は、家庭で使われない、使いきれない未使用未開封食品を学校へ持ち寄り、フードバンクに寄付するというものです。同様に、物品、古本などは文化祭で販売し、その収益を「食」に関わる公益団体へ寄付しています。2016年度半ばからは、「Food Waste(フードウェイスト)=食品廃棄」の取組を始め、生徒たちは「フードウェイスト・ゼロ」を目標に、学校の厨房から出る廃棄野菜でコンポストを使った循環型のフードウェイスト・ゼロの仕組みを考え、活動を開始しています。2016年度はコンポストの設置までにとどまっていますが、2017年度からは、厨房と相談して野菜作りが始まり、特別メニューとして生徒に提供される予定とのことです。こうした調査や学校活動のほか、生徒個人の意識や行動にも広がりが見られ、多くの生徒が「ハーフサイズメニュー」、「ドギーバッグ」、「コンポスト」といった単語に敏感に反応するようになったほか、食品ロスの現状を論文にまとめ、外部のコンクールで入賞した生徒もいます。「食品ロス」という問題意識の浸透による生徒たちの今後の活動にも期待できます。

  • 集まった食品
    集まった食品

  • 廃棄野菜をコンポストへ
    廃棄野菜をコンポストへ

2016年度 循環型フードウェイストゼロ活動

「食」に関する課題の取組 ~今までの活動と今後~

担当:参事官(調査研究・国際担当)