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第1部 第2章 第1節(2)消費生活を取り巻くインターネット環境

第1部 消費者意識・行動と消費者問題の動向

第2章 消費者を取り巻く社会経済情勢と消費者意識・行動

第1節 消費者を取り巻く社会経済情勢

(2)消費生活を取り巻くインターネット環境

●インターネットの利用が拡大し、高齢者にも広がっている

総務省「通信利用動向調査」により、個人のインターネット利用状況をみると、80歳以上を除く全ての年齢層で利用率が高くなっており、2015年末には13歳から49歳までの層で100%に近くなっています(図表I-2-1-20)。

また、2010年末と2015年末とを比較すると、60歳代は12.2ポイント、70歳代は14.3ポイントとそれぞれ上昇しています。特に70歳代は2015年末時点では53.5%と、半数以上がインターネットを利用しており、高齢層にもインターネット利用が拡大していることが分かります。幅広い年齢層で、インターネットが日常生活により一層浸透していることを表しています。

●スマートフォンの普及が急速に進む

同じく、総務省「通信利用動向調査」によると、2015年末にはスマートフォンを含む携帯電話は8割以上が保有しており、前年と比べて7.7ポイントと大きく上昇しました。中でもパソコンに近い機能を携帯電話で利用できるスマートフォンは53.1%が保有しており、半数を超えています(図表I-2-1-21)。

スマートフォンの保有状況を年齢層別にみると、2015年末で20歳代が92.9%、30歳代が86.2%、13~19歳が79.3%と若い年齢層で保有割合が高くなっていますが、2013年末から2015年末にかけての増加幅では40歳代が20.9ポイント、50歳代が23.5ポイント、60歳代が17.4ポイントと、より高い年齢層で急速に広がっていることが確認され、幅広い年齢層でスマートフォン利用がますます進んでいます。こうした手軽な端末の普及がインターネットの利用拡大に寄与していると考えられます。

●家計のインターネット利用に関する支出は年々増加

総務省「家計消費状況調査」によると、インターネット利用料は2016年には1世帯当たり月平均で12,723円となっており、年々増加傾向にあります(図表I-2-1-22)。また、ネットショッピングを利用した1世帯当たり月平均支出額は2016年では7,448円と、前年をやや下回ってはいるものの2014年以前より高額の支出がなされています。両者の支出額を合わせると2016年は1世帯当たり月平均で20,171円となり、支出総額の7.4%を占めています。

ネットショッピングを利用した1世帯当たり月平均支出額の7,448円の内訳をみると、宿泊料、運賃、パック旅行費等の旅行関係費が21.3%と最も多く、次いで食料品、飲料、出前等の食料の13.6%、書籍・音楽映像ソフト、パソコン用ソフト、デジタルコンテンツ、チケットの12.1%と続きます(図表I-2-1-23)。幅広い商品やサービスでネットショッピングを利用した支出がなされています。

以上のとおり、消費生活にもインターネットが浸透してきていることが分かりました。次に、インターネットを利用した新たな消費者へのサービスの広がりにつながる例である「フィンテック」、「シェアリングエコノミー」を取り上げ、それぞれの仕組みや消費者の認知度等を紹介していきます。

担当:参事官(調査研究・国際担当)