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ICPEN詐欺防止月間(2021年)

-消費者の誤解を招くおそれのある、環境に配慮していることを主張する広告による詐欺に注意しましょう-

消費者庁では、消費者保護に関する国際ネットワークであるICPEN(※)が実施し、世界中のICPEN加盟国が参加する、消費者に対する国際的な啓発キャンペーン「詐欺防止月間(Fraud Prevention Month)」に参加しています。我が国では、毎年5月の「消費者月間」に、キャンペーン活動を行っています。
今年の世界共通テーマは、「消費者の誤解を招くおそれのある、環境に配慮していることを主張する広告(以下「環境広告」という。)に関する消費者の意識向上」です。消費者の皆様におかれましては、このキャンペーンを通じ、詐欺被害の未然防止に役立ててください。

  • (※)ICPEN(アイスペン:International Consumer Protection and Enforcement Network(消費者保護及び執行のための国際ネットワーク))は、国境を越えた不正な取引行為を防止するための取組の促進を目的とした、各国の消費者保護関係機関をメンバーとする非公式会合。

1.「環境への配慮」に対する関心の高まり

2015年、国連サミットにおいて「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals(SDGs))」が採択されました。地球環境問題への対応を始め、持続可能な社会に向けた取組の重要性が国際的に認識され、「環境への配慮」に対する関心も高まりを見せています。
消費者庁が2019年度に実施した消費者意識基本調査において、「消費者として心掛けている行動」について調査したところ、「環境に配慮した商品やサービスを選択する」という行動を「心掛けている」(「かなり心掛けている」+「ある程度心掛けている」)と回答した割合は、56.9%となっており、我が国でも「環境への配慮」に関心を持つ消費者は少なくありません。

消費者庁「消費者意識基本調査」(2019年度)により作成。
「あなたは、消費者として、以下の行動をどの程度心がけていますか。」との問いに対する回答。
四捨五入のため、合計は必ずしも一致しない。
「環境に配慮した商品やサービスを選択する」の項目では、
かなり心がけている10.4%、ある程度心がけている46.5%、どちらともいえない29.6%、あまり心がけていない9.9%、ほとんど・全く心がけていない2.5%、無回答1.0%

<消費者として心掛けている行動について>(令和2年度消費者白書より)

消費者庁においても、持続可能な社会の実現に向け、地域の活性化や雇用等も含む、人や社会・環境に配慮して消費者が自ら考える賢い消費行動、いわゆる「エシカル消費」の普及・啓発(詳細はこちら)や、事業者が消費者の声を聴き、消費者と連携・協働して社会課題に取り組む「消費者志向経営」の推進(詳細はこちら)などの取組を行っています

2.消費者の誤解を招くおそれのある環境広告

2020年11月、ICPEN加盟各国において、オンライン上に掲載された、消費者の誤解を招くおそれがある環境広告について調査を実施しました。その結果、各国で調査を実施した環境広告のうち約40%が、消費者の誤解を招くおそれがあることが判明しました。
ICPENによると、意図的か否かを問わず、環境に配慮しているという主張そのものが曖昧、正確でない又は誇張されているなど、消費者に誤解を与えるおそれがある広告を使用し、商品・サービスを販売している事例があることが明らかになったとしています。
また、2021年1月、欧州委員会がEU域内で同様の環境広告に関する調査を行った際には、調査対象となった環境広告のうち約半数が、十分な根拠を欠くものであったと公表しています。
このように、消費者の誤解を招くおそれのある環境広告は、国際的に問題視されています。

3.誤解を招くおそれのある環境広告事例

ICPENでは、世界的に「消費者の誤解を招くおそれのある環境広告」が広がっていることを懸念し、加盟国の消費者保護当局を通じ、環境への配慮に関して誤解を招くおそれのある環境広告の事例を示して注意喚起を行っています。以下は、ICPENが紹介している誤解を招くおそれのある環境広告の事例の一部です。

【1】個々の製品に対する環境広告の事例

(1) 環境への配慮について具体的に記載していない商品の事例
  • 「持続可能」や「環境に優しい」と表示されているが、持続可能性等に関する具体的な説明やリサイクルマーク等がなかった。
  • 「当製品にはリサイクル素材が20%多く使われています」と記載されているが、従来製品との比較か又は競合他社の製品との比較かが分からなかった。
(2) 環境に配慮している一部の側面のみを主張する商品の事例
  • 希少資源を浪費していないことを記載しているものの、代替エネルギーを多く消費しており、結果的に環境に悪影響を与えていた。
  • 環境に配慮した製品とうたっているが、実際には製造工程のみが環境に配慮されたものであり、原材料等は環境に配慮されたものではなかった。

【2】企業全体に対する環境広告

環境に配慮していることを連想させるキャッチコピー等を使用する企業の事例
  • 企業が取り組む幅広い事業のうち、一部のみでしか環境に配慮した取組を行っていないにもかかわらず、あたかも企業を挙げて環境に配慮した取組を行っているかのようなキャッチコピーを使用した。

【3】ロゴや記号を使用した環境広告

環境に配慮しているような印象を与える視覚的なロゴや記号を使用する事例
  • 環境に配慮していることを示す視覚的なロゴや記号が使用されているが、環境保護当局等の認証基準を満たすものではなかった。
  • ロゴや記号に、緑色、木や葉の絵文字等を使用し、環境面の利点がある又は環境に配慮していることが認証されているという誤った印象を与えた。

4.終わりに

持続可能な社会の実現に向けて、消費者一人一人が、商品やサービスを購入する際に環境に配慮したものを選択することは重要です。しかしながら、環境に配慮した商品である等とうたいつつも、その環境広告には誤解が潜んでいる可能性があることも忘れてはいけません。
消費者庁では、今後とも景品表示法に基づき、消費者に誤認を与えるような不当表示について厳正に対処していきます。
消費者の皆様も、商品やサービスを購入する際には、広告の内容等をしっかり吟味し、十分に注意して購入しましょう。

担当:参事官(調査研究・国際担当)