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第1部 第3章 第2節 若者の消費者トラブル

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第3章 【特集】若者の消費

第2節 若者の消費者トラブル

若者は、成熟した成人と比べて「知識」、「社会経験」、「お金(資力)」が乏しいことによって、消費者トラブルに巻き込まれたり、被害が大きくなったりするといわれています。

特に成人に達する前後の年代は、多くが高校を卒業して、大学へ進学したり就職したりするなど、生活環境が変わる時期に当たります。また、親元を離れて一人暮らしを始めるケースも多く、社会と接点を持つ活動も急速に増えていきます。

このように若年期の状況によって生じる特徴的な消費者トラブルがある一方、最近の社会経済環境の変化や若者の嗜好によって、新たに目立ってきている消費者問題もあります。

本節では、10歳代後半から20歳代に焦点を当てて、全国の消費生活センター等へ寄せられた消費生活相談情報に基づき、以上の観点から、若者の消費者トラブルの内容・傾向を示していきます。

また、若者は他の世代に比べ、「体力」(注71)、「吸収力」、「行動力」があるといわれています。つまり、どんどん進化している情報ツールを使いこなし、新たな発想で文化を作っていく側面も持っています。したがって、若者へ向けた消費者啓発が適切に届けば、消費者被害を未然に防ぐメリットも大きく、万一トラブルに巻き込まれたとしても、解決に向けて自分自身で情報収集して行動を起こす力が育まれることにも期待ができます。これら若者の持っている力も念頭において、近年の動きについて分析していきます。


  • (注71)スポーツ庁「平成27年度体力・運動能力調査報告書」

担当:参事官(調査研究・国際担当)