記者会見(平成31年2月21日(木))
日時:平成31年2月21日(木)16:20~16:34 於:消費者庁6階記者会見室
1.発言要旨
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中川委員長
本日の調査委員会では、幼児同乗中の電動アシスト自転車の事故の審議を行いました。これは使用実態の調査,設計の検証、それから、情報の収集のあり方という3つの柱になるわけですけれども、本日はそのうち使用実態の調査の仕方,すなわちどのようにアンケートをとるかなどについて議論をいたしました。
もう一つ重要なものとしては、以前お話をいたしましたけれども、プール事故の基礎的調査です。この事故について以前に報告書を出しましたけれども、その後、もう少し長期的スパンで基礎的な調査をやろうということにしています。例えば,報告書では監視の強化を述べましたけれども、監視をしているつもりでもどのように一瞬の空白ができるかとか、我々がまだ知らないような子供独自の溺れ方をするのではないかなどについて、基礎的調査をやろうということになっており、その基本的な方向性についていろいろ議論をいたしました。
以上、2点が主要なところです。
続いて、部会につきましては、委員長代理からお願いいたします。 -
持丸委員長代理
今月開催いたしました部会の議論を紹介いたします。
製品等事故調査部会は、幼児同乗中の電動アシスト自転車の事故、それから、歩行型ロータリ除雪機による事故及び新規の調査事案候補について審議を行いました。私が部会長を務めますサービス等事故調査部会では、ただいま委員長より話のありましたプール事故の基礎的調査について審議を行いました。
私のほうからは以上です。
2.質疑応答
- 問 NHKの飯嶋です。
先ほどありました電動アシスト自転車の件なのですけれども、使用実態の調査とありましたが、もう少し詳しくどんな調査をされるのかというのがもし決まっていれば教えてください。 - 中川委員長
まだ概要だけですけれども、使用実態ですので、幼稚園児の保護者の皆さんが自転車で送り迎えしますね。どんなふうに皆さんが使っていらっしゃるのか、どのようなときに事故が起きそうというヒヤリハットの体験とか、そういうものをアンケート等を使って調べる必要があります。そういう調査をどういうところだったら協力してくれそうかなどといったことを含めて調査の方向を決めていったというところであります。
- 問 実際にその現場に行ってといいますか、じかに聞き取りができる場所を今、探されているという感じですか。
- 中川委員長
何件ぐらい必要かとか、どういう地域とか、いろいろな候補を出して議論している状況です。
- 問 毎日新聞の岡です。
除雪機の報告書のほうは、めどがもしわかっていれば教えてください。 - 中川委員長
いつ報告書が出ますとまでは現時点でわかりませんが、いつより早くないということは,言えます。4月の下旬より早いことはないです。今、雪が降っているところなので、実地での検証をやっている最中です。それを3月いっぱい行います。今、データを集めているところですので、3月のあと、4月は今度はそれをまとめていきますので、さすがに4月に報告書が出るところまではいかないだろうということで、4月までは報告書のとりまめまではいきません。その後,5月か6月かはわかりません。それはどういう議論が中であるかわかりませんので。
- 問 朝日新聞の長谷です。
差し支えなければ、今、どんな事故に皆さんの関心が寄せられているかというか、議論の中でもちろんそれぞれ調査してくださいという申し込みがあるかもしれないのですけれども、それを含めても含めなくてもどちらでも結構なのですが、皆さん、委員の中で今の社会の中で起きている、特にこういうものを見ていかなければいけないねというように話が幾つか挙がっているということがあれば、どんな分野がというのがあれば教えてください。 - 持丸委員長代理
一般的な話になりますけれども、今のこの除雪機もそうなのですが、一つは実社会にあるモーターがくっついているようなものをずっとここでは扱ってきたのですね。エスカレーター、エレベーター、シャッター、除雪機もそうかもしれません。そういった類いのものは、まだ事故があれば注視していかなくてはいけないというところが一つあります。
先ほどの除雪機の件もそうなのですが、安全のためのスイッチ類が使いにくくなってしまう。これは前に立体駐車場、立体駐車場は身近にあるモーターなのですけれども、あのときも出てきたのですが、スイッチをずっと押し続けているときだけ動作する。これが安全の基本なのですが、ずっと押し続けているのがうっとうしいので、押し続けられるクリップを消費者が用意してしまったりすることがどうしてもあるわけなのです。それが事故につながってしまうということで、少なくとも除雪機でも似たようなケースが出ていて、必ずしもスイッチではないですが、似たようなところ。こういうようなものについて、使いやすさと安全をどうやって両立させていこうか。そうすると、またそれに類似してきたような事案も考えていかなくてはいけない。
それから、これはどうなるかわかりませんが、今、ちょうど自転車が挙がっておりまして、今回はお子さんを乗っけた自転車ですけれども、自転車に関連する事故がお子さんに限らず起きていますので、その部分を取り上げるのか、何らかの事案の注意として報告するのか。そういったところも関心を持って議論をされている。そんなようなところが、今、議論の多いところだと私は理解しています。 - 問 ニッポン消費者新聞の丸田です。
関連なのですけれども、先ほど持丸さんがサービスのほうでプール事故の件ということで、中川委員長もおっしゃいましたが、これは事故の発生する局面というのですか、ここを調査されるのか。それとも、これまでプール事故についてはプールを設置している施設の調査であったりとか、それを事故調の提案に対して遵守しているかどうかも含めて調査もされましたけれども、広くやるのか。基礎的というのがよくわからないので、もう一度。 - 持丸委員長代理
私からお話をしますと、狭くやります。ということは、どういうことかというと、幅広く皆さんに今、どういうことをやっていらっしゃいますかというようなことを、少なくともこの委員会として追加調査するということではありません。なぜならば、この委員会は既に報告書を出して、そういう調査は関係省庁にお願いしています。
一方で、我々としては、実は先ほど委員長からも話がありましたけれども、どんなタイミングで急に危なくなってしまうのかは、実は専門家でもよくわからないことがありまして、そういったところに関してヒヤリハットのような状況があるだろうかということで、基礎的と申し上げているのは、実はそんなに発生確率の高いものではないので、そういう事案が見つかるかどうかわからないのですが、少し調査をしてみようということで、今、どんなやり方でやるとより効果が上がるかとか、倫理的に問題がないかというあたりを委員会の中で議論をしている、そんな状況でございます。 - 問 部会の報告の中の製品のほうでは、一番最後に新規事例も検討されているようなことをちょっとおっしゃいませんでしたか。
- 持丸委員長代理
そうですね。製品のほう、先ほどちょっと新聞社の方に答えましたけれども、そのようなことも含めて、個別の事案だけではなくていろいろな先生方から気になっていることも頂戴して、新規事例を検討している状況です。
- 中川委員長
私からいいですか。先ほどの朝日の方からの質問に関して、今、ちょうどいい2つの事例が出てきたと思います。一つは、安全装置です。安全装置がついているけれども、簡単に無効化できて、結局,何の意味もないと。そういう意味で、人間にとって意味のある装置になっていないというパターンが結構ある。これが第1類型。もう一つが、今のプール事故で、何かまだ私たちがよくわかっていない事故の発生メカニズムがあるのではないかというものです。プールについてすでに報告書は出したのだけれども、まだわかっていないことがあるのではないかという思いを持っています。何かもっとよりうまく防ぐ方法はあるのではないかを考えるというタイプが第2類型ですね。我々が繰り返しみるのは,そういう2類型ではないかと思います。きょうも委員会でこういう調査をやったらどうかという提案はありましたが,これはこれまでもこういうタイプを扱ったという指摘がありました。大体その2つかな。もう一個ぐらいあるかもしれませんけれども、繰り返しこのふたつは話題になるなという感じがしていますね。
- 問 あと一つ、除雪機ですけれども、4月下旬より早くはないという。
- 中川委員長
4月下旬はまだ議論しています。
- 問 なので、つまり、シーズンが終わってしまうので。
- 中川委員長
だけれども、次のシーズンに対応しなければいけないので、夏とか、秋になってしまって報告書を出すのではもう遅いですからね。それは努力したいと思います。ただ、委員会で議論百出になって、もっとこんなことも検討が必要となると、直ちには報告書が出せないので、そこは保証の限りではありませんが。
- 問 ただ、除雪機に対して、ずっと消費者庁も注意喚起をしたりとか、国民生活センターもテストをしたりとか調査をしたりとかしておりましたので、それそのもの、要するに、どんな点に注意すべきかということに対しては、消費者あるいは使用者に対してやっていますので。
- 中川委員長
それだけではないですね。対策としてこうしたらいいとか。
- 問 そういうものがある。だから、結構すぐ行くのではないかと思っているのですけれども。
- 中川委員長
報告書がそれだけで終わるかどうかの問題ですね。
- 持丸委員長代理
まず、前回中間で報告を出したときに、御存じのとおり、結構リッチな報告を出したのですね。それは雪のシーズンの前にということなのですが、こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが、それは雪のシーズン中には報告書が出ないよという我々の何となくの読みがありまして、とにかく、このシーズンに向けては、今、わかっていることをできるだけ書き込んでしまおうということです。
もちろん消費者の方に、重篤な危害になっていることを鑑みて何とかしていかなければならないのですが、あれもだめ、これもだめというと、今度は全然使えないことになって、雪がかけないと困ってしまうわけです。一方で、先ほども言ったようにインターフェース、インターフェースというのは人と機械の間のところをもうちょっとうまく示唆してあげないと、文句をつけられた業者のほうもどうしていいかよくわからないということになってしまうのですね。そこのところをできるだけ負担なく、かつ逃げ道なくと言ったらいいのでしょうか。安全に使っていただけて、それが負担にならないような答えを何とか探せないかというところで、専門委員にヒューマンインターフェースの専門家も入って議論しているところで、それも踏まえて、実は実験的なことも今、やっていただいているのですね。その結果が出てこないと我々も何とも言えなくて、出てきてから紛糾すると委員長のように簡単にはおさまらないということになるかもしれません。済みません。もうちょっとお待ちください。